ステージ実習コメント 804
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【ステージ実習①〜④】
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【ステージ実習①】
自分がやることがわかっているようなので、特に個々にいうこともありません。
今、皆さんは難しい時期だと思います。
思い切りやっていれば足りないところが自分でわかります。
1ヵ月に1回でも、自分でできたことできないことをきちんとつかんでいくことです。
ようやく嘘を消してスタートラインについたところです。
つかめなかったからといって新たに変な癖をつけたり技法でつくったりしないようにしてください。
できないことは待つしかありません。1オクターヴで3分もたなければ、半オクターヴの1フレーズを課題にする。そこを崩さなければ、そう間違えないでしょう。
いろんな歌い方があるわけですが、プロの歌い手の技法をまねてはいけません。
必ず自分の中心にもってくることです。
基本に始まって基本に終わるのです。その中で自分の心とか音が勝手に動き出してきたときに、この人はこういう歌い方だとか技法だとか外からいわれることですから、人のやりかたをそのまま覚えようなどと思わないことです。
とにかく自分の基本をやって、そしてそれをあまり型に決めつけないようにしてください。基本とはゼロにしていくことですから、100やって99を捨てて1をつくる、そのプロセスをきちんと繰り返せるかどうかです。
今日は場ももっていました。ここから間違わないように基本のことをやっていってください。
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【ステージ実習②】
今日は場ができていませんでした。この一年でワースト3に入るくらい、悪かったと思います。
うまい下手でなく個人の問題です。歌ができていなくても、ここに入ってきた時に自分がその方向を向いているかどうかです。何のために今日この場に来ているのかが見えませんでした。トレーニングして、そこに浸ってしまっているのでしょうか。
今はCDでも簡単につくることができますが、もしここでやったことを録音してCDにして売られるとしたら、本当にこういう歌を歌うのでしょうか。
という意識でやっているのかということです。
1曲できちんと自分をPRし観客を付き合わせようという気があるのですか。
これはステージに立って2フレーズめで自分で気づくべきことです。
トレーニング中なのだから、技術や完成度はこちらも期待していません。今でなければできないことを出してください。出せなかったら、原因を明らかにして、そこを埋めて行くのがプロセスです。
一所懸命なのはわかりますが、一所懸命、やったで終わっていませんか。一所懸命しか頭にないからです。歌い方、発声で、やってはいけないことのオンパレードです。
歌い方や発声にこだわって、変なくせばかりつけています。
課題曲は確かに難しいのですが、ひとつもとれないはずはありません。
なぜここまで不自然に歌えるのかわかりません。
私はこの世界で何も感じていません、と自分からいっているようなものです。
自由曲についても、選んだ理由やなぜその曲を歌うのかさえ伝わってこない。皆さんがその辺で話していて、普通にしているときに10のものを持っているとしたら、それが歌ってゼロになっている。
うまい下手の問題ではありません。下手なら下手でもいいのです。スタンスが違う。骨が入っていないというか、方向が違います。
歌えというから歌う、一所懸命、それでは小学生並みのスタンスです。
歌や音への愛情などとんでもなく、表情さえ全くなかった。
その辺の劇団やアイドル歌手を見たってこういう舞台はありません。
皆さんが真面目なのも一所懸命なのも、頑張って覚えてきたのだということもわかります。でもそれしかない。それは舞台で見せるべきことではないのです。
勝負の場において戦闘体制がまったくできていません。手足が縮こまっている。
二人、自分の構えができている人がいましたが、その二人をのぞけば、客席からものが飛んできても避けることもできないだろうという感じです。鈍すぎます。
歌の中にその人が出ていない。何を感じてどう生きているのか出てこないのは本人が半端なスタンスのまま歌っているからです。見ていて暗いし曖昧です。トレーニングでいろんな問題をを抱えていても、そういうことはひとりで解決してくるべきことで、いくら一所懸命だからといって、それは表現ではありません。
観客に自分のゲロを見せても仕方ないでしょう。思いを純化させ、音に集約する努力が必要なのです。
こういう1、2フレーズ目の出し方を、ここではやっていないはずです。
