一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

ライブでの相互評価(2)NO6~18 28594字 874

 

 

 

No.6

この人は、本気で笑ったり、泣いたり、怒ったりしたことがないんだろうな。つくりすぎ、というより、作られていないところが皆無。少しあわれに思った。ただ、いつかのFレッスンで、ちょっとだけはまったところがあった。1曲のなかで、ほんの少し、ああいういかにもの表現があってもいいかなと思った。

 

ステージングがいい。まとめている。

 

研究熱心なのだろうと思いますが、今のところ、それが歌によい意味で現われていないように思えます。アニメのマニアが学校の授業で絵画を描いたときとか、中学生くらいの女の子が文章を書くときに、行の底辺に定規をあてて書いたものとか、そういう悪い意味での子供っぽさが感じられると思います。いろいろな人の歌と、自分のの録音物を比べると、誰でもわかる簡単で決定的な違いがあると思うのですが。もっと普段から、人の気持ちを考えたり、そのへんから変わっていかないと、ずっと一人よがりの何の感動もない歌に終わってしまうと思います。メモは、これからそのマメさが役に立つときがくるとは思いますし、本当に他人の気持ちとかを考えて、グルリと一周回ってきてのことならもっとよいのでしょうけれど、今はそうじゃなく、たまたまこの場全体の役に立っただけで、だから自分の歌には入ってこないのだと思います。たとえば、ロビーで口笛を吹いたりすると、他の人はどう感じるのかとか、そのへんに気づくと、今のような歌い方には、たぶんならないと思うのですが。

 

客を見ようとしていない。“自分を見ている客”というところまでしか捉えていないように思える。歌でこの人がいいたいことは何なのだろうか。「自分を見て」強烈にそういい続けて声や歌にしていて、それがメインになっているように聞こえる。歌声の中には、私を受けとめたり生きものとして逆なでしてくるような…刺激はない。はじめて聞いたときから、その印象は変わらない。この人にとって、歌である必要はあるのだろうか。この人の歌を批判する人は、たぶん外の世界(一般人)には、いないだろう。ただし、その逆も少ないだろう。難しいものだ。本当に歌が歌いたいのだろうか。あなたが歌いたいことは何なのですかと聞いてみたい気がする。声もアレンジも、この人独自の人に理解できないようなものならまだしも、引き算でミスがおきないようにしたり、譜面の上で(感覚でなく)のことのよう。その声や音は、そこに確かにありながら、何もこの人がどう感じて生きてきたかがみえない。「自分を見て」という叫びを、自分に向けたとき、この人のなかからは、どんな声が出てくるだろうか。

 

自分でいうMCに、自分で反応しない方がよい。安定している。まとまっている。だけど、おもしろくない。

 

手の振りや視線の走らせ方に、すごく気を配っているステージだと思いました。

 

好き嫌いはあるだろうが、非日常にぱっといくことができる人。だけど、非日常のバリエーションがとても少ない。もっといろいろと変容できるか、さもなくばこういうカラーもありだと思うので(すみません「こういう」が何かは今回省略)それならもっと強いものにしていく努力が必要。よくフレーズを変えるが、音楽的じゃない。命が一緒に動いていないからわざとらしく、こちらの体に入ってこない。ただし、音階的に、はまっていないわけではないので、耳はよい人なのだろう。音楽がはっきり聞きとれる。

 

すごく曲に合っていると思う。けど説得力というか、嘘くさい。息が浅いのか。 歌い方、フレーズが日本的だなと思う。

 

リハのときより緊張してしまっていた。声を押さえすぎたような気もしたし、ちょっとのりきれてなかった。アイドル歌手のようなフリつけは、毎回なのでもう慣れたが、ワンパターンだしあまり意味がない。自由曲はことばが流れすぎ、本人は心込めて歌っているようにみせかけているつもりだろうけど、込めているものと声に深みがない。自分の声をきれいなメロディにのせて、きれいに聞こえさせることを第一に考えているらしい。この人の年を知らないが、もう少し精神的に大人になれば変わるのでは。

 

おそろしいほどに日本人的。本人がそれをやりたいのであれば、それでよいのだろうが薄っぺらいだろう。でも最近、スピード感が出てきた気はする。

 

意識してやったことが、ことごとくはずれてしまったと思います。自分がこだわりをもっている方向の音楽でのフェイクの入れ方があるように思います。一つの基本の流れを大事にしているように感じましたが、そのせいで変化をつけたところや、そのものが、まとはずれに思えました。変化をつけて、また元に戻すんじゃなくて、変化についていく意識をもってみると、やろうとしていることにいいキッカケが生まれるかもしれないと思いました。

歌い方のクセが気になる。発声や音程を忘れて歌わないとダメだろう。がんじがらめなのがみえる。歌の世界、音楽にひたるところをやっては。いくらアレンジを凝ってみても、客は引いていく。クラシック向きなのか。客を無視して歌っているように思った。

 

この人に足りないのは、単純に体の力と音楽を感じる耳だと思う。今、現在出ているこの人の声をこの人自身、気に入っているというのが、この人にとっての不幸だと思います。だから、まず、ここに入るまでの自分を捨てて、ゼロにすることから始めるべきです。以前、先生が弓の話をしていましたが、まさにこの人はぐーっと後に弓を引くことなく矢を放っている感じが常にします。だから本人は、一所懸命、矢を飛ばしているつもりでも、まったく飛びません。またステージ上での好感度のなさは、対照的です。それをステージングと呼ぶのか私にはわかりませんが、はっきりいって見るのはつらいです。小手先で音をいじるのもよくない。それをオリジナルとか味とかいって欲しくない。とにかく、この人はマイナスだかプラスだかわかりませんが、ゼロにすること、その努力をすること、それだけです。

 

この人は、ずっと変わらない。どんな曲でも、どんな歌でも。

 

声はある程度しっかりしている。かなりひびかせているので、それをどう判断するかだ。フレージングはやや並が小さく流れ気味。表現にもう一つ深みが感じられない。

 

フレーズの最後の処理がいつも同じ。語尾を膨らましていって、ぱっと切る。だから、歌を聞いていても、どういうふうに進んでいくかわかってしまっているのでつまらない。自分らしさを出そうと、オリジナルメロディをこの人なりにフェイクしているのだが、頭でつくったものに無理やり歌をのせているので、そこが浮き立ってしまう。この人独自の演出で、キメのポーズをしているが、恥ずかしくて見られない。すべてにおいて、形から入るのをやめてみたらよいのではないか。

 

 

No.7

何をしたいのか、どこを聞いたらいいのか、よくわからない。

 

その歌がはまるのかはまらないのかという点が、この人にとってとても重要なことだ。はまると何か心にひびく。そんな歌をやれる人だ。今日のはギリギリのところでねらいすぎか、はまっているのかわかれるところだが、私としてはよかったと思う。はまらない歌をやっているときは、高音のくせとか語尾のくせがとにかくいやになる。

 

体で歌ったら、きっとかっこよくなると思う、というかそういうのがみえない。これも、なんか嘘くさい感じがする。ことばをつかむってのは難しい。

 

歌っているときの表情が幸せそうで、よい。前は、どこからか借りてきたようなジャズを歌っていたけれど、少し前のライブ実習かなにかで、この人の日本語の歌を聞いてから、よいものをもっている人なんだなーと認識した。ちょっとビブラートをつけすぎ、と思うところもあるけれど、すべてを歌いすぎないところはよいと思う。

 

以前の2拍子農耕民族系ノリが少し薄らいだように思う。ポピュラー音楽に聞こえた。自由曲の歌いだしのLove me tenderの低めの音の声に、表情があった。そこを、攻められたら、ちょっと気持ちいいかも。

 

自分でこういう雰囲気で歌う、と決めすぎていて逆に個性がでない。何かこういう歌手、聞いたことある、というような歌い方。声に変なビブラートをかけるクセがあって、心が現われない。ポーズをやめない限り、そこそこの歌の域を出ないと思う。

 

自分の体や感覚、ノド、そういったものの生理的なしぜんな動きに対して鋭くならないと、声を抜いたりといった方法はマイナスになることが多いように思います。今回の方法を使うなら、あとマイクの使い方も、もっと知る必要があると思いました。

 

発声とか気にしなくなってから、しぜんというか、伸び伸びやっていてよいと思う。あくまで「歌」だからというとこすを、今のようにとっていっていいと思う。

 

声にくせがなく、そういう聞きやすさがある。しかし、パワーや安定感は不足。表現にしてもくせがない感じで、よくも悪くもないといったところ。

 

