合宿4
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○合宿反省会について
○トレーナーコメント
○福島合宿発言メモ
○(参考)福島合宿前特別レッスン
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〇合宿反省会について
全研究生(合宿参加者のみを対象にしたものではありません)
1.VTR上映[発表会中心に30~40分]
2.コメント(発表会コメントは、会報収録で)
音声で表現する舞台としての基準から、発表会をケースに語ります。
1.発表会のコメントではなく、ここでの問題やトレーニング、上達についての観点からとりあげます。
2.発表会は、まぎれもなく研究所の断片としての発表活動であり、そこには研究生の特質、ひいては現在の日本人のもっているもの、もっていないものが象徴されています。
3.即ち、いつも台宿は研究生が今の日本や世界に対し、何をもっていて何に欠けているかを表わしているわけです。
それについて、いろんなタイプの人がいるので、それを明らかにし何が必要なのかを具体的に述べたく思います。
ですから、参加者以外の人にも、映像をみて、共に学んで欲しいのです。
どうしてやれないのか、どうしたらやれるのか、それをテーマにします。
他人事と思わず、自分を知るために参加してください。
これから、何をどうやっていけばよいのかのヒントになると思います。
声をやっても声、歌をやっても歌になりません。
ヴォーカリストはヴォーカリストを、アーティストはアーティストを
ステージはステージをやることで、そうなるきっかけがつかめます。
そのことを示したく存じます。
○トレーナーコメント
A、B班について共通していることは、共同作業のなかで印象に残った人はいたが、1人で歌ったフレーズがほとんどといってよいくらい残っていない。みんなでやっているという、ある意味での安心感のなかでよいところが出たり、ひとりでは経験できないことを感じられたなら、それ自体はいいこと。でも依存心は切らなくてはならない。他人が作ったノリにのっかっているだけでは、それは客席の人である。
全員でやったときと1人のときの差を自覚している人はほとんどいないと思う。歌詞を間違えた等は失敗ではない。そこでステージにできなかったということを痛みに感じているのかどうか。
「At the Hop」は曲調のためもあるだろうが、楽しかったということで終わっている。
バス旅行の車中ではないのだから、R&Rのノリや音楽を意識できていない、何も勝負していないというのは問題。
「Walk This Way」も方向違いのことでもめたり時間をかけたりしていた。音を聞けということは普段いやになるほどいわれていることだ。それに対してどこまでやったかを問題にしてほしい。
大体、合宿前の特別レッスンの時点で歌詞、メロディ、構成を完全に把握(単に覚えてもだめ)していなかった。みんな歌詞を見ながら受講していた。そういう姿勢がすべてに影響していく。別に真面目かどうかではなくて、そういうやり方をし、音楽もそういうものとして持っているということ。そうではないというところをきちんと見せてほしかった。
ステージでどたどた歩くこと、さっさと集まらないことなど、異様だ。協調性などという問題ではなく、そういう感覚しかない(鈍い)ということが。C班との差がこういう点でもはっきりしていた。本当にこれでよかったのかという問いを自分に向けないと、課題そのものがいつまでも始まらない。
本番前にフレーズを回したときも、楽しいのはいいが、単にはしゃいでいて緊迫感(そこはステージなのだから)がないものについては、見ていて本当に不快だった。ヴォーカリストをめざしていて、ほんの1フレーズの用意がないということを重大に提えるべき。
「すごい男のうた」で大半の人に感じた不快さも同じもの。作詞が下手なのではない。小学生が「うんこ」とか叫んで喜んでいるのと変わらない場に対する感覚が不快だ。その人の表現として出ているものは、言葉がいわゆる下品でも下劣でも、不快に感じはしない。本番でよくなったところもあるので、がんばったことはわかるが、自分で一所懸命やったなどといってはいけないと思う。やったことに対しての検証の仕方が今後を分けるだろう。