うまく歌おうとすると嘘になるし、正直に歌うと下手になります。それは今はいいのです。ただ自分の世界に入っていないところで、どんなにフリで表情や声をつけてみても伝わらないということです。何をしにこの場にくるのか考えてください。
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【ステージ実習③】
①クラスくらいのときにはできるところをギリギリで出していますが、そこから1年半ほど、たったとき、ずれていく人が出てきます。それが、個性なのか、癖なのか、見極めることでしょう。
オリジナルの声を得るのはオリジナルなフレーズのためでしょう。
どの曲でも自分でつくり上げる労を惜しまないことです。
うまく歌おうと思ったり、技巧を捨てきれない、
少し声が出るようになると他の人の個性や雰囲気をまねるようになってきます。
いろんなものがありますから、他の歌い手を参考にするのはいいのですが、きちんとした歌い手の場合外から見れば声をこう使ったとか、こんな音をいれたとか見えても、歌い手本人の中では基本をきちんと守ってそれを外に出しているだけなのです。それをまねしてみても、ばらばらになるだけで伝わるわけありません。
歌がちょっとうまかったり慣れている人ほど、その間違いを犯しやすいです。
自分の歌を歌うこと、それ以外は、ここでは通用しません。
好きな歌を歌うのはいいのですが、その歌が好きで自分の感性に触れたのなら、それが何だったのかということにきちんと集中して出してください。
そうでなければ、ただお客さんに自分の好きな曲のコレクションを見せているだけです。そんなものは別に見たくもありません。プロ歌手ので聞けばよいのです。
基本の外で歌っている歌はどんなに声が出ていても飾りつけになります。くせのところで歌っているからどこかべたついている。自分のものでないから古臭いしうさん臭い。一致していない。本人が一所懸命なのにもかかわらず本人が歌っていない。新鮮でありません。
自分に与えてられることをきちんとやっていきましょう。やってきたら、ひとつの言葉もメロディ、フレーズも全部変わってくるはずです。変えなさいということではありません。
基本のところでやっていたら変わってくるのです。
基本をやらずに応用のところからまねして浸っているからおかしくなる。
全部そうやれとはいいませんが、たったひとつ自分でやったところがでてこなければいけない。
それができている人の歌は、シンプルです。
このクラスは、嘘を隠す技法もないから思い切り出しています。
そういう意味では、まだ歌えない。歌えないけれど伝わります。
そうしたら歌がうまい人より伝えられているということでしょう。
口先で歌うのをやめることです。それが上達だと思うのをやめることです。そんなプロセスは、どこにもありません。歌い手であれば、自分の言葉、自分の感覚で基本をきちんと踏まえてやっていくのです。
今日うまく歌えていたつもりの人ほど本当に危険だと思います。
一流の歌はさわやかで、ふっきれていて素朴でありシンプルです。そこの感覚が曇っていくとズレていってしまう。うさん臭い世界、そういう歌もありますから一概にすべて否定することはできませんし、全部そうでなくていい場合もあります。
でも、1~2曲で問うときには、自分のものをだしていかなければなりません。
この人は持ち味がこうだからこの歌を選び、この人にふさわしくこう変えてきたんだなということが素直に伝わらないと、聞いている方も入れないものです。
歌い手が、その言葉をつくってこなければ、歌を聞いてもイメージがわかないし接点がもてないのです。だから素朴でなければいけない。
技巧とかくせが見えないように歌うということは、とても大切なことです。
そういうことを感じましたので、VTRを見て、また基本に戻ってやってきてください。
本当に基本の基本のところでやっていたら、場が動いてきます。その動きをとらえてはじめてそこがアドリブになったりフェイクになったりするわけです。そのプロセスのないものを、向こうの歌い手がやっているからといってまねても何も伝わりません。
入ったばかりの人が見たらうまいと思うかも知れませんが、それは、やめることです。自分の持ち味を知り、できることをきちんと出していってください。
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[ステージ実習④]
声に戻って徹底的にやらなければいけない人もいますし、声やフレーズはよいのですが、音程やリズムなどをもっと厳密にしていかないと音楽の中で泳いでしまう人もいます。
舞台を踏んできている人達は歌うところまで行ったら、また、声のことをしっかりやることが必要だと思います。
1年半くらいの間は、日本人の体としてある程度、使い切って、そこに気力もはいり、自分ができてきたというくらいでした。調子がピッタリ一致したときというのは、前に出ている分だけ、見れたのです。