この人のテンポと客のテンポが合わないだけだろうか。失礼ないい方だが、自慰ぎりぎりのようなものを感じる。“自分のスタイル”と“形”というのは、本当に難しいことだと思う。固定できるものでないが、確かなものを求める。求めて、近いものが手に入ったときには、もう捨ている覚悟(というより、惜しまない覚悟)が必要になる。目標は必要かもしれないが、それは安住の地とイコールにしてしまった途端に、表現者として“生きる”ことを妨げてしまう。

 

大丈夫かいなと思っていましたが、歌ったのを初めて聞いて、しっかり歌うもんだなあと思いを新たにさせられました。あんまり練習していないように思えます。適当に憶えてきて、自由曲も全然、前に出てきていないと思います。しっかりとできるはずなのに、それではいけないと思えますので、よいパターンの方に統一してくださればと思います。

 

人前に立つことへの気概が感じられる。明るい透明な立ち姿で、空気を創ることができる。スピードの種類をもっている。見かけよりも大胆な曲づくりをする。いつも予想通りのところと、驚かされるところの両方をもって現われるが、今回もそうだった。曲の入りは、もっとつなぐことをメインにていねいに歌ってはどうかと思った。

 

ステージにひきつけられるものがある。どこかで何か、インパクトが欲しい。

 

Aメロあたりのローテンポ、ローテンションのあたりがいつも苦手そう。

 

歌い方・スタイルの変化。 以前より声の力が落ちている。表現の方をとるあまりか、ほとんどまわしてしまっている。マイクがないと少しキツイ。

 

体はあまり強くないけど、ひびきを上に集めて、うまくマイクにのせている。

 

 

No.8

視線や姿勢がまっすぐな人。歌にも、誠実さと不器用さと、負けない気持ちを感じる。

 

深いところでの声が、豊色をもって光る。この声に心をまかせてしまえばよいのにと思った。まっすぐさ、声の技巧を使う前に、想いに身をまかせ声に心をまかせ、まっすぐな無邪気な目のまま出してきたら、この人は強いだろうなと思う。大人であろうとするスタイルが、却って不釣合いさやなじまなさとして、声やこの人の音の世界のしみ具合に影響してしまう(いろいろな声の表情をみせようとしているのだろうが)。一致してくるのを待つ、実験段階なのだろうか。

 

この人らしさが出ていて、すごくいい。横の揺れる動きは、ない方がいい。目がまっすぐ前を向いていていい。

 

最近、頑固にポジションを離さないということがなくなってきた。また、合宿のとき感じたことだけど、人間的に少し変わったと思う。文字どおり歌でしかつきあいはないけれど、以前のステージでは何人たりとも近づけないみたいな変な意志を感じたけれど、それがなくなって少しこの人の人柄みたいなものに触れられるようになった。今日のような選曲がとてもはまってしまうというのは、この人にとってよいことなのか悪いことなのかよくわからない。

 

声の安定感やコントロールはあるが、ノドでしめて苦しそう。歌に気持ちが入っている。しかし、それが出てきている感じはしない。歌の型や完成度、安定感はあるので、安心してはみれると思う。

 

語尾を全部抜いて歌っているので、フレーズが単発。大きな流れが出てこない。キープして欲しい。息を流し続けて欲しい。

 

この人のライブに対する気持ち、特に衣装は、見習うべきところ。

 

今日の課題曲のような歌を歌わせたら、この人にかなう人はいない、というくらい、この人の歌の世界は確立されているように思う。この人の選曲を見ていると、よくこんなに自分にあった曲を(古い歌謡曲とか)見つけてくるものだと感心する。火曜サスペンスのエンディングは、是非この人にと思ってしまうくらいだ。以前に比べて、舞台上での表情は柔らかくなったように思う。歌も曲によっては、もっと柔かな動き、表情をつけて、もっと歌の世界の幅を広げて欲しいと思う。

 

自分の声の音色をもっとうまく生かせるんじゃないかと思いました。表現することよりも、細かなミスを気にしているように思えました。

 

歌いだしの声の響きと、サビは何か魅かれるものがある。でも2年ほど前と全然印象が変わらない。それ以上に歌が動いてこない。体が動いてこない。音楽が聞こえてこない。この人の歌の将来の進歩が何か見えてこなくて残念。しかし、少しだけステージに余裕が見えて、聞いている方は少しリラックスできると思った。

 

声に世界を感じられる人だ。情熱的な大人の愛を歌える可能性をもった人だと思う。少し小さくまとまったような、いつもの恐いくらいの情熱がしぼんでいた。体がいつも固まってしまうけど、それがふわらかく、呼吸が前より柔軟に動くようになったと思う(その分、テンションが減ったというべきか)。もっと下半身に身をあずけてはどうか。情熱を、土の中にも届けるようにと。お腹の下で支えようとする余り、エネルギーがそこで止まっている感じがする。

よけいなことをしてなくてよいと思う(でも、どちらも同じように聞こえる気がする)。'70年頃の日本歌謡って感じ。ピッチがバラバラなのが。一曲、集中するってはのは大変だ。

 

情念の濃い歌が得意なようです。フレーズの最後で弱い音にするとき、体の支えまで抜けてしまう(体はそんなに弱くない)。首から上をリラックスさせて、ひびきがもっと上へ抜けてもよい。自分のスタイルというものをすでにもっている人だと思う。ただ、フレージングや発声のクセが固まってしまっている。今以上に伸びようとするなら、一時的に実力が低下するリスクを覚悟の上で、クセを破るしかないのでは。

 

もうかなりの回数、出席しているのだから、キィ設定の段階で、もっと冷静に自分をみて欲しいと思います。それにときには、ピアノで音をとりながら、それ自体を間違えて押さえて結局、失敗したりとか、そんなところは長く続けている人ほど、スムーズにあたりまえにやって欲しいと思います。「ブルー」を歌ったときは、出だしから一段階つくまで、メジャーとマイナーがひっくり返ったようになってしまっていましたが、そんなふうにならないくらい、しぜんに口をついて歌えるくらいになってから、もっと歌を寝かせてから、出してきて欲しいと思います。ここの場は、みんな発展途上の自覚をもった人の集まりですから、別に完璧なものを望んではいませんが、あまりにメロディを間違えたり、声がひっくり返ったりを連発すると、しまいにはリミットを超えてしまうと思います。

 

声の使い分けが大変そう。味はあると思うけど、振り回されてて損をしている感じがする。私同様、構成がみえない。詰め(盛り上がり)が甘いという感じ。

 

この人の表現したい情念の世界のようなものが伝わる。できごとという曲かあっている。あとは、音楽的技術の追求だと思う。

 

 

No.9

ビブラートが気になる。ひびきはこれでOKか。

 

久しぶりに登場して、かなり気合いがのっているようですが、個人的にはブランク以前と特に変化はないと思います。何かこう、溜りに溜まったうっぷんを思いきりぶつけているので、どの歌にも同じような怖さがあり、そういう態度からは以前の自分とは違うんだという思いだけは伝わってきます。かなりケンカ腰で大声を出していて、歌い終わったあとも、どうだ聞いたかという感じがあり、本人が出し切れているならそれはそれで素晴らしいことなんだろうと思います。

 

少し力づくな感じがあるが、声にパワーはある。フレーズの終わりを揺らしすぎな感じもする。気持ちが入った部分は感じられる。歌の型の完成度はあると思う。

 

久しぶりの登場で、声の安定感に一抹の不安を覚えながらも、やはり、サビ前から、サビにかけてのテンションや集中力、動かし方には、圧倒されてしまった。思わず笑ってしまうくらい、この人が唸る。出ている。出ている。うっとうしいのに、さわやかだ。声も歌い方も全然好きじゃないのになあ。

 

ストレートだ。声の使い分けも考えている。何ヵ所か強引にひっぱっているところも、計算なのか。 棒線グラフのような歌も、あるんだなと。

 

中音域でのあの硬質のひびきは何だろう。あまり動きが見えてこないところをみると、悪い癖かな。聞こえてくるのは、声だけ。

 

あなたはどうして、そんなに自信満々なのですか。 その思いきり飛んでくる声と、自信満々の眼光から目をそらすことができなくて、ついつい引き込まれてしまいました。あの、ステージ上の堂々とした歌いっぷりはすばらしい。歌はちょっと無理やりな感じはするけど、好きとか嫌いとか感じさせずに、ひっぱられてしまう。得体の知れない魔力という感じ。

