一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

素直さとはよいところを認める力   181

 

素直さとはよいところを認める力   181

 

ものごとを極めていける最大の力とは、素直であることです。

これは誰の言うことにも従うということではありません。

まずは、素直に耳を傾け、嘘だと思っても受け入れることです。

やってみて、自分で考える。考えられるようにしていくのです。

 

自分で判断すればよいかというと、そういうものではありません。

今の自分で判断のできるものなのか、よくよく考えることです。

 

だめな人ほど自分ですべてを判断したがります。

幼い子供のことを考えたらわかりますね。

なまじ狭い世界で根拠のない自信をもっていると、

なかなか素になれません。けっこうな年齢まで引きずるのです。

 

そもそも自分で判断できるくらいのものなら、

他の人のところで学ぶ必要があるのでしょうか。

今は、いろんな見本、教材で学べるのですから、

まず、そうすればよいのです。

 

それで学べるようなものではないのなら、

なぜ学べないのか、

自分でできないのか、

学びたいものが自分の判断できる範囲内で

収まるものではないからでしょう。

 

だから学びにいく。

そうして、判断できるようになる手順を踏んでいく、

つまり、それが、学んでいくということです。

 

そういう人は誰からも、どんなものからも大きなものを得ることができます。

だから、伸びるのです。

全てのものを自分に活かす方向に受け取っていけるのです。

 

だから、絶対に他人のいい加減さや悪いところに文句は言いません。

そんな時間があったら、もっと自分のために使うように生きているからです。

 

 

 

 

 

 

 自分はある程度、できている、

人より優秀だとか才能があると思っている人に多い誤りは、

他人を斜め上からみる。つまり、批判的に見るということです。

完全を他人に要求する人に多く見られます。

特に日本の教育のなかでは、こういう人は一目おかれてきたため、

本人も気付いていないときが多いのです。

そのなかでは優秀とされてきたからです。

こういう人はこうでなくてはいけないと正答を予めつくっているから、

よいところよりも先に悪いところが目に入るのです。

誰からも、どんなことからも謙虚に学べる人が本当に秀れた人なのです。

 

 

    素直なことが、どのような世界でも伸びるための条件です。

そういう姿勢でものごと(何よりも自分のこと〉をきちんとやっていると、

まわりの人も応援せざるをえなくなります。

ものごとに1つのよいところと9つの悪いところがあったときに、

その1つのよいところから多くを学べる人が秀れた人です。

多くの人は9つの悪いところに目がいき、

自分のためにならぬ受けとめ方をします。

 

 

    自分に対しても自分のよいところに素直になることです。

残念ながらアーティストとしてやっていくことのできる生き方、考え方と

多くの人の意識には、大きな違いがあるようです。