[A班]
個人の力がないわりに、2日目のゲネプロではよい方向を出せていた。本番はややパワーダウン
I:いつもよりは息吹を感じる部分を出せていた。課題の多さと時間的制限、班長としての責任など環境がよい状態を作ったようだ。普段との差を自分でハッキリ知り、自分1人でも取り出せるようにしていくこと。班長としてよく役割を果たしていた。
T:課題3、4ではいつものように内側で回っていて印象を残せないのに対し、課題5は無駄な力が抜け、よさが出ていた。問題はそれを自分でどう感じているか。できることを真剣に詰めていくこと。
N:かっこよいこと、悪いことをきちんと見分けていると思う。もっと自信をもってよい。自信をつけるには、かっこいいと思うことを徹底的に気違いになって追求すること。まわりに目を配り(ありふれた意味でなく)慣れないメンバーをよくリードした。
K:今回、音楽のなかではじけるというようなことが何度か感覚できたのでは。それを離さずに、自分ひとりでも突っ込んでいけるようにしていってほしい。
K:素直に、できることを精一杯よくしようと取り組んでいた。小さなミスにとらわれないように。それより空気を大きく感じて動かしていく。声に力はあるのだから、自分でそれを知る努力をすること。
S:力一杯ぶつかっても、それだけではどうにもならないということを、よい意味で体験できたのなら、それがよかった。もし「うまくできた」と思っているようなことがあるなら、それらを全部捨てること。自分1人になったとき、あれ以上のことがたった1人でできるか、そこを曖昧にしないように。
K:素地があり、勘のよさを感じる。伝える力はあると思う。あとは、なぜ、何を、誰に、どう伝えるのかという自分との結びつきと、続けていくことへの自分のなかでの明確な必要性。それがないと[うまい人]で終わる。たとえ嫌いなものでも、何かカを感じるものから、それはなぜかを正直に学ぶこと。
T:共同作業ではある程度よさを出せていた。まわりの空気を意識する勘は働くが、自分で気が散ってしまい入りきれない。安易に浸らずに、あと何段階も目を見開いてしっかり見ることが必要。
N:今回は表面的な形が抜け、正面で捉えていた。体でもっていけそうな部分も見える。「待ちわびて」で出せていた存在感を、1人のときにももってこれるようにしたい。
M:一見目立たないが、音楽のなかで生き生きしていた。言葉のつかみがよい。以降のトレーニング次第。つかんだことを自分のなかで持続させていってほしい。
Y:まだ歌には直接表れないが、少しずつ変わっているとは思う。舞台に慣れること。素直に学ぶ姿勢と、受け入れていこうとするパワーがよい。
[B班]
状況把握力のなさと行動の鈍さが、人に迷惑、作品をだめにする。(しかしこの班は、正されなかった)
個人の地力にかかわらず2日目まで最悪、本番でやや持ち直した。
0:「待ちわびて」では言葉が飛んでいて、積み重ねを感じる。普段よりしっかり声にできていた。班をまとめるのが大変そうだったが、気概と気力を見せていた。しかし、いつもながら方向性と核心のつかみは鈍い。
T:切り換えがうまくいかず、今自分でもつらいのでは。テンションの高さがよさだったが、一時期の感覚のまま止まっていて、基準や感覚が深まっていないため、以前できたことができなくなってきている。ひとつひとつのことを、きちんと検証すること。
S:作品を創るということについての勘違い。判断基準が安易で表面的なため。要は人に与えるということを甘く見すぎている。難しいレベルのことでなく、謙虚であればわかるはず。よけいな作意が出なかった朗銃は一部ことばがきちんと飛んできた。声はよくなっている。しかし外に出すとき嘘になる。未だ進歩はない。
S:結果的に役割を果たしていたが、自覚してというより状況的に。反応はなかなかよい。もっと前にだせるはず。というより前に出すということを勘違いしないこと。自分のしたことを判断するとき、ひとつずつ答をきちんと出していくことが必要。
