トレーナー、スタッフ、特別講座 645
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特別講座「表現について」
トレーナーアドバイス
今月のイベント
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特別講座「表現について」
企画、構成: スタッフ K 361106 645
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「ミロール」
「あんたがきのう きれいな子に腕をまかせて
とおっただろう たのしそうに しあわせそうに
わらいながら あたしのまえを とおりすぎた
あの娘は まあほんとに きれいなこだったね」
「みんな誰でもかたくかたく愛しあおうと
いつの日かは離ればなれに別れるもの
愛は悲しい さりとて愛は捨てられない
さあ あんたにしあわせとやら さしあげようか」
ー
お前は誰だ。
なぜ、歌なんだ
歌でなにをしたいのか
誰にむかって歌うのか
まずこれが、自分のスタンスが決まっていなければ、
自分の歌はうたえない
普通の日本の若者です。
普通の人間なんてひとりもいないし
普通だなんて思ってる奴は、
世間にまぎれて自分のことがみえないとでも思っているんだ
まぎれられる社会だからね、日本は
自分のスタンスをはっきりさせなくても、別に命もとられないし、食うのにも困らない
日常生活レベルでは困らない
だけど、歌うとなれば別だ
伝えたいことがなければ歌う必要なんてない
歌ってはいけないんだ
「わたしが叫ばずにいられないことは..」
といって歌は始まるんだ
あなたがあなただから伝えたいことは、何だ
あなたがあなただから叫ばずにいられないことは、何だ。
それがないなら、まず歌うことから疑うべきだ
日常レベルでは困るんだ
お前は誰だ。
世界でたった一人
歴史上でたった一人
そのあなたが、あなたのすべてを使ってうたう伝えたいこと
歌で
表現 中にあるものを外に出す エクスプレス
中が満ちてないと、外に出ていかないだろうが
ステージ実習、ライブ実習
いや、一つのフレーズ
どれもこれも、中が満ちてないものばかりだ
満ちてないのに無理やり、声だけ出している
はっきり言おう
歌は、ヴァイオリンの演奏と同じく、特殊技術だ
音程、リズム、ことば、声のコントロール、フレージング・センス
どれもこれも、専門に時間をさかなければならない
誰でも言葉をしゃべるれるから、簡単に思っているけどね
歌うっていうのは、ヴァイオリンをマスターするのと同じくらい、
特殊で大変なんだ
時間もかかる、手間もかかる
子どものころから歌がうまい人もいる
君はいまからだ
もうプロになってる人もいる
君はまだまだだ
それなのにそんな君が、大変な努力をして、なぜ今から歌なんだ。
今下手なのはいいよ
時間と、手間を、本気でかければいずれのりこえられるだろう
けれど時間と、手間を、本気でかけることの困難さは、どうだ。
もし、君が
中も満ちていないのに、歌おうとおもっているとしたら
結局ものにならないだろう
だって
君にとって、表現はそんな重要なものではないもの
あるか。
今、あるか。
今、のどがあついか
抑えないと吹き出してきそうになるほどの「中身」が
叫ばずにいられないことが..
叫ばずにいられないこと、というのは
君の人生の答えだ
そのルールで生き、笑い、泣き、そしてそのルールにしたがって死んで行く
そんな君のコアだ
ゆずれないもの、あるか。
ここに一文字を入れてみよ
「人生とは........だ」
長さはなんでもかまわない
人生でたくさんのものを見てきた
たくさん泣いて、たくさん笑って、たくさん愛して、たくさん失った
たくさんの、もう消すことのできない傷が君の体についている
けれどもそれが、君なんだ
傷だらけの君が、君なんだ
その傷だらけの君にとって、生きるってことは、どんなものだった?
もちろん、君の世界は狭いだろう
井の中のカワズだろう
体験してないことはたくさん
だけど、それが自分の人生なら、それにうんといって
認めよ
君が認めなきゃ、君は救われないよ..