 

レッスンのときに聞く声は、とてもいやだ。体のことを一所懸命やって強くなりたいけれど、ああはなりたくないと思った。いちいち声をゆらすのもいやだ。でも長年やっている人の重さみたいなものを感じられて、今日の歌はよかったと思う。

 

この人も、サビのところでぐぐっと名刺を出すようにこの人らしさが出ているのを感じました。ずっとパワーアップして帰ってきたという感じ。「自分にはこれ」という何かが加わったような。

 

久しぶりということで力みすぎていたのか、普段からああいった歌い方をしているのかはわかりませんが、本人がどういった声を求めているのかなと思いました(歌い方も含めて)。見ている方としては、どっかで解き放って欲しかったです。楽に出た声は、どこかの風景を感じさせてくれるように感じたので、うまく使って欲しかったです。

 

うなるような低音と、力みのない高音。フレーズが長くつながっている。ノドを絞って声を出す傾向があるけど、体が使えているし、声のシブさや個性になっている。「い」「う」の母音が深い。声のパワーを前面に出し、個性的な声を使いこなせば、それだけでステージとして成立するんだと勉強させてもらいました。MCも簡潔でよかったと思います。

 

昔、地鳴りのように後ろから聞こえてきたのが、この人の声だった。その印象が強すぎて、少し肩すかしをくらったようだった。サビのところのツヤが、それを思い出させる。強い力、濃い声。ばーっと伸びていくとき、そのなかにどういうリズムが聞こえてくるのか聞いてみたい。久しぶりだといっていた通り、ステップが地を踏んでも、かみ合っていない感じがした。

 

フレディ・マーキュリーみたいに歌える可能性を感じた。光の柱が、頭の上から天に向かって伸び出したのがみえた。苦しくなると、声の方向を押しつぶすような処理をしていたが、解き放つキャパシティがついてきたと思う。この人が歌う意味を感じてきた。ここまではじけられることが、ステージとして基本だと思う。時間を、今に集約していた。鼻にひびきすぎではないか。もっと踏み込みが必要。4小節くらいの中で、同じようなしくみのフレーズをくり返すとき、2回目の方が浅くなる。歌が薄れる。

 

一つの型ができつつあるのか。それを壊して欲しいと思う。前に出ているとこ、やる気がみえるところは、とてもよいと思う。

 

太い樹。やや固し。あとは、保ちつつどうやってはなすか。体がめちゃめちゃ強い。前に聞こえるというより、縦に上下に聞こえる。最高音、耳についてしまった。少しキンキン。あれで何曲まで歌えるか。

 

リハのときより少し声を押さえていて、声量があるからその方がよいだろうと思った。音程が外れている。音がきれいにのりきっていないが、この人独自の声のひびかせ方とミックスして、いっぷう変わった歌い方になり、個性となっている。声量を含め独自の世界が現われているので、音程のずれをぎりぎりカバーできている。テンションを生み出すのがうまい人。パワーのある歌い方。

 

 

No.10

ジャズ系の音楽がしっかり身についている。一方で、そこから出てこれない。1~2曲なら「こういう歌い方もあるのか」と感心しますが、6曲も歌うと「次もこう歌うだろう」と底が見えてしまいます。厳しいいい方かもしれませんが、音楽性をはぎ取ったとき、何が残るのか、考えてみてください。

 

くせになるくせをもっている人だという点で、とてもポップな人ということがいえると思う。好みによるのかもしれないけれど、もうかなりのレベルにあると思う。でも常に何かあったときに、あのとき歌っていたなというのは思い出せるけど、何を歌っていたのか、何を伝えたかったのかという点になると、思い出せない。これが悪いことなのか、それでも印象に残るだけすごいことなのかよくわからない。いろいろな売りやスタンスがあるので、この人がよいというならよいのだろうという気にさせられてしまう。

 

一番うまいと感じられる人。音の世界に入り込んで楽しんでいるようにみえる。声にも安定感があるが、さらに太さが出ればすばらしいと思う。

 

歌を自分のフィールドにもってくるのがうまいと思う。どの曲を聞いても、どんなジャンルを得意としているのかがわかる。

 

この妙な立体的なフレージング。こういう曲って、こういうふうに放つと気持ちいいだろうと思う。解りにくそうな曲というか、難しいのにわかりやすく解釈している感じがした。

 

声も個性的で、ニューヨークのジャズクラブにいるようなワンフレーズを感じさせる。この人だとすぐわかる。あとは、呼吸力をつけていくことだと思う。

音や英語の処理に日本人離れしたところがある。歌に愛をもって接しているので、是非いいジャズを歌う人になって欲しいなーと願ってしまう人。舌の先に余計な力が入っているのではないか。オリジナリティというよりは、まだ外せた方がいいクセだと思う。声は外に飛ぶのだが、魂が飛んでこない。そこを聞くのが、恐いように思った。

 

大人の女性だけあって、雰囲気のある人。声量はあまりないけど、個性的な声で自分のよさを引き出している。フレーズまわしにも心がこもっていてよかったと思う。課題曲、ちょっと表情暗かったが、人によって解釈が異なるからか。ただ外国語の歌というのは、とにかく何をいっているのかわからないから、私には雰囲気でしか判断がつかないところがある。

 

流れを出すのがうまいと思う。リズム感もよし。そのへんのジャズバーで歌っている人くらいには、歌える人だと思う。「こじんまり」しているところ、日本でしかというところが問題か。インパクト、役者の歌のようなところ、スケール感などが欲しいか。発声の問題か。

 

課題曲は、アタックの仕方(アクセントをつけるとき)を、もっと工夫するとよくなるように思いました。フェイクは最後まで気を抜かないようにしないと、逆効果になってしまうように思います。特におりてくるときが、雑になりがちだと思います。自由曲は、要所で音程をしっかりと取れれば、聞く方にとって方向が感じられたと思います。そうすれば、それ以外のフェイクやクセが、もっと生きてくるように思いました。

 

唯一、言葉がぐにゃぐにゃ動いていた。こんなに動かしても、自分なりの統一感がとれていればいいんだ。微妙なずらし方がはまっているところが多かった。フレーズと声に感情が乗っていた。最近のこの人の歌は、感情が伝わってきて、泣きそうになってしまうことがある。ただ、歌の中でそれがとぎれないので、ニュートラルな箇所がもっとあればそれが引き立つだろう。

 

特にアップテンポの軽快な曲を体全体でリズムをとりながら歌ってくれるとき、こっちがにこやかになれますし、本当に音楽が好きなんだなと思います。そういう、自分には皆無な部分を見て、素晴らしいと思います。しかし、声が硬いときがあって、最後の方のキメのところでもっと楽に頭の方へ一瞬でも声がスッと抜けると、もっと聞いている方の胸のなかで解決した感じがあると思うんですけど。たぶん大丈夫と思いますけど、今の器のなかでやっていこうとせず、もっと将来的にそういう部分を出せるように努力を続けて欲しいと思います。

 

思うにまかせて、そのリズム感と呼吸の中で、はねまわる仔馬のように、後始末も(ときには)そこそこにして、駆け出していって欲しくなった。声もテクニックもある人だと思う。ジャズというジャンルやていねいにプロとしての仕事をという部分でのことだろうが、エラにしろサラにしろ、見事に恐いくらい精密でありながら、パン生地をちぎってぼんぼん投げるような野放図さも同時にあり、それが醍醐味だ。きたきたっと思うと、うまくまとめられてしまい、何かもの足りなくなって終わってしまう。思いや感じている空気は伝わってくる。もっと楽しませてもらえるはずなのにと感じる。

 

ステージ・スタイルでもあがっている。この人独特のフレージングとあいまっての世界がある。あと足りないのは―。もう一つ上の世界の存在。

ことばがいえていて、フレーズにはなっているが、キープする力が弱すぎるし、乱暴な扱い方をする。あと、口の中で音をつくる悪い癖がある。ジャズは得意ジャンルか。雰囲気はある。

いつも思うことだが、ステージでのこの人らしくていい。もっと前に意識がいくとよいと思う。

 

 

No.11

課題曲は曲のイメージが合わないかな。 自由曲はすごくよかった。ステージにひきつけられる。この人らしさが出ている。

 

ずっと聞いていたい声だし、とにかく聞いていて疲れないというのもとても重要な要素だと思います。大きなところでどうなるのかというのを見てみたい。とにかく、安心して聞けるというのは本当にすごいことだと思います。

 