K:気持ちや動作がきびきびしているのが目立っていた。見えないことに対し正直になろうとしているので、やっていることは粗くても爽やかに見える。頭で考えすぎだが、やるときは思い切っている。その一声なしに課題1は成り立たなかった。同時にていねいさも必要。よい方向で伸びているが、音の世界にはまだ甘い。
Y:1人だと目立たないのに、大勢で歌っているときなぜか目を引く存在。ニュートラルなところがよい。音楽は感じているが、あと一歩のときに引いてしまうような気がする。
M:それなりに班のなかでは印象に残せている。がんばっているがまだ人まね。感じたままというより自分の趣味。学ぶためにはもっと外側に目を向け、受け入れるパワーを持つこと。
A:器用だが、ライブの感覚からほど遠いところでやっている。普段の方が表情もよい。慣れないことや緊張もあるのだろうが、まず嬉しいことを「嬉しい」と伝えるようなところから。伝えたいという熱さが見えないのは損。基準を学ぶこと。
H:「待ちわびて」での切り換えはよかった。やればできるのに、朗読では決めつけすぎて、形だけになってしまう。その違いを自覚すること。「こんな感じ」というやり方は絶対にしないくらいに考える。
T:自分のなかで回ってしまい、あまり前に出ない。声にするとき少していねいに。言葉のときにはできる。表情などはよい。一致させるために、雑にせずに時間をかけていくこと。
K:悲しいことをいくら悲しげにいっても伝わらない、ということについて勉強すること。度胸がよく、いろんなことをそれ風にこなすことはできる。でもそのままだとそれしかできなくなる。
K:やらなければいけないことや状況が見えてない。意見すればよいというものではない。もうそろそろ見えなくては困る。前に出たければ結果で自分に問い、正直にカをつけること。声や表情に変化がないのも気になる。準備はきちんとしてきていた。
Y:かなり自信のなさが目立っていたが、本番までによく持ち直した。
H:口先で作りすぎのフレーズが気になった。今回の悪い癖に気づけるだろうか。言葉のほうがきちんと出せる。
[C班]
もっとよいときをたくさん見ているので、特に個人のフレーズは物足りなかったが、普段は見られなかった面を見せてくれた人もいて、面白かったところもあった。行動、歩き方、練習の空気、時間と神経の使い方においてABとは圧倒的に差があった。本当はそれがあたりまえであるが、力がない人も、引っ張られてよい方向に出ていた。それを自分の力と勘違いしないことである。悪かった点について、自覚できている人は意義のある3日間になったと思う。
N:人を引っ張っていくパワー、存在感、神経の繊細さ。それだけでもたせられる脱得力は力だと思う。自分のなかでの統制がとれずに、個人的には音声として本来の力は出せなかった。
U:「ニンナ・ナンナ」でのフレーズ、「すごい男のうた」での楽しいセンスが印象に残った。基本的力を感じる。課題1はやりにくかったと思うが、課題の目的を達していたわけではないけれども、思ったより生き生きしたところが出せていた。もっといろんな意味で冒険すれば、自分のよさがわかるのでは。
S:自己紹介ライブではひとりだけ音楽を創っていた。いつもよりよかったわけではないが、各課題で役割に徹することができるところにカシのよさを感じた。
T:言葉はきちんと飛んでくる。いわゆるリズムとしてはよくないが、自分で動いているものがきちんとあること、ステージの状態をもってこれることで好感がもてる。存在感もある。
K:自分の本当のよさは出しきれていなかったが、周囲に溶け込む中でやはり存在はしっかり感じる。声でできることがもっとあったのでは。まったく出せていないわけではないのだから、詰めるときに徹底すること。
0:キャラクター的には目立つだけで、音声で弱い。課題4での思い切った試みは、作品としては最低だが、殻を破ろうとしていてよかった。課題という限定のなかでの方がよさを出せている。今回基本的な力を周囲の人から感じとれたかどうか。もっているものや考えていることをそのまま出すのではなく、集約する努力を正しくしていってほしい。