認めることができないと、泣いて、歌ったら
それは、ゲロだ
自分の足りない点を、歌ではらそうとするなら
ピカピカの傷一つないからだのふりはするなよ
普通の人のふりをするなよ
<もちろん社会生活では普通のふりが必要>
君はたくさん泣いて、たくさん笑って、
たくさん愛して、たくさん失った
生きていく限り、これからもだ
傷は、君だ
傷と向かい合え
そして、いかに自分が「普通」でないか知ることだ
「YES」といって傷ついた自分を許せ
そして
「傷だらけの自分」の答えを探せ
傷の話をきけ
傷が、答えを、教えてくれるんだ
その答えはなんて、澄んでいるんだろう
誰かが笑うかもしれない
誰かが怒るかもしれない
でも君は胸を張れるね
「これは僕が○○年生きてきて、自分のからだで確かめた、答えなんだ」と
自分が、その答えの、証拠なのです
日本はまぎれられる社会です
学校、仕事...。
傷のお話を聞いていたら、
社会生活に支障をきたしてしまうこともあります
だから
アイデンティティを確認するより
完璧な、傷一つないからだの持ち主として、
生きていくことが大切です
でも歌は、違います
叫びたいことがなければ、声も歌も、身につきませんよ
貴重な人生の時間を割くのに値しないからです
だいたい
アイデンティティが確立していないところで
「歌しかない」などと思ったところで
根無し草の決定で、あてになったもんじゃありません
不幸な生い立ちの人に、一流のヴォーカルが多いのは
結局、社会にまぎれることが許されないので
いつも、自分が何者なのか考えずにおれないのでしょう
そういった意味で、不幸さが、
ヴォーカルの才能のひとつになってしまうのは
皮肉なものです
自分の叫びたいこと、表現したいこと
自分が、その答えの、証拠なんだ
誰が何と言おうと、その答えがなければ、自分の人生なんて無だ
お前は誰だ。
俺はおれだ
だから歌で、このことを、伝えたい...
まぎれることのできない社会に生きた人々
わかりやすい例では、アメリカでの黒人たち
同じ人間なのに、人間として扱われず、
常に「差別」されて生きてきた
自分が何者なのかをわきまえていないと
生きていけない社会です
ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」を聞いてみましょう
あまりにも有名ですね
アメリカ南部における黒人リンチを題材にしたものだ
白人のリンチにあい、木につるされた黒人の死体
それは遠くから見るとまるで、
その木になった
奇妙な果実にみえる
血にまみれ、カラスにつつかれ、腐りはてる「果実」
同胞の悲惨な死をビリーは絶唱する
ビリー自身、黒人であるために大変な苦労をしていきてきた
黒人故の貧しさで、小学校にも行けなかった。
生きていくために女中からあげくに娼婦までして、売春罪で刑務所に入れられる。
歌手として活動し出してからも、黒人だからとホテルに泊めてもらえないことがしばしば、
同じバンドの白人メンバーと違うところに宿泊した。
黒い肌の悲劇は死の瞬間までまとわりついた。
長年の麻薬と深酒にからだをむしばまれ救急車で病院に運ばれたビリーは、
「黒人の麻薬患者」として、瀕死の状態のまま放置された。
ようやく病室をあてがわれてからも、役人の監視下におかれ、
最後の瞬間まで不当な弾圧を受けたのだ。
木になっている奇妙な果実。あれは、わたしの同胞なのだ!!
人間なのに、同じ人間なのに、肌の色が違うだけで、なぜあんなことをされるのだ。
そう、あれがわたしだっておかしくないのだ!!