また自由曲の最後で泣かされてしまった。つくづくひどい人だと思う。泣きどころをついてくるのだ。それにしても、歌もギターも鋭く尖っている箇所がいい具合にちりばめられて、輪郭がはっきりしている。きびきびしていてすかっとする。私はまたフォークで踊らされてしまった。

 

課題曲:最初の部わからは、いきなり白々しいビブラートをやってしまって、嫌なクセが出て歌いながら「このままではマズイことになってしまう」と思いアセった。しかし、それ以降は、粘っこい節回しの歌なので、そこはそれを利用して、少しでもドロドロとした未練がましさを出せるように、そういう思っていた方向性には進めたと思う。とはいえ、方向性は思い通りでも、その練り込み具合はというと、安っぽさが出てしまったと思う。まったく“他人の歌”だったし、メロディをなぞったところまでで終わっていたと思う。片手間にサッサと済ませたと思われてもしかたないし、実際にそういっても過言ではないと思う。いろいろな他の歌も、ほぼ同時に進める場合、もっと頭を整理して、一曲一曲、集中できるようにしていかないといけない。

自由曲:約20年前によく聞いていたLPレコードに入っていた曲で、それ以来、まったく聞いていなかったけれど心に残っていた。今は手元に歌詞カードもなく、本当に子供の頃の記憶だけでやった。歌い方は部分的にめめしい箇所もあったし、いろいろと悪いクセも出ていたけれど、心にこびりついているものは決して嘘ではないし、意識して好きだとか嫌だとかいうのを超越して、久しぶりにやってよかったと思えた。

選曲。たとえば好きな歌を順番に挙げてくださいといわれて、果たしていつでてくるかもわからない、そういう場面で思い出すかどうかもわからないほど地味に心に残っていた曲だが、急に思い出して(1~2ヵ月前に)でも、そのときは人前でやるとは思ってもなかったけれど、やってみてよかったと思えた。両曲共、オリジナルを意識し過ぎというか、本当はもっとよい意味で独自性が出るくらいに詰めていなければならないと、自分の場合、いつもそれは思う。壊すのを恐がっている。本番並みの声で、もっと練習をくり返せるくらいにタフにというか、もっともっとノドを気にしないでいけるように、そうすれば本番になってから、やっと気づいて、そのときにはもう遅いというのが減らせると思う。

 

オリジナルヴォイスかな。音色。 とにかく自分のところをしっかりもっている人。少し、もたつく感があるが、自由曲では“音楽”が聞こえてきた。暑苦しくない。余計なものが凄く少ない人。

 

課題曲は流してしまった感じがしたが、自由曲はことばがしみ込んでくる感じ。よかった。カリフォルニアというよりは、もっと中央アメリカって感じ。

 

フォークのスタイルが馴染んでいる。ことばが聞きとりやすい。ひびきが上へきれいに抜けている。こぶしがうまい。何気ない仕草がいい。歌うとき目をつぶってばかりで客を見ない(ように見える)。ギターを持って歌うとそれほど気にならないけど、ピアノ伴奏でマイクを持って歌うときは違和感があった。

 

この人健在。この人の自分のやりたいこととウリと一致して、なおお客さんにも通じるところがしらやましい。個人的に、こういうアコースティック系は気に入っている。インパクトより、じわじわしみこんでくる、そのスタイルがあっている。

 

歌い出すと急にかっこよくなる。場の責任をきっちりとれる人だと思う。音楽的にも安定感があって、底力を感じる。壊すことをやるのか、このまま育ていることをやるのか、どちらをどう取るのだろうかといつも思う。人間を心から愛そうと努めている人の声だ。だから、入ってくる、体に。

 

声に気持ちのよいひびきをもっている人。音を伸ばすときに少しピッチが不安定になるような。ステージで光るキャラクターをもっており、構成力や展開力もあると思う。気持ちが入っているのも感じられる。

 

ステージという気負いよりも、しぜんさのある、この場に慣れた人の一人。いつも目をつぶっていることが多いけれど、「信用」があるから、そんなに気にならない。

 

ことばが流れちゃったように思います。意識的にそういう歌い方をしているのかもしれませんが、聞き方を考えてしまいました。自由曲は、後半で、もち直したように思います。

 

今回、本当の意味でプロだった(あろうとした)のは、この人だけだった。音の世界の焦点が定まり、肝がすわっているだけで、聞く側は聞く覚悟がつく。“いい人”や“好感”は、とっつきやすく誰にもそれをとがめる理由のない評価で、皆―音に厳しい人たちでも―“つるむ”ことは批判しても安心して口にして「だよね」と確認しあっている。あの声や音色や眼差しのなかの鬼が、研ぎ澄まされた清冽さが切りつけてくるようだ。こいつの前では、毛の先ほどもいい加減なことはできない、いっさいのごまかしはきかないと思わせる。ことばや音色のきわのかすれや、ちょっとこぼれた声色の端の揺れが、光景のなかでちょっと険しい目をして、想う心とともに見つめるこの人の立ち姿を、聞く者にみせる。ていねいな仕事師でありながら、技巧は感じさせない。バランスが絶妙なのだろう。

 

いつも、あるクオリティを出してきて、安定している。安心してみられる。

 

課題曲、無難にこなし、それなりにうまいのだが、心の風景までは聞こえてこなかった。でも、最後までひっぱる力はあると思う。自由曲、ここしばらくの内で、気合いが一番感じられた。メリハリのつけ方が上手だ。とてもよかったと思う。フレーズのつみ重ねを聞いていて、歌詞をあまり聞いていなかったので感動はしなかったが。歌詞が聞こえてこない場合というのは、歌い手に問題がある場合と、聞き手が違うところを聞いている場合とがあるかと思うけど、効果的にことばを置いていく、ひきつけていく努力、研究が必要。はったりの部分も必要かとは思う。この人がどの程度、できていたかは、もう一度聞いてみないと判断できない。

 

声そのもののなかに、命が宿っていると思う。余計な力が入っていなくて、聞いていて心がゆったりとしてくる。目をつむっているけれど、歌が内側に向いているわけではない。でも、やっぱりいくら細い目でも、もうちょっと開けてください。今日の自由曲、最後のヤマのところ、胸に迫ってきた。この人の歌を聞いていると「小手先でごちゃごちゃ余計なことをせんのが一番なんやー」と思う。

 

楽器をやる人の感覚→強弱、構成をもっている人だと思う。安心して聞ける感じ。アカペラより、マイク+ギターがよい。自分のスタイルがあると思うので、選曲で間違えなければ。声以外でも勝負できるという見本か。

 

 

No.12

 

パフォーマンスのようだった。

 

何も聞こえてこない。声が前に出ていない。「ハイ、ララ」をやるべき。

 

とても構成力や表現力があって、見ていて楽しめた。細かいところもとても気が配られていて、それでいてパワーがあった。完成度もあった。

 

アカペラで劇的にするのなら、もっと空気の緊張感に敏感になった方がよいと思いました。スキのなさや圧迫感を感じさせて欲しかったです。課題曲は、呼吸でもリズムでも何でもよいので、何か一つ、自分を預けられるものをみつけると、もっとよくなると思いました。

 

初めて歌を聞いてから4年、精神的なものは、作品をつくる人へとずいぶん変わったのだろう。声が追いつかずに、きっと、もどかしい想いをしているのではないだろうか。

 

全身で表現している。息も長く伸ばせる。一方、声が浅い。口先でつくっている。表現力はあると思う。一度、試しに歌以外(ダンスとかパントマイムとか)で表現してみたらどうだろう。

 

願わくば、体のパワーをもっとつけて欲しいということです。今日がアカペラだからというのでなく、もっとパワーが欲しい。こちらが拡大してやらないといけないのは、とても疲れることで、せっかく独特の雰囲気とかイメージをもっているのだから、もっとパワーをつけて欲しい。聞いている方としては、あまりドキドキせず、一見うまそうだし、何か出しているような感じがするので、危険だと思う。だから、もっと説得力のあるパワーをつけて欲しい。

 

自分を出しているのはわかるのだが、声、歌に、もう少し音楽が感じられるようになるとよいと思う。やはりフレーズを詰めるしかないと思う。ある程度、音にのらないともたない。長いと特にあらが目立つ。声が深いところでつかめていないせいもあるかもしれないが、上滑り。課題曲も、自分にこだわる前に、まずメロディをどうフレーズ処理するか、聞かせるかにこだわらなくては。見せ方の方にばかりいっていると思う。

 

ことばがもっと前に出るといい。ひきつけるものはある。すごく熱意が伝わってくる。

 