K:いつもよりできたこと、できなかったことと、その理由をきちんと自分にフィードバックすること。環境がよい方に出て、課題3ではよくついていった。反応できる素直さはよいところ。リズムの感じ方は相変わらず気になる。合宿中感じていたはずの周囲との差は、単にテンションとか気力の差ではないので、そこを自分のなかで流さずに今後につなげてほしい。尾崎と同じく状況把握力は弱い。
N:まわりに比べると、個人のフレーズでよさを出せていた。中日に抜けたにもかかわらず、いろんな課題に対応することができるし反応もよい。でもそれはわかっていることなので、それ以上の何かが見たかった。
I:課題3では考えすぎずに力を出していた。慣れないジャンルで覚えにくかったようだが、それが却ってよかったかもしれない動きもまあまあ。声でできることをしっかりと取り出していってほしい。
F:声がよく飛ぶようになった。素直でストレートなところがよく、舞台ではそれを出せる。フレーズも今はそれでよいのだろうと思う。真摯なところは伝わった。課題1、2のようなもので対応力をつけること。必要なものなので
Y:音程がきちんととれるなど、得意なところ活かせていたようだ。逆にそのことが目立つということは、表現や自分が前に出ていないということ。形をつくるのはうまいが、自分のものではない。「こなす」のではなく「出しきる」という感覚の不足。
ー
WALK THIS WAY:声やフレーズの線に立体感が感じられなかった。少し別の方向で楽しくなってしまったような気がする。グルーヴをしっかり捉えていないから走る。
セレーナ(A、B班):音がドラマティックに動くところを理解していない。覚えて言葉を重ねただけに聞こえた。
朗読(A、B班):間の取り方や、甘い方がワンパターン。
歌詞創作:テレビなどでおもしろいとされている弱いものいじめ的な発想になっていないか。とっさに出てきたものでも、そういうことをいったら少しヤバいなと思うだろうに、考える時間があったわりには短絡的。表現にこれはしてはいけないということはないが、責任がともなうことを忘れずに。
At the Hop:曲を理解していない。練習が足りない。これにつきる。
A班:ステージは前向きで、きびきびしていて気持ちよかった。視線も一定に保たれていた。統制がとれていた分、一人になった時の乱れや、やや没個性ぎみなのが気になった
B班:本番は、前向きになってとりあえずはほっとした。全体での乱れが、一人になった時さらに倍増していた。思い込みややりっ放しが目立つ。2日目、原点に戻ろうとしたのはよいけれど、投げ出したと判断されてもしかたがなかったのでは。極端。
C班:プロセスはさすがにすばらしく、A、B班がやっているとき10できていたが、全体として、それ以上に個人として基本にかえるということをして欲しかった。
その他:とくに、A、B班について。あれだけの課題をよく覚えられたなというのが率直な感想である。しかし、その分ふだんはさぼっているのではないかという印象を持った。また、本番はテンションが高くてよかったが、これもふだんからそれぐらいやればいいのになと思いました。
個人評
I:キレが足りず少し焦点がぼやけて聞こえる。感情が高まる部分をはっきり感じてそれを音に出すとよいのです。一瞬そういう場面があったような。
K:表面的に動きをつけようとしすぎ。体と声の芯のところで、一音でも動かすことが必要ではないか。発表の時の座りポーズがよかった。
K:音楽の躍動感に触れていない感じ。どうしていいかわからないのは、どうにか動こうとしていないから。最初はだれでもぐちゃぐちゃ。勇気をだそう。
K:無機的に歌い過ぎて、音のラインを追っているだけに聞こえてしまう。おおげさ過ぎるくらいに音に何かをこめること。音感はよい。
N:声は出ているが、歌と音楽にならない。このことが自分のどういうところを差しているのか発見すること。課題1の一緒に動くところの動きがよかった。