肌の色がちがうだけで...。
この歌は放送禁止になったそうですが、
たしかにそうせざるをえない、
迫真の表現です。
同じ黒人でも
今度は生きる希望を表現した人を見てみましょう。
ゴスペルの女王・マヘリアジャクソンです。
彼女は、素晴らしい歌の力を持っていましたが、
決してショウビジネスの世界に近づこうとはしませんでした。
一度、当時の夫が失業してお金にこまったとき、
ミュージカルのオーディションを仕方なく受け、合格しました。
しかし、夫の職の方もみつかったとわかると、
すぐに役をおりることにしました。
「あぶないところだったわ。もう少しで、神様以外の歌を歌うところだった」
とマヘリアが言ったいうエピソードが残っているほどです。
ただただ、生涯神への愛を歌い上げました。
ジェラルディン・ルーミーの言葉に
「神を探すとき、神はあなたの眼差しに宿っている」
というのがありますが、マヘリアの場合
「神を歌うとき、神はあなたの声に宿っている」
というかんじです。
マヘリアの歌はまるで人間と神様の間に瞬間結ばれる架け橋のようです。
周りにあきれられながらも、頑固なまでに神様の愛しか歌わなかったマヘリア。
たしかにある意味狭いのかもしれません。
けれども、これがマヘリアの人生の「答え」なのです。
誰から、どんなに揶揄されようと、自分のからだと通して掴みとった「答え」なのです。
きっと今彼女は大好きな神様のそばで、幸せにくらしていることでしょう。
先ほどから言っているように、
社会生活を送るためにはアイデンティティといったものは
じゃまになります。
一人一人が完ぺきなネジであることが求められるのです。
便利さを追求する社会では、
いつのまにか人間が人間だってことさえ重要ではなくなっていってしまいます。
でもみんなその人間性排除社会で闘っていくのです。
そこで生きるしかないのです。
愛する人々を幸せにするために。
人間性排除社会に歌はありません。
ひずんだ機械音だけが聞こえます。
歌い手はアイデンティティがありますから、歌がうたえます。
そして歌は、社会に生きる人達のプラスチック化された肌を生身に戻し、人間性を回復させるでしょう。人間は、人間だから、人間性排除されたところだけでは生きていけませんもん。
でも表現というのは難しいです。
聞き手方の都合もありますから。
どんなにうまく表現手が伝えても、心に届かなければ...ね
「ノスタルジア」解説
この映画に出てくるイタリアの男、D。
この男は、「間違った社会」から愛する者を守るために、妻と子どもを自分の家に閉じ込めました。7年間。7年後、監禁に耐えられなくなった妻と子どもは扉をやぶって逃げてしまいます。
そんなDを、村の人は「狂人」と呼びました。
しかしからかう他の村人に対してDは
「汝は、汝ならぬもの。我は、我を知りたるもの」
と静かにいいはなちます。
ある日旅行で村をおとずれたロシア人作家が、Dに興味を持ちます。
「俺は家族だけを救おうとしてしまった。間違えだった。みなを救わねば、世界を救わねば」
とDはロシア人に言います。
間違った社会の方を、変えようと。
具体的な行動として、ローマでいろいろする予定だ、と。
Dはそして、社会に向かって、自分を表現します。
ピラミッドをつくるんだ、虫の音の介在をゆるす社会に...、
間違ったところにもどろう!!