この人の歌は、表現しているふりなのだろうか、音楽に入り込んでいるふりなのだろうか。それほど計算高くは見えないのに、何か聞いているほうはしらけてくる。何かのまねなのだろうな。本人の呼吸やサイズに合っていないような気がした。

 

路上パフォーマー的。そこから先に何をみせるのか、何を見いだすか自分にはよくわからないけど、何かはみえているんだろうなという気合いがいい。

 

欠点を出さないような選曲、歌い方をするとよいと思う。不安定な部分を出さないこと。音楽の傾向がアングラチックなのは、好きでやっているのか。 客を選ぶかもしれない。一人の世界でやっているのでは。

 

外に出すのには―矛盾するようだが―ある程度までの形は必要だ。目をこらし耳をこらしても、この人のなかで動いているものは、形の乱れの砂嵐にかき消されてしまって、あるのはわかるのだが、正体を見ることができない。何もかもが一致していない。ザルで水をすくっているような、所在ない気持ちになってしまう。

 

この人がいろいろと表現しようとしている姿勢には、好感がもている。ただ、見ているものをひきつけるようなインパクトがない。「なんか、がんばっているなー」とは思うけれど、心を素通りしてしまう。声、表現が幼いからか。歌うとき、肩で息をしている。前を向いて、何かに鋭く目を向けているのはわかるけれど、客を見ていない。

 

気合い、気迫は何となく感じられる。アカペラにしては、声が弱すぎる。この人の殻は、固い、そして重い。

 

今回のは、開き直って、ひたむきに歌っていると思え、割と好感がもてました。それと、ひたむきさから好感をもているのも限度があると思えますし、もっと力強く太い声も肝心な箇所に織り込めるようにしていかないと、頼りない声の連続では続けられないと思います。でも、研究熱心そうな感じがしますので、もしあたっていたら、これからもそうであってもらいたいと思います。

 

 

No.13

課題曲は、曲の入りだけが、もったいなかったように思います。自由曲は、個人的に好きです。細かいところはありますが、充分、補うだけのものがあったように思います。もっとコンディションのよいときや別の機会で聞かせてもらうと、もっとよいものが出るのかもしれないと思います。よかったです。

 

テクニックは申し分ない。あとは、何を歌うか。どんなステージをやるのか。

 

音感、グルーヴ感、フレージングのセンス、見習うべきものがたくさんある。声の芯を取ろうとしても、音楽が壊れていない。これも見習おうと思う。

 

どうしてあんなにきれいに線が描けるんだろうか。スピード感がある。鋭い。何だか黒人みたいなフレーズもやれているのがすごい。自分のやりたいことがよくわかっているんだろう。ただ、声が前面に出すぎているような、これは自分の好みなのかな。Nさんの自由曲やSさんの課題曲のように、音楽が聞こえてくる方が心地よい。「歌おう」「声を出そう」「フレーズを描こう」という強力な意志が暑苦しさを生んでるような。

 

今日は不発度は高かったと想う。アカペラであることによって、私たち聞く側がリズムキープできなかった。置いていかれそうになり、つまづきながらついていく子供のようになってしまった。ついていこうとして聞いていたわけではないが、あとから振り返ると、自分の側がぐちゃぐちゃしてしまっていた。選曲は難しい。心と体と声が直結する。だがこの人は、本当に努力の人だ。この音色を、音の世界を聞いていると、誰よりも無心に、究極に地味な努力をものすごい量、こなしてきた人だとわかる。一流の人は人知れず、すごい努力をしているとよくいうが、典型のような人だ。

 

結果が出ている。“歌いたい”という気持ちが、“かっこいい”という気持ち、そして自分自身の声に導かれ、その想いを具体化するために、あたりまえのことのようにいろいろなものを得る努力してきたのだろう。いろいろなものにとらわれて、目先のことで腰のすわらない自分のことが、胸元にくる。この人は、自分の声と呼応しながら、ぐんぐん空気を巻き込み、空間に声で透明な色をつけていく。艶やかになった空気は、生きもののようだ。これの化け物みたいのが、世界の一流なのだ。気の遠くなるような現実だ。

 

本当、この人の歌の前では否応なしに観客にさせられてしまう。このままでも充分やっていけるのでしょうが、この人はどこまでみて、どういうオリジナリティを築いていくのか。そういうことが問えるレベルにあるのがすごい。でも思うのは、あたりまえのことを長く積み上げてきて、ここまできているのだと思う。常に努力し、目標を設定しているのがよくわかる。また、歌だけでなく、その存在感から学べることが多い人だと思う。

 

まさしく一声で空気を変えるというのは、こういうこと。いやになるぐらい。この人のステージ、ずっと聞いていたい。

 

一人だけレベルが違い過ぎて、もう笑うしかない。自分の好きでやりたい音楽をよく研究している。世界に通用させる一つのやり方かも。発声、発音、思い入れ、相当レベル高い。私なぞとは世界と日本、大人と子供ほどの差がある。が、フレージングでは、よいと思ったことがない。歌では「スゴイ」と思うが、「いいな~こうなりたいな~」とは思わない。なぜ。まぁでも、普通じゃない。一朝一夕でできることじゃない。

 

自分から見て、すべて素晴らしいと思えていまして、あまりどうのこうの書けないのですが、無理やり何か書くなら、たとえば他の人がこの人をほめるときに、本物の外国人が歌っているみたいですごいというのがあります。もしその人たちにとって、すごい要素がそれだけなら、本物の外国人には一生、勝てないということになってしまいます。まあ、日本の歌もしっかりと迫力をもって歌っておられるので、本当はそんなこともないんですけど、まあ次の機会に何か思いついたら書かせていただきます。

 

ステージの上で、あれだけ恐い顔ができるのはすごいと思った。歌に気持ちをものすごく詰め込んだ感じ。声、技術、表現が一致して、ものすごいパワーになっていた。

 

一聴して、うまいなあというのはすごく感じるのだけど、何を聞いても同じに聞こえる。どの曲も攻撃的でダイナミック。初めて聞いたときはどこか自信に満ちていて、すごいと感じてしまうのだけど、よく聞いてみると歌心というものを感じない歌だ。自分の声をどう聞かせたら格好よくなるかというのは心得ている人だと思う。それでファンがつけばよいのかもしれないが、音楽的で格好よいけれど感動しない歌は、その他大勢の中に埋もれてしまう危険がある。歌っているこの人はみえるけど、心の風景が聞こえてこない。

 

普段のレッスンもですが、誰よりもコトバ一つひとつの深さをていねいに押さえている。それが、完成度の秘訣になるのだと、いつも改めて想わされる。

 

骨までソウルフル。単に音楽性をコピーするのではなくて、考え方や生き方まで身につけている。声のパワー、グルーヴ感、一音一音こだわる音楽性がみえる。外見を歌いっぷりも豪快だけど、フレージングを聞くと、とても繊細にまとめているのがわかる。みかけによらず繊細な人かもしれない(失礼)。間奏で軽く踊るとき、頭がブレない。英語の一音一音を“音楽”として処理している。発音も完璧に近い。ことばのフレーズや詞の世界はあまり聞こえてこていが、ことばより音を重視しているのでしょう。

 

本質的には、アルトで、ひびきを飛ばすタイプ。高音から急におりてきても、低音域が安定している。体を使い、ノドをやや絞って、ブルース風のシャウトができる。ひびきをとばし、繊細にまとめることもできる。技術的には、ほとんど完成している。強いていうなら、エモーションが足りない。声のパワーを前面に出しても、「ハートはクール」なのか、この人のスタイルなのだとしても。声のパワーでは、体を熱くすることはできても、それだけでは心を熱くすることはできない。ブルースを歌うには何の問題もないけれど、ゴスペルを歌うときには注意が必要だと思う。自分なりの信仰心と曲を結びつける作業が必要だと思うのです。歌うとき、発声や音楽性以外にも、大切なことがあると思うのですが、いかがでしょう。

 

一つひとつのフレーズを決しておろそかにしない。フレーズに入っていくときの勢い、つかみ方、どれも勉強になる。盛り上げて欲しいところで盛り上げてくれるし、その盛り上げ方も中途半端ではなく、徹底している。絶対に逃げない。フェイクも、この人のように体に合わせてセンスよくやっていれば、そこが浮き立つこともなく、スムーズに流れていく。私にとって、この人の存在は重要。

 