T:前向きなのはよい。でも、適当にしてしまっている。正確さにこだわることが必要。声の芯がとれていないので、まず声にこだわってみたらどうか。
Y:歌に人柄が出ていて、聞いててほっとする。音の動き、角度とかスピードに体をのせていくことで新しい世界が見えるのではないか。
T:ステージに入り込めず、順番が来てから慌てているのが気になる。ステージ以外のことに気をとられているように見えるので気をつけること。
N:課題1では、そういうその自然に解放されて楽に慣れて声や体の固さがなくなったわけではないが、余裕が多少見えたのがよかった。
S:態度は前向きでよいし、よく動いて見ていて気持ちよいが、声や歌にはほとんど反映されていないので、その状態で声と歌に取り組んで欲しい。
M:主に朝晩で伝わるものがあった。言葉が伝わるという点で、よさが歌にも出ていたと思う。
0:フレーズの課題で声に力を感じた。リズムや拍の長さを正確にすることでかえって遅れているので、全体でとらえるとフレーズも滑らかになりそう。
S:歌と自分との距離が今回はまあまあ。言葉の意味は伝えられるのだから、テンポの重要性など、音楽の基本に目をむけたらどうか。
M:集約できずに終わった感じ。感性があることと作品にするということは少し違う。リズム感のよさを音にきっちり出そうとすること。
A:課題に参加していないように見えた。歌がうまいだけに終わらないようにするために、早急にスタートラインに立つことが必要。
H:歌や音楽、ステージに対するイメージが小さい。これらが、ちょっとやそっとのコントロールがきかない存在であるということを認識しよう。
T:発声的にも、歌的にも力が入り過ぎている。オリジナルヴォイス、ナチュラルヴォイスですっと出てくるところを探そう。
K:まねクセ、バタバタした足音が気になる。まねとクセでとらえてしまうのは、音楽の世界が狭いのも一匹かも。音楽の世界にもっとふれること。
K:発声、歌、リズムをすべて腰中心に提えることが必要。首から上になっている。歌詞を完全に覚えてきたのはよい。
T:何か周辺でまごついていて、中心を提えることが最後までできなかったように見えた。どこか後ろ向き。もっと積極的に動くこと。
S:小さくまとまる危険性はあるが、可能性は見える。表現を自分の外へ放り投げてみて、何が起こるか確かめること。そこに課題が見えるはず。
K:Walk This Wayというところの、リハ時ではなく、本番時の感覚をすべてにおいてキープすること。合宿という場を生かすことのできた一人。
Y:結局何も起こせなかったが、かえって将来的にはそれがよい場合があるので地道に練習すること。音程についてはコードやベースを感じて歌うとよい。
Y:音楽や歌がまったく感覚と体に入っていないので、これからたくさん聞いて感覚を磨くこと。
H:誰のまねかは一目瞭然。自分でないことの気持ち悪さに気づくこと。体から出る使える声をつくること。
N:音楽に向かうパワーと繊細さが並ではない。音楽的な基本、課題の目的にもっとこだわってびくともしない土台を築く必要があるのでは。
U:ニンナ~のユニゾンからハモリの部分が強烈に印象的。また、言葉を扱う確固たる力を見せつけた。躍動感がない。リズムの世界に触れてみてはどうか。
S:一声目ですでに音楽になっていた唯一の人。本番での存在感が多少まるのと、リズムの線がやや弱いのが気になるところだ。
T:Rapでの線が立体的に聞こえた数少ない一人。テンポキープできなかったのが残念。音から音への移行時に頻繁に音楽が消えてしまうので注意が必要。
K:構成や展開が単純でワンパターンだが、音にこめるという点に静かな底力を感じる。今回は、思いきりのよさが出ていてよかった。
0:発想を本当にそう聞こえるまで練り込みに時間と労力を使おう。そうは聞こえないことに苦悩する必要がある。音に体が開いているのはよいところ。
K:勢いや思い切りのよさがともすれば自分の課題を隠すことになってしまう。きっちり作った真面目さも出ていたので勢いとのバランスをとること。
N:あるパターンに逃げ込むようなところがあって、先の展開が見えてしまうのがきつい。新たな課題の設定が欲しいところだ。