Dは世界を変えるべく、表現します。
そしてその表現に殉死するのです。
演説の聞き手はみんなまるで「人間じゃない」みたいです。
人が焼き死ぬのを止めもしないし、驚きもしません。
唯一、人間みたいにDのことを心配するのはDの飼い犬だけ。
どちらが一体「狂人」なのでしょうか。
Dの表現は無駄だったのでしょうか。
Dの命をかけた表現は、煙のように消えて役にたたないものだったのでしょうか。
少なくとも、映画の中の観客にはあまり期待できそうもありません。
でも、これは映画です。本当の観客はわたしたちそれぞれなのです。
どうですか、あなたは、Dの演説をどういう風に聞きましたか。
「このおっさんよく言うよ」なんて、映画の中の観客のようにしらけてはいませんでしたか。
Dの死をあなたがあの場にいたら、止めましたか。
あなたは「狂人」ではないでしょうね..。
表現者は多かれ少なかれDなのかもしれないね。
命を削って伝えようとしても、聞き手の心の都合もある。
でも伝えようとする。
その心を、君の答えを、誰かはわかってくれるかもしれない。
そして、その人が、君の答えを継いでくれるかもしれない。
君の命を。だから、表現者は人に向かって伝えるんだ。
命を削って、伝えるんだ。
叫びたいこと
中のものが押し出てくる
これがあって、本当のモチベーションがかかる
人生の大切な時間を
一生に一回しかない時間を
歌のために使う意味がでてくる
時間も手間も使えるようになる
そうじゃないと、まあ、続かないよ
そして特殊技術の方
思いだけ溢れても、それをいれる器が壊れてたんじゃだめだ
声の魔術師にならなきゃ
他人の靴に足を入れる
あなたがある歌をうたうとき
最低でものべ4人の人間と出会うことになります
すなわち
作詞者
作曲者
歌い手
そしてこの曲をいいと思った人
この4人の一生懸命のこもった魂が、歌です
ですからあなたが
例えばステージ実習で課題曲を歌うとき、この4人の身になる必要があります
作詞者はこの歌の何をいいと思ったのか、伝えたかったのか
作曲者はこの歌の何をいいと思ったのか、伝えたかったのか
歌い手はこの歌の何をいいと思ったのか、伝えたかったのか
そして、もしその曲が古ければ、
この曲を愛した多くの人達の存在によって時間の洗礼をくぐり抜けたのだ
そんな人の思いを、汲む必要があります
そしてそんな人の思いを背負って、あなたは自分の歌として表現するのです
「他人の靴に足を入れる」
→他人の身になって考える、ということですが
歌い手にはこの作業が不可欠となります
では少し、他人の靴に足を入れるトレーニングをしてみましょう
「アコーディオン弾き」ピアフ
止めて!の一言で音楽を止めなければならない。
この一言は実に「満ちて」いる
それこそ、色んな想いがつもりつもって、
「ついに飽和して」止めて、となるんだ
飽和してないのに叫んでも、誰も音楽を止めようとは思わない
踊りながら、想いをため、飽和したところで
頭をかかえ、表情をゆがめて止めてと叫びます
あえて言います
演技だと思ってやってください
声だけじゃなく、あなたをそのまま、町の彼女にしてください
もしあなたがこうやって苦悶したら、どう叫ぶか
考えてみてください
顔の表情だって、体だって、当然声についていくのではないでしょうか
あなた全部をつかって、止めてと叫んでみてください
このセリフは、あなたの言葉です
他人の言葉、課題曲の詩にしないでください
ビリーだって、マヘリアだって、自分で書いた詩ではないはずですよ
でも、彼女たちの心の叫びにしてる
彼女たちは、あれを口にする資格があるのです
歌にうまくアプローチするため
すべてを使ってください
ルールも反則もありません
歌に一体化するために必要有効だと思えるものはことごとくやってください
泣いてみたっていいでしょう
悲しみ、苦しみをからだからみなぎらせるために
自分の実体験を追体験してみるのもいいでしょう
役者なら当然そうしますよね
うじきつよしさんはこの前、脳卒中でマヒになった役を演じるので
その実際をつかむため、病院に通い詰めたそうです
そこまでして、自分との接点をもつ
なければさがす
よりよい表現を求めれば当然のことです
なんでも、ありなのです
伝わればいい
ピアフは、このセリフをいうために、どこまで自分をおいつめてますか。
おそらく肌に鳥肌をたてているのではないでしょうか。
自分と、この「止めて」の接点
あらゆる角度からさがし
ちゃんと、ピアフになってください
□課題
あなたの声で、本当に音楽をとめること
苦しみが飽和して、結果、止めての絶叫になったというしぜんな流れがみえること
全身、毛穴からも悲しみ苦しみが吹き出しているのが感じられること
心ぐちゃぐちゃ、表情ぐちゃぐちゃ、全身ふるえ
そして声
全力でやらないと伝わらないよ
楽して、悲しむって、それウソだろ。
ウソで人になにかを伝えられるか。
伝えられたらそいつは、超天才だよ
天才じゃないなら、自分の経験で考えるしかないだろう
本当になりきるしか...。
聞き手をなめるな
ちょっとがんばったぐらいじゃ誰もだまされないよ
心も、からだもつかって懸命に送り出した表現
それが人の心を動かすんだ
一生懸命やってるときが、一番誰でもすてきなんだ
悲しみも
喜びも
一生懸命120%の自分をつかって送り出さなきゃ
だめだよ、どこかで冷静な自分がいたら
すべて投げ出せ
その表現をいれる器に
それでやっとちょこっと、人の心に届く
これは歌いたい歌じゃない
とか
いまの自分はまだ未熟だ
だなんて思っているうちは
表現のスタートラインにすらたってない
聞くよ
じゃあどの歌なら自分を投げ出せるんだ。
本当にあるならみせてみろ
聞くよ
今の自分で勝負してなくて、いったいどんな未来があるんだよ。
あしたあんた死ぬかもしれないだろ 確率は低いかもしれないけど
いつか、なんて言ってるやつは、結局いつもやらないんだよ..