声の力、悠然とした態度、音楽に対する深い理解と必然性と切迫感を包容している体。それらが存在感として宿っているところが、説得力。一音の中にリズムがある。「声の説得力」「音楽的なもの」ここはすごい。だけど、「人に届けるもの」ここのところが弱い。自分のなかに歌い続けている気がする。

 

Soulful。ローストビーフをアーミーナイフでギッと切って優しく食べる感じ。

 

 

No.14

くせが少し気になるというか、耳障り。すごく全体的に苦しい。そういうふうに聞こえるし、見た感じも気持ちよさそうじゃない。どうも、ポジティブに見えない気がする。

 

何か一つ強力な何かがあると、すごくよくなると思う。少し内にこもっている。もっと、外を意識するとよいと思う。

 

声にがんじがらめに縛られているように感じられる。トレーニングが自由、解放の方へは向かっていないのではなかろうか。イメージという殻をぶっ壊す必要を強く感じる。

 

マイクのノリ具合がよく、いわゆる歌のうまい人。どう判断するか一番、迷うタイプの人。

 

この人の歌は弧を描かず、直線的。硬質。すべて頭で考えた通りに動いているのではないかと思わせてしまう。独特の声をもっていて、声に華やかさはあると思う。ただ、その声に頼りすぎているせいか。すべてを歌ってしまう。フレーズで踏み込みのあと、歌がその踏み込んだはずみでボヨーンとボールが跳ねるように進んでいく感覚のようなものがわかっていないのではないかと思ってしまう。だから、英語の歌を歌うと顕著に弱点が現われて、完全に「カタカナ英語」になってしまう。それから舞台に立ったとき、お客さんを全然みない。自分自身とだけ戦って歌っているように感じられる。

 

まとまりはあるのだが、何か大きなものが感じられない。声に少しクセがある。フレージングにしてもまとまってはいるのだが、波が小さい。

 

歌が紙に書かれた二次元の世界。こどものぬり絵のようだ。なぜ素直に体を使っていかないのか不思議だ。むりやり形の中におしこめるように窮屈。みっともないのがいやなのだろうか、自分の姿を見られたくないのだろうか。もういまさらもどれないの一ヶ所だけ、open armsの2番のサビに入る前の、yeahという言葉の感覚が、少しこの人が見えた気がした。yeahという言葉は、英語圏の人の日常語だからそのニュアンスを出すのは難しいのだがそこがよく聞こえた。

 

キィがいつも少し低いのではないか。あと半音、高いだけでもだいぶ聞こえ方が違うと思う。低いところを低そうに歌ってしまう歌い方は、フレーズではなく、ああ低いのだなと聞こえてしまうから注意が必要。ことばを均等に伸ばしてしまい、ダラダラと音が続いているように感じる。声に音色を練り込んでいかないと、なぜこの歌を歌っているのかが伝わらない。音が外れたり、乱れたりすることがないので安定感はある。歌い方もそれなりに板についている。

 

声そのものに個性があるのに、なぜ、この選曲なのか。

 

全体的に平面的で、立体感がなかったように思います。音の強弱に対する意識が薄いように思います。音程やリズムに比べて、強弱はその違いを聞き分けにくくなりがちなので、真剣に考えたことがないという人が出演者に限らず決して少なくないと思います。個性は大事ですが、思い込みが世界を小さくしないように注意しないと、と思わされました。

 

音色がよい。発音もよい(mとか)。洋楽を幅広く聞いているのもわかる。ほとんど男性のkeyで歌っている(アルトというよりテノール)。実力があるのはわかるが、伸び悩んでいるというより、下り坂ではないだろうか。まだ老け込む歳ではないはず。ならば、歌への情熱を疑う。

 

似たような感じを受ける。自分で決めつけている。形しかみえない。ワンフレーズごとの形。ひどいいい方をすれば、すべて―曲名をいわれただけで―最後までどう歌うか頭のなかで先に慣らすことができる。せっかくのあの楽器の弾き方を、“一通りに”自ら限定してしまっているように聞こえる。

 

「人のふりみて我がふり直せ」

 

緊張しているのが悪くもなっていないし、最近はそんなにも固くなっていなくて、ここ2~3回は好きな歌を気持ちよく歌っているようですし、歌ったあとも満足そうなので、別によいのではないでしょうか。個人的には、もっとバックグラウンドを広く控えた声だと気持ちよく聞けると思うんですが、今のままだと苦しそうに感じる部分が多すぎると思いますし、押しつけるようにビブラートをかけるのも耳障りだと思いました。

 

日常を越えられる、色気のある声をもっていると思うが、その声のなかに体ごと投入できてない。背中が通りすぎている。日常の頭のよい、がんばっている、歌に対してのまじめさがみえてきて、つまらない。前に会報に載っていたように、歌謡曲の見直しを実践している。試みとして評価できる。声にこの人がいるから安全地帯にはなってなかった。ピアノをうまく利用していたと思う。英語の発音で、前の子音とのつながりが「―t you」「―ed you」となっているときの「you」にクセがあって、気になる。

 

音域が必要なとき、この人はいつも下へ掘っていく。うまく聞こえるだけ整っているけれど、上へ飛ぶこともはじめたら、もっとうまくなりそうと思う。

 

歌が規定演技なら上位にくるかもしれませんが、残念ながらそれだけではないので、あまり評価できない人ということになってしまいます。キィも少し低すぎるから、抜けてこない。何に対し、何のために歌っているのか、ということが問題で、何が理想なのかよくわかりません。現時点でどうみえるかというと、売れない人のディナーショーみたいな感じがしてなりません。何かハチャメハャさとか、何かをぶち壊すみたいなものが欲しいです。

 

 

No.15

音楽として聞かせる力はまだちょっとだが、ことばに力があり伝わりやすい。フレーズをことばで練り込むのは得意なようなので、そこから音楽の方へ発展させていけばよい。へたうまというか、ぼくとつな歌い方が個性となり、もっている。英語の歌でもそれなりにもつのは、ことばの意味を解釈して歌っているのが伝わるから。でも課題曲も自由曲も、まだまだ未完成、練り込みの足らない感じがする。

 

こういうスタイルは、ことばがとんでこないと全部、なくなる。all or nothingじゃないかと思う。

 

まっすぐな気持ちが潔い。一所懸命さが伝わる。

 

音楽が聞こえて来ないのに好感が持ているのはなぜだろう。なにか、ここに音楽的なものを持ってきたら、矮小化してしまうような気がするので、このままフレーズを大きくして大きな大きな歌い手になるのではないかと思わせる。

不利だと思われる英語の曲だが、この人には合っていると思った。フレディー・マーキュリーの大仰さに匹敵するような、これは褒めすぎか、いくらなんでも。

 

声もキャラクターも、個性のある直球。

 

勢いがある。ノドの力みが以前より取れてきたが、それでも時折ノイズが混じる。勢いがあるけど、歌の世界への理解は、あまり感じられない。ステージで後ろに手を組むのはよくない。MCではキャラクターがよく出ていた。

 

安定している。決定がない。自由曲、日本語の方がよい。英語の発音の感覚がちょっと違う。

 

憶えてきて歌っているだけのようには感じるのですが、同曲を歌った他の人々と比べて、明らかに特有の味が感じられます。でも、それはよいときの1パターンであって、その前のステージ実習では、まったく何もなかったですし、今回もそう思いました。出席するだけというのはだめだと思います。それと、歌う前の一言も余計に思えるときがほとんどですし、課題曲を2曲共やるのは何も卑怯ではない。人前で今のこの歌を歌って試したいと思ったら使えばよいと思います。自分では、歌の世界にそういう概念があること自体、驚いた。歌に卑怯とか、そんなくだらない考えは必要ない。

 

他に歌い手として立とうとしていたのは、今回この人だけだった(立ちきれてはいなかったが)。この人のサビの3つ目の“Save Me”だけがとんできた。ぎりぎりのところで出していたそれは、純度の高いものだった。声や音色、スタンスの裏に鬼がいる。歌い手が捨て身になればなるほど、聞き手はそれだけで自分の捨て身になれなさに、心が揺れ動く。それをきっかけとして、内面は動き出す。スイッチが入れられたように。

 

約2年、この人の歌を聞いてきた。ぶれてぶれてよくわからなかったものが、声を軸に中心が、方向が一致してくると、力が終結していった。音がとれなくておろおろしていても、この人はワンフレーズもおろそかにしなかったと思う。この人の前でも、一音たりとも「てめえ今の音はやる気あんのかよ」という音は出せねえ、と思う。音をきっちりとりにいこうとしていた箇所がいくつもあって、そこだけがふしぜんだった。まっすぐに出ていこうとする声が届こうが届くまいが(点をクリアするように出されるのでなく)、そのまま伸びていくときが、真実だった。

