「自省、今一度、足元をみつめよ」
今年も半分が過ぎました。
未だ不感になれず、ここが皆のユートピアにならぬよう、今一度、身を引きしめたい。
それにしても、
才能ある人は、自分の歌の器を壞すことができず、
(ここは、それが条件なのに―)、自分かわいさでまとめていってしまい、
努力ある人は、今の時代に向け何をどう発信していき、
いかなる形にするかを学ぼうとしない。
未だ、アーティストの育たない現状をどう見るか。
力をつける人は、地中、深く潜って自分を磨くとともに、
宇宙の真理、人間の心理を学んで欲しい。
力を出す人.は、発信にそなえ、時代や社会を学び、
自分のおかれた環境をいかに自分の活動に活かすかを考えて欲しい。
芸とは、技術と人間の加わったもの。
文化とは、毎日の積み重ねから、個人が生み出し、社会へ落としていくもの―。
時代にも社会にも世の中の動きにも学ぼうとせず、
いたずらに身体能力や技術を高めているだけでは、自己満足に過ぎない。
人間をみないなら、へたなステージの繰り返し以上に意味がない。
趣味でやればよい。プロでやろうと思うな。
肝と腰を据えて、自分中心で行うこと。
まわりでちょこちょこしていても、どうしょうもない。
タレントの道―は、ほとんどの人には、あきらめなさい。
タレントとしての評価は、その素質がなくてはいけない。
歌がうまくとも、タレント性がなくてはどうしようもない。
タレントとは、時代や社会の求める能力、
急いで他の評価に身をゆだねるより、自分を絶対にしていくこと。
この自分とは、一生つきあっていくのだから。
他とは違う己れをもつこと。
それをアピールできるところまで、個を掘り下げていきましょう。
歌うのには、権利がいる。
聞きたいのは、内容のある歌、
それは、内容のある人からしか出てこない。
ロックをやっている、歌っている。
そのことだけで、いばるな、プライドをもつな。
いったい、君の声はどこに届き、誰の心を動かしているのか。
音楽を通じて、タレント以上のことができているのか。
まず、君のいる、この場を動かせ。
歌のカ、まねごとでなく、自分の存在感、オリジナリティ、自分の世界で、
ここにいる皆を感心させてみろ、
それさえできず、何ができるというのか―。
世に出たければ、世界を人間を、もっと見よ。
この場を本当に動かせたら、どこでも通じるだろう。
なのに、なぜ、まず一人前になろうとしないのだろう―。
ここにきているなかには、本当に狭いところで狭い視野で、
自分の可能性まで閉じ込めているように思える人もいる。
こんな狭いところで群れるな。
友人をつくるな。
飛び出せ。
世の中には、もっと大きく動いている人、動こうとしている人がいる。
時代を街を呼吸せよ。
ここでしか知り合いのできない人は、恥よ
社内恋愛、社内結婚のようなもの
(これは、社外を見ずに思い込んでしまうことで例えただけで、このことを批判しているのでない)
人しだいである。
もう一度、音楽をすること、歌うことから疑ってみたらどうか。
他にやることがなくてやっているだけなのか。
理由は何でもよいし、あえて求めないが、
自らを解放してくれるはずの歌に
しばられ、奴隸となっていないか。
自己陶酔、自己満足に終わっていないか。
君は闘っているか―。
この時代、すでにロックを手段として選ぼうとするところから、
前世代の愛好家ファンクラブというだけにみえなくもない。
私が古いものをとりあげるのは、そこに基本があり、
力をつけるには、まず、それを学ぶべきだと思うからで、
それでよいとは考えたこともない。
古いと思われているアーティストを紹介するのは、
多くの場合、今も最前線で大いなる試みをしているからであり、
あるいは、そうして、名が残ったからです。
その精神に学んで欲しい。
築かれた伝統や神話に学ぶのは、
自らの手で今、そして未来へ生かしていくためです。
それに埋もれるためではない。
純粋に音楽や歌に魅了される、
歌が好きでちょっと歌ってみたい。
ずっと、それでは、単なる聴衆と変わらない。
そこに声や歌をうまく扱うことをまねる能力をつけたからといって、どうなる。
これまであるライブハウス、音楽、歌を基準に考えているだけでは、学者バカと同じ。
そのワクのなかで、終わりだ。
そんなもの誰も認めるわけはない。
あくせくするな。
なぜ、ロックやジャズをやりたいという人たちが、
こんなに保守的なのか、
何も自分を世界を語れないのか、
それを体現できないのか、不思議に思う。
問われるのは、
君が何を変えたか、
どうジャンルを破ったか、
新たに何をもたらしたかだ。
生き様を問うて欲しい―。
人前で賞賛に値する芸は、人間に宿る。
早く、にせものから脱し、本物になって欲しい。
ここから先、広大な世界でそれを問うてください。
Be An Artistへの提書
本気でモノにしたい、モノになりたい人へ
- 仲間づくり、ネットワークづくりに励むな
暇人に巻き込まれるな、お茶飲む暇があれば、一人で学べ
- 友人のライブに行くな プロのライブへ行け 一流を聞け
- 誘いを断る勇気をもて
4. 力をつけ、力のついた人間とつきあえ(それまで待て)
5. 過去でなく明日を語れ
6. 孤立、孤独、孤高を恐れるな 孤の深みからしか力は湧いてこない
7. まわりのレベルでやっていたら、まわりと同じようにだめになる
8. 人のよいだけの人となるな そういう人はえてして何も打ち出せずにおわる
9. 学ぶことは2年間で1日8時間やっても足らぬほどある(どこの世界もプロは1万時間必要)
10. 歌が好き―それとヴォーカリストになるのは全く違う
本物を評価できる力をつけ、本質を捉え、自らの本性表せ
こうしたことができているような人しか、本当には伸びていないのが、現実です。
ここは、自己啓発、コミュニケーションの場、日本人村ではありません。
徹底的に個のなかの自分を引き出し、自分の価値を高めよ。
力なきものの千言より、カあるもののほほえみ一つが勝る(人を幸せにする)。
自分の力を最優先でつけること。
その可能性がある限り、ここにいて構いません。
ここで、そして、世の中で、世界で問うてください。