表現について考える
表現したいもの
表現の対象
表現の方法、技術
ことば
語り
音楽
演出、形
□ステージの違い
□人の心を動かす
□価値の与え方
表現に関する問い 参加者の回答
Q1.何を表現したい。
人間のなかで一番、深いもの。
今。、僕は最近まで「真実」とか「真理」とかいうことばが大嫌いでしたが、最近、自分自身や生命というものを掘り下げていくにつれて、しぜんとそういうことばがボヤケてみえてきています。はっきりつかめてはいないのですが、それをしぜんと自分のなかに受け入れることができたら、はっきりするんでは。
生物の持つ生命力。一つの命には限りがあるけれど、物質は滅びても魂は永遠であること。
強さ、喜び、調和、幸福感、安らぎ、エモーショナル、愛、一体感、美。
自分自身。自分の気持ち、感情、愛、主張e.t.c...
心で思っていることを、ゆがめずに。
一所懸命さ。詩の内容(伝えたいメッセージ)は探し中。
生きていると感じるときのこと。
美しいと感じた歌の感動、美しさ、自分にふりそそぐ宇宙のエネルギーを。
自分の心からの本当の心、本当の感情。
自分が、心に強く感じたこと。感動。喜び、悲しみ、不安、怒り、驚きなどの感情。自分が心に強く思ったこと。考えたこと。発見したこと。
自分のなかでいつもある負と正のイメージ。特に負を。自分の汚いところ、見たくないところ、いやしいところなど、マイナスの部分を。それはもうものごとに対する執着だったり、人への悪意だったり、もういろいろ。愛だったり。
ことばでは説明つかない、人間のどうしようもない部分。人間の強弱の差別の意味のなさ。
聞き手の心に眠っている何かを揺り動かし、深い感動を与えるような世界。
自分が経験してきた生きていく上での知恵、喜び。歌、音楽の楽しさ。ものごとには、最終的には喜びしかないこと。
世の中の矛盾や人々が心の奥に眠らせてる想い。
動き出すもの。生、命。感情。私の命、私の感情。鼓動のようなリズム、血液のようなメロディ。
Q2.なぜ表現したい。
(信じることはリスクが伴うけど)目の前の現実から学ぶことと同時に「表現されたもの」のなかから、時代を越え、空間を越え、私に届いたものが生きる力となってきたから。
生きているから、それを感じたいから。
心が、体が表現したいと願っている。自分を歌わせようとする。
人々はさまざまな手段によって、自分を表現する。私は、歌を通して表現することが、自分にとってできるすべてと感じた。
自分が生きていることをもっと知りたいから。
生きてる実感が湧くから。
自分が表現されたものに感動し、表現のおもしろさ、人の心を動かす力を知ったから。自分の心と体の底の力で、普段、表に出せないものを出したい。人に伝えたいという衝動があるから。
自分を高めていきたい…違うかもしれない。私は弱い人間で、他人にも自分にもいろいろな嫌な感情をもっている。そのマイナスパワーを表現に向けることによって、自分に許しを乞いたいのかもしれない。自分の負のパワーを×負(表現)でプラスにしたい。
自分にしかできないから。人にうまく説明できないから。皆の喜怒哀楽を誘発したい。
深く美しいものに憧れ、それを自分の体、声、空気を使って表わしたいから。
普段の生活のなかでは表に出すことができないから。自分が生きていることすら忘れそうだから。
Q3.誰に表現したい。
すべての人。家族、恋人、友人、他人、そして地球。
誰でも。特に外国の人に向けて!!