 

声でている。音程に注意。

 

フレーズの最小単位であることばのレベルができていない。一所懸命、声を出しているだけ。

 

MCの意味不明のキャラクターを、もっと生かして欲しかったです(徹底して欲しかった)。歌は、くり返しのおき方が単調になってしまったように思います。

 

出てきただけで、微笑みが生まれてくる。誠実な自分の心をいつも手放さないところがいいなと思う。全部のことばをていねいに歌い切ろうとしている。目をつぶった時間が相変わらず長いけど、前よりも体の意識が前に向いていることがわかった。目を開いている方が前に出やすいだろうし、コミュニケイトしやすいのだろうが、つながるためには単に開いていればいいわけじゃないことを教えられた。

 

ストレートで、太く味のある声。ストレートに叫んだときの音色が、心に飛び込んでくる。押すばかりでなく、引くことも欲しいけれど。目を開けて歌って欲しい。

 

実際、自分の歌は音楽になっていません。すべてにおいて足りない。それは、足りないというよりまったくないという状態です。いつもライブが終わると、その終わったという気分だけしか味わえないのはダメだし、とてもいやなことです。毎月そうです。過程と結果にまったく満足感を得られない。結果は、なかなか満足感を得られないのはわかります。だから、もっと過程で満足を得られるように、今の自分を捨て、今の倍の質と量を上げることから始めたい。

 

パワーや声量はあるのだが、がなっていてノドにかかっている。キィが高すぎる。声を強くするときに同時に深くなっていかず、同じ声質で出そうとしているので波になりにくい。ひょうひょうと歌うのが特徴なのだろうが、何か意外とあっさりした感じになってしまうような気がした。

 

発声は悪くないと思うが、歌のスタイルが完成されてないというか、よくみえない。固まってない。飾り気がなさすぎているのか。何か耳が痛い。

 

 

No.16

目先を固定するか、目を閉じるかしないと、目が泳いでしまうと見ている人にバレてしまうように思いました。

 

この人は、舞台上で独特の張り詰めた空間を生み出す。課題曲は、最近聞いた中で一番よかったと思う。この人が生きようとしていると感じたから。生命力を感じた。さびのところも思いきり盛り上げていたし。グループレッスンでも一時期は、やる気あるのか、 生きているのかと思うような状態だったけれど、最近は声の中にやる気がみえる。

 

怖い感じのをやると、思わず集中させられます。歌おうとすると一転して引っ込んでしまって、負けてしまっていると思いました。今回も失敗してしまったようですが、いろいろやってみようとした結果でしょうから、とやかくいえませんが、一曲も体に取り込めないわけがないので、練習不足と思われてもしかたないと思います。他の人や自分も気をつけなければいけないことで、あたりまえのことなのですが、気が抜けてしまってステージ実習やライブ実習で元気がなくなるのは最悪だと思えますので、気をつけて欲しいと思います(よそ行きになる必要はない)。

 

高いところになると口元でのクセが出るような気がする。フレージングはきっちりとっていると思う。雰囲気は出ているような気がする。

 

何がやりたいのかよくわからない。

 

ステージでのこの人の雰囲気が、もっと強く出た方がよいと思う。歌うことに集中していないのが気になった。

 

プレBVで、音楽に、ステージに入り込むのはこういうことだ、というのを教えてもらったので、今日もその点に注目して聞いた。プレほどではないにしても、ひいでていると思った。少し、音楽の構造的なところの理解が足りないような気がする。

 

声に音楽が入るともっとよくなる。それなりに気持ちを込めているのは感じるから、音で表現する方に重点を置いていくべき。歌詞を忘れるのは、あがってしまう以上に練り込み不足のことが多い。自分の名前や家族の名前を忘れる人はいないのだから、単にくり返しの回数が足りないだけであったりする。マナーが悪い。自分を情けなく思っても、見ている人にやつあたりするようにみえてしまっては最悪。

 

狂気の世界をもっているところ、何よりも世界を伝える、そのなかで今、生きようとするところが、魅力。アーティストは、危険な場所に突っ立っていて、人々はそれをしてくれる人を通じてスリルを味わいたいんだ。いつも安全なだけでは、物足りないんだということを、この人を見ていると思い出す。ただ「どっかの世界にいる」ことはわかるけど、それがどんなところなのか、もっと曲ごとにはっきりみえてきた方がいい。意識が眉間の辺りにだけ入り込んでいきやすいので、詞を忘れたり、ことばがうまく聞き取れなかったりするのではと思う。

 

口の奥、力みすぎ。ひびきがうまく上へ抜けない。音程が不正確。マイクを近づけたり離したりするクセがある。ハートを感じる歌い手なんだけど、今回は力を出せなかった。ミスって陰気になるのは禁物。

 

音程がフラットしてても、不思議とひきつけられる。パティ・スミス、ニコのような感じをうける。

 

何かつらそうだったり、ギリギリのところで歌っているような緊迫感と危うさ。

 

正直なところ、音がわからなくなるというのは論外だ。しっかりと歌える人なのだから、練習量や音に対して、どれほど集中して歌をつめてきたかが、逆算できてしまう。コードの中での音色や、曲のベースのところでの、その歌の色などを捉える努力すら、しなかった。

 

今日のステージについては、この人の歌に対する姿勢は、まったく信頼できなかった。自分自身の心にとらわれ、ふりまわされているのだろうか。集中したり、狂気じみたりしたものを出したり、迫ってくるもので勝負をする方法はいくらでもあるが、実はそれはとても微妙なバランスの上でのことだと思う。自分のなかのものを、ただ増長させたり、濃くしていったり、自分を深めて出しているつもりが、いつの間にか自分もろとも自分の内部の穴へと沈んでいってしまうことが多い。昇華させるということばを使われることが多いがそうでなくてはいけない、そういうことだろうと思う。

 

ライブはよかったのに。安定したかにみえた部分が、また不安定に。思いきること。ストレートに出していかないと不安定の材料になるように思う。練習量が必要かも。

 

一瞬、鬼気迫るみたいな、あの感じは何だろうと感じます。何かがうごめいているのはわかるけれど、発声と体の弱さがそれを支えることができていない。今のこの人は、何年かやってきたという意識が邪魔しているのではないでしょうか。それを捨てて、発声も1からやった方がよいと思います。

 

 

No.17

この人らしい。この人の色が出ていて、とてもよかった。全身の動き、視線など、ステージングもよく考えていると思う。

 

この人も「方向違い」の失敗が続いているように思う。なかなか当たりがこない。歌いグセなのか、個性なのか。でもそこを外さないと変われないような。やっぱり自分を知るって大変なことなんだと改めて思う。近頃は、発声オンリーから抜けられたのか。

 

私はこの人の歌がいつも理解できない。今日のステージがよいか悪いかいうならば、悪かったと思う。でも、この人がそうやりたいならそうすればいい、と思わせるところがあり、そう思わせるところがこの人のよいところなのかという気もする。ただ、本当にいつもいつもわからない。でも嫌いではない。好きというより、必要だ。

 

最初は、聞くのがいやでしょうがなかったけれど、あるときを境に急に変わったと思います。今日の歌は、らしさは出ていたけれど、曲のよさのためにそれが殺されかねないみたいなところが出ていたと思います。でも、たぶん自分のスタイルを計りかねているところだと思います。だから今は、見守ろうと思います。自分の限界をみたときに、変革を強いられるのは、避けて通れない道だと思います。

 

もともと声がある人なので、味つけが濃すぎると、ちょっと飽きる。薄味も出して欲しい。

 

ハマリきっていないときは、目が正気ですネ。

 

口の中で音をつくる悪い癖がある。に限らず、癖に逃げすぎているように思う。もっと真摯に、一から歌を積み上げないと、伝わらないだろうか

 

小細工がなかったように思います。もししているとしたら、イヤに感じなかったので、よかったんだと思います。何かをしようという試みも大事なことだと思います。どうせなら、自分の時間をもっと組み立てていけるんじゃないかなと思います。歌はよくわかりません。

 

スケールの大きさがある。いろいろな経験を通り抜けてきた軌跡が、体に刻まれている。闘う人だなと思う。最初から、何かあきらめているような感じがあった。フレーズを変化させるには、ある音楽的なルールが確実にある。この人のルールでやるには、ものすごく力が必要。もっと声を離していっても平気じゃないか。声だけじゃなく、イメージの世界から創っていく方向に少しいったように感じた。