長く続けていくと、もっと高い判断が求められます。
2年過ぎて難しいことは、フレーズにはいって歌の世界をつくればつくるほど、集中力で支えるのが大変になり抜けてしまうことでしょう。
竹刀を振り回しての大きさと、真剣を扱って同じように振り回すのとは、違います。竹刀で描いていてもよいのですが、真剣の部分での強さを取り出そうとしたら、どう振っても相手が切れるというのではなく、抑えておかないといけない部分があって、そこでピタッと合わせない限り、形がとれません。
竹刀というのは、そこにバンドがついた感じ、私は、耳では伴奏を付けて聞いています。
これにマイクが付いていて、バンドがはいっていたらどう聞えるかというところで聞いているので、のりやすいのです。
ただ、そこのところで竹刀ではなくて、そういうものである程度遊んでいても、どこかのところでスパスパと切ろうとやるときに、竹刀の感覚から抜けられないので、気をつけなくてはなりません。
スパッと最小限の動きで最大限働かせる、テコと同じです。
それが歌の中でずれています。ずれてしまうというか、それまでのところを竹刀の感覚でやっているから、きめるところできまらないかもしれません。
何も1番頭から最後まで1番出る声でとか、体を使って歌う必要はありません。
④では、表現で見ていますので、使い分けることです。
今日の歌も、もっと大きくなるかと思っていたのですが、何か自分で大きく竹刀を振り回して、歌に疲れて終わってしまうような感じがするのです。歌の世界になっていません。
どうすればよいのかといったら、まず1つは、ベストをこの場にもってこれるということです。わけがわからずやっているときは、あまりうまくいかないかわりに自分のベストに近いものが出たりします。「たぶん練習のときにこの人はできていたのだろう、でもここで今日やってみたら、メチャメチャだな」というようなものは感じられます。
④になってからの方が、そういう場合が多いのではないでしょうか。
ここでその状態にもっていかなければ仕方ありません。皆さんの場合は、前の人までの雰囲気が重いから、うまくいっていないから自分ものまれたというものではないでしょう。
自分の中でのヴォイスコントロール、昔よりもコントロールができなくなってきている部分もあります。ただ、それも含めて表現の中で私は見ています。
だからだめということではないのですが、切れが悪くなってくるのでしょう。
発声的にみても、発声練習したときにはそういうふうにはならないだろうというに、つまっています。
歌ですから、いろいなことが起きてもよいのです。それを跳ね返せる強さがなくて、振り回されています。
確かに、皆さんが取り上げた自由曲も課題曲も簡単に歌いこなせる歌ではありません。しかし、それに挑戦して、跳ね返されているというよりは、挑戦しきれないで、あるいは、ここに出してみたときに、何かのぼりきれなかった、本当は3段くらいあるのだけれど、1段目くらいのところから、すでに足を踏み外していってしまったという感じです。
1回だけで見ることは少し無理なのかもしれませんが、それはそれで仕方がありません。
途中で引っかかったり、声の調子がうまくいかなかったときに、もう3回くらいやれば、どこかでのっていれば、2段、3段が見えたのかもしれないと思います。
イメージの大きさを読み込んで聞いていますので、こうやろうとしているというものは見えるのですが、そこの接点が出ていなかったので、歌になりきれていなかったような気がします。
正しいことをやるためには、息と体が正しく使われていないといけません。
動き方が最小限で最大の効果を出すという人間の、あるいは、ここの研究所で1番、目指しているようなところの線上にない動き方、逆に邪魔している感じが、全体的にしました。
マイクがはいっているなら、その辺のカバーリングができているでしょう。
実際のライブになってくるとエコーなどいろいろなものがかかりますから、
イメージの大きさを取り違えてしまうのも、問題です。
どこかで生の声、自分の体の芯から出ている声のところをつかんでおかないと、上辺ばかりにいってしまいます。
今のステージで6曲やったら、喉が疲れて声に差し障りがでるでしょう。それは、よくありません。
今のものは、のらなかった。このまま、もう3曲、4曲と聞いていったらのっていくという可能性が今日のステージではみられません。「とりあえず、今日は帰ってもらおう。明日もう1回リハをしましょう」という感じです。
そういう意味でいうと、うまく使えていないのです。ベースに戻ってみてください。
比較的高めにとった人もいましたが、アカペラでやる場合は、調子を考えてさげないといけない場合もあります。ここでどうやれば1番みせられるかということを学んでください。