目にみえない誰か、もう一人の自分かもしれないし、神かもしれない。
私と同じように、もがく人に。
あえて言えば自分に。もしくは空に向かって。
今、生きている人。日々を悩みながらも、生き抜いている人。特に自分と同じ世代の人。
まず、自分に。自分の愛するすべての人、ものに。そして、自分が負の感情をもった人にもぶつけたくなる。あと自分と同じ痛みをかかえている人に。
貴重な時間を使って、自分のステージを観に、歌を聞きに来てくれた人のために。
私自身に私自身を。そこからすべてが始まると思う。私に向かうことが他人に向かうことだと思う。
Q4.何で表現したい。 歌なら歌の何を。
背中のうしろの方から出てくるようなオーラを。
音楽=音楽のもつ宇宙的法則。肉体=肉体が潜在的にもつ力→その存在を感じることから始まるということ。
歌、踊り、芝居、全部。歌うのではなく、心の声が歌になるということで。
苦しみでも喜びでも、人間だから起こることの歌を。
歌なら光を感じられるもの。
たましい。ハート。表層のことばやメロディだけではなく、もっと深いところにあるはずのもの。
伝えたい世界、思いを語ることば。文字ではなく、音声でダイレクトに伝えることば。音声、肉声のパワー、そこに詰め込んだ感情。プラス、メロディの情感とリズムの躍動感の力。
音色、イントネーション(高低・長短・強弱)、リズム。ことばやメロディの底流にあるもの。
磨き抜かれた声と、トータルの構成力で。
根底にあるのはことば。そのことばをどれだけ心の底から言い切れるか。深いことばの上に感情をのせて歌にしたい。
歌と自分が一体となったときに現れる真実。 幻。 で。
Q5.何が表現できたか。
表現できているかもしれないし、できていないかもしれない。しかし、歌い終わった後、自分の気持ちを伝えられてすっきりしたという満足感を味わうときがある。
素直さ。正直な気持ち。かざらない気持ち。実感できることば。うそじゃないことば。
根底のリズム、メロディの完全な把握のないままでの独りよがりの展開。体のついてこない上すべりの声で創られる世界。
Q6.何を与えられる、できる。
ほほえみ(常にではないが)。
現実とは違う空間。
自分の感性、音、その場に対する反応を表現してみたい。自分の“もの”は“何”か。
たましいの安らぎ。赦(ゆる)し。
感じたり、考えたりして、誰でも生きているけど、それを凝縮して表現する人がいると、現実の生活で忘れている、考えないようにしている感情や考えに気づける。表現者として感覚を鋭くして、表現の方法・技術にこだわり、自分のすべてを注ぎ込んだら、人の心を活性化させるようなものが出せる、と信じたい。
他人とは違う、つかみ、離し。
Q7.人々は何をあなたに求める。
やさしくなれる気持ち。
忘れた心、理想。
存在感。
予想や期待を越えるもの。
私がひたすら私なこと。そうでないと、自分とは重ねられない。
娯楽。普通、使われている意味よりも、もっと深い。人間にとって最も根源的な娯楽。
他人にまねできない声の音色・質と、読み込み抜かれた詞、メロディで表わされる世界=感動。
Q8.人と何が違う。
頭のなか。
全部違うのに、違えられない。
素直さ。着飾った服ではなく、恥ずかしくても自分の素肌を表現しようとすること。
生きざまは人と違ってあたりまえ。けれど、今までの人生自体を売り物にしたくない。
Q9.歌とは何。 なぜ歌を選ぶ。
立体だから。
音にのることと伝えることがマッチしたら、とても強いものだと思う。
「精神の支え、栄養」
歌はたましいの声。人間が人間をゆるすこと。神ではなくて。
歌とは魂の流れ。その流れを自ら邪魔しているから、いい歌を歌えない。私自身、歌から多くのことを学んだから歌を選ぶ。
勝負したい、しようと思った道。自分が感動した歌があるから。自分がそうしたいと思ったから(そうなりたい)。