 

バリトンのよい声。息も長く伸ばせる。個性が出ている(曲を引き寄せて、自分自身になり切る)。自由曲では、フレーズが間伸びしたり、浮かし過ぎの部分もあった。声やキャラクターはよいものをもっていると思う。日本語処理や音楽性が課題かも。

 

ぶれていることが最近、多い。はっとしたようにつかみに戻るようなフレーズがよくあるような気がする。試行錯誤中なのだと思う。コンプレックスは、外からみると、オリジナリティの裏面だったりするのだなと思う。まじめ度にそれは比例するのだろう。迷路も長く複雑になってしまう。もっと怒りをもってもよいのかもしれない。でも、このままでもよいのかもしれない。心を開くと体も開く。恨めばしまる。この人の声が好きだ。

 

歌に変なクセがありすぎる。ちょっと壊れた布施明といった感じ。歌う顔がおもしろくて、もってしまったりもする。キャラクターで勝負しているのなら別だが、本物をめざしているのなら自分が一番、大切にするものを優先しなくては。具体的にいえば、一部歌詞を変えていたが、そこで笑いをとって印象に残っても後が全部、忘れられてしまうのなら、いったい何を歌いたかったのかということ。ことばを妙に壊してバラバラにするような歌い方。ある意味、堀内孝雄のようでもある。自分らしい歌い方というのを勘違いしている。ことばの一つひとつをオーバーに発音したり、心を込めているようなフリは聞きづらい。すべてがフリに見えるのだ。単に発音の問題かもしれないが。

 

パワーはある。ひびきがあまりきれいじゃない。フレーズの終わりを口の中でビブラートさせているみたいで、あまり気持ちよく抜けない感じがする。ステージ持ちするキャラクターで、存在感はあると思う。他の部分でも、アピールする必要があると思う。

 

パワフルでよくひびく声を楽に出している。大きい声は出るけれど、押すばかりでなく、引くこともわかっている。フレーズ、ジェスチャー、顔の表情が豊かなのはよいけれど、曲によってはそれがうるさすぎる場合がある。落ち着かない。プレBV座などですべての曲をあの調子でやられると、見ている方が疲れる。でも、この人のような元気いっぱいの存在は貴重だ。

 

ライブ以降、まったく元気がないと思います。何か新境地を拓こうとして試しているのならよいのですが、どうもそうは思いづらくて、ステージ実習でイマジンを歌ったあと、首をかしげたりしているのを見ると、抜けガラ状態になってしまっているようにみえます。もっと毎日、人前に立つことをイメージしておけば、もっと元気を出せると思います。ただ、まあもし次回ライブがあるなら、そのぶん溜まっていてまた迫力あるのをやるんでしょうし、でも内心、そういうスタンスでいこうとしているんじゃないかというのがとても気がかりです。

 

自由曲は、今回の人の中で、1、2を争うぐらい逸脱のでき。歌とこの人のキャラクターのマッチング。

 

 

No.18

リハのとき、ただ歌うだけといっておられましたが、よほど精神的に余裕のないとき以外は、自分が締めくくるのだと思ってやって欲しいと思いました。いつもしっかりと歌っているのに、今回のようにミスをしてしまうのはおかしい。歌うときはいつも同じに思ってやって欲しいと思います。MCもうまいと思いますし、特有の表情ももっておられるので、歌声の方も、ある高さから上の音も、もっとスッキリと前に出ればもっとよくなると思います。

 

パワーはある程度あると思うが、ノドにかかっていてあまり気持ちよく聞こえない。何となくおもしろい感じもするのだが、少しあっさりしている感じもあり、深く踏み込んでくるような部分が必要だと思う。低音の芯がとてもしっかりしている。力があるだけに、ミスはもったいない。

 

いつも、スケールの大きな曲に挑戦している。周囲に惑わされずに進む勇気がある。時代感覚が少し古いと思うので、現代とのバイパスをどうつないでいくのか。すっかりよい顔になってきた。この人の道が、しっかりできてきたと思う。何でもやり続けて、それを強いものにしていけば、新たな存在を誕生させることができる。その過程を、この人にみる。

上半身がぶれなくなってきた。まあ、今回は壊れることを避けた歌い方だったのだろう。そのせいか、後半、歌がとんでしまったりしていたが、その頃には「吸い寄せられるように聞く」意識も、こちらになくなっていたので、どうでもいいことになってた。今回の自由曲は、合っていると思った。一般の人の前に立っている姿が浮かんできた。前に出ている部分と、後ろに引いている部分が共存している。腰が、やや引けていると思う。

 

ピアノのキィが違っていたのでしょうか。でも、堂々と笑いにしてましたね。いつからか、すごくステージに慣れた感じで、堂々としてきた人だと思います。

 

声の芯をつかみ、音色が出ている。低音から高音まで、一つに捉えている。体にリズムが入っている(体の支えとリズムが結びついている)。フレーズの最後を弱い音でまとめるが、体の支えは抜いてない。以前と比べて表情が明るくなった。BV座で自信をつけたのでしょう。間違えたときは堂々としているか、この人のように開き直って受けを取るのが正解です。

 

この人はカンがよく、押さえどころを即座につかめる人だと思う。歌っているときの表情がよい。今日の自由曲、最初に音がとれなかったのはまずかったが、途中開き直って、堂々と歌っていたのがよかった。ただ、声を出すときに、のど、口のまわりに力が入っているように感じられる。フレーズによっては、もう少し流れるように進んでいった方がよいと思う(ぶつ切りに聞こえるところあり)。

 

前々ライブであたりのところが、振子が一致して集中できるところなのだろう。迫るものを最近みていない。基本的なところで崩れ、今日は評価のゼロ地点を割り込んでしまった。一つひとつのステージは、積み重ねられた一瞬一瞬の末に出る新たな“一瞬”なのだとわかる。一つひとつで振りだしに戻るのだ。よい意味でも、悪い意味でも。

 

もともと声がある人なので、味つけが濃すぎると、ちょっと飽きる。薄味も出して欲しい。

 

低音の魅力とでもいうものがある。声にムードがある。メリハリのよくきいた歌い方。自由曲失敗したのは残念。聞いている側も本人も集中力が切れてしまった。聞いている人は普通ならお客だから、どう聞いていてもよいはずなので、歌っている人がどうやって元に戻すかが問われる。何曲もあるステージなら笑ってすごしてしまってもしかたないかもしれないが、わずか2曲での勝負なら、なんとか聞かせられる方にもっていかなくては損をしてしまう。1オクターブ上で出てしまう失敗は決定的な失敗で、自分の中で注意するようになるから、1度すればもうしないだろう。

 

①基本的に音感が悪い。②体の勢いに頼り過ぎの不安定な歌い方ってとこか。だったらイントロをもっとわかりやすいのに変えてもらえばよかったんだ、ボケ。 結局③慢心、甘え、これだ。救い難い。自分のやりたいことしか考えていない。自分のステージの隅から隅まで、一挙一動、最初の音から最後の音まで、どうして厳密にこだわれない。 人前に立つ覚悟がない。

 

やることをやっているから聞けるのだと思います。それでも発声とかはいやですが、以前と今とでは評価が逆転しました。この人が本当にやりたいのは今のスタイルではないのだと思うことがありますが、それは本当のところ、どうかわかりません。今のスタイルだと、たまにディナーショーみたいな感じがするときもありますが、いやだという感じはあまりしません。それは、この人の根底に熱いものが流れていて、それが支えているからだと思います。

 

実力派で、底力の違いを感じた。ミスすら自分の土俵にもちこむ懐。自分との違い。

 

アタックの仕方で、もっと軽快になるような気がしました。歌詞を忘れたり、間違えたとき、ちょっとしたスキに友だちの方に視線を動かすのは、見ている側からはあまりよいものじゃないように思います。熱を感じるところに目を送るのは、決して悪いことじゃないと思います。

 

この人のからっとした明るさが好きだ。すかっと爽やか。むりやりではない個性があって、とてもうらやましい。歌えば、もうなにも考えなくとも、フレーズになる段階にいるような気がする。

 

練習熱心な人。自分なりの発声はもっているのではないか。私なんぞよりも、よほどしっかり声をとれる。そのへんの確実なところのよさを、もっと出していけるとよいのに。間のとり方とか、リズム、流れを研究すれば、シャンソンとか、もっと引きつけられる気がする。