Q10.どうありたい。
はっきり自分自身といえるほど強くなりたい。
常に希望をもつ。何ものも肯定する(よい面をみる)、常に満たされている(心)。
自分のもっているイメージ像に近づきたい。
自分にではなく、表現することに意識やエネルギーがいくように。
自分。 幸・楽・喜 など。
自分から決して逃げないこと。それができないと、何も産めないから。
謙虚でありたい。等身大でありたい。自分自身でありたい。本質的でありたい。
自分が本当だと思うこと。自分にとって価値のあること。大事なこと。ゆずれないこと-とは何かを求め、考え、知り、それから逃げずに向かいあい、それを身をもって実践していく。
情熱やイメージに体がついてこない。「楽器としての体」が欲しい。
自然体。自分に正直に。
ジャンルを問わず、人を選ばず「すばらしい」と思われる歌い手。正統派(。)。
歌で伝えたいこと。伝えきれること。歌いきれること。
ーー
報告
トレーナーアドバイス
今月のイベント
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トレーナーアドバイス
○リットーミュージックの青本(耳のイメージトレーニング)のようなこと。
○スタンダードナンバーをいろんなスタイルのものを集めて聞く。
○いろいろなリズムの曲を集める。感じたことを書く。
なじみのない音楽を聞くことは、初めは何がよいのかがわからないので、流して聞くしかなかったし、感想も提出用の文みたいにしかなりませんでした。わかるためには、一つでも多く、とにかく感じたことを書くことが、私には役立ってきたと思います。書こうとすると、集中して聞くことになるからです。
家で聞くのとスタジオで聞くのでは、聞こえ方が違うことと、
多くの曲を自分一人で集めてきて勉強するには、
いろんな面で余計な時間がかかるので、とてもありがたいことです。
私自身、比べて気づいたことが多かったということもあります。
ピアフの声の何がすごいのか全くわからなくて困っていたときに、
同じ曲をミルバと比べて何度も聞いたことがありました。
そのとき、急にいろんなことがつながって見えました。
「枯葉」のレッスンもそうだし、
マリア・カラスと中丸三千繪も、比べて初めて気づいたことが多かった。
気づいたことそのものも勉強になりますが、
自分が求めていることを少しでも知っていく喜びは、いつもどんなものにも変えられない嬉しいことです。
わからないとか思っていても、こういう喜びがあれば、どんな人でも勉強は続けられると思います。
そこで気づいたことは、レッスンや音楽のことだけでなく、生活すべてに影響しました。
入り口はどんな形でも、どこかの時点で深く入れれば、感じ方が変わっていくと思います。
WとW検について
すぐれた音楽的感性と、その基本となるリズム感・音感が不可欠。
正しく歌う能力に欠けたヴォーカルはいない。
上のクラスのレッスンになるにつれ、自由なフレーズ、表現が問われる。
基本の力が充分でないと、レッスンの充実にも差し支える。
W(基)…全く初めての人、音のとれぬ人
W(初)…カラオケ程度には正確に歌える人、
ステージ経験のある人
W(中)…中級認定者
今月のイベント
福島特別
「声とフレーズ特集」(30voice+Ei stage)
-あなたは、ただの標本か? すごいアーティストか
基準づくりのための基準を知る-
☆参加者は、次のものを体に練り込んでくること
1.自分のもっとも言いたいことば 10~20字(暗記)
2.「知っているさ ひとつのあいは いつまでも 続かないと でもなぜか ある日突然」
3.自分のもっとも歌いたいフレーズ(ハイテンション)[何の曲でもよい、8~10S 音をつけて]
グレード問わず、参加OK/一人ずつコメントOK/ステージ形式
福島特別「音色・情感情緒・SOUL フレーズwith 音感・リズム感」
-歌の色づけ、Sing a song Advice・オリジナルフレーズの探求-
~声のため、息とのミックス、声のとり出し方・使い方~
☆日本の名曲、ニューミュージックからブルース、ジャズ、クラシックまでの共通ポイントから表現への展開、とり出しを試みる、初心者可、ただし、早いペースで進めます。
福島特別<追加①>「ヴォイストレーニング初歩の初歩」
☆姿勢、声のポジション、ことば、リズム、フレーズから歌まで総括する。入門の理論・実践の総まとめ。<オブザーバ参加>※FAQに質問を記入、当日提出ください。
福島特別<追加②>「後半に向けて」
-Ei Talk in Salon with tea No.1-
☆最近思うことと研究所について/アンケートに答える/質問に答える/談話、その他、希望に応じて/music & tea
-Ei Talk in Salon with tea No.2-
Ei select
レッスンのなかでは聞けないこと、言えないこと、研究所のこと、個人的なこと、何でもありです。コミュニケーション不足を感じている方、腹にイチモツある方は気軽に参加ください。
福島特別「オリジナルフレーズのつくり方(その2)」
☆音色、情感情緒、息と声の使い方、フレージングの音色展開まで、表現、ため、ひびき、魅せ方、出し方、演歌(邦楽から洋楽まで)も全力だ。たっぷり150分。各人、19時より30分間、体をほぐし、準備しておいてください。Hi grade! ただしパスあり。Hi tempo!
福島特別1「表現について」
18:00~ 開場、CD & ウォーミングアップ
18:30~20:00 メニュー①(入門・初心者レベル)
20:15~21:45 メニュー②(中・上級者レベル)
福島特別3「耳と体、声、歌、語り、表現、伝えること」
①19:00~入門・初心者レベル
- 20:30~中、上級者レベル
福島特別2「ひびきとシャウト、フレージングとメリハリ、音、歌の感覚」
③19:00~入門・初心者レベル
- 20:30~中、上級者レベル
福島特別1「枯葉」-音、感覚、音感、オリジナリティ-
前田憲男のアレンジ寅の穴/各国のヴォーカリスト まるごと枯葉“実習”
いかに歌うスタイル、フレーズ、オリジナリティを歌の世界に創出するか-聞き手にきかせる要素を多くのパターンを、自ら実習することでつかむ。
「特別ライブ実習コメント」
☆12.6特別ライブ実習オーディション参加者23名の結果VTR(ダイジェスト)+“公開”個別コメント+総評。オーディション参加者はできるだけ出席してください。
福島特別2「再び表現を考える」
☆オリジナルへの回帰、破壊と創造、フレーズ実習、総括、その他
X'mas eve in BV-世界の X'mas song (Ei選)とともに-
21:00~22:30(with cake)
☆たまには気楽に1曲。X'masにふさわしいsongをオーダーします。with EI 他。
[ランディトラヴィス、クイーン、シンディローパー、ジョンレノン、ジョンボンジョヴィ、ケイトブッシュ、アレサフランクリン、ポールマッカートニー、マイケルボルトン、ナットキングコール、ナンシーウィルソン、他]
■年末特別企画特別
第一部 ヴォーカリストの学び方、ヴォイストレーニングの活かし方、ヴォイストレーニングの本筋
Break…Q&A、その他
第二部 今、日本において表現とは? 歌とは?、20世紀末の研究所のあり方、自身を語る
対外活動にむけて、これまでのトレーニング、研究所のあり方、その他について総括する。ヴォーカル、歌について迷い、行き先のみえない人、歌、自分に自信をなくした人、飛躍的にパワーアップしたい人に、2人の生きてきた考え方、やり方、そしてあり方を伝えます。飛躍の年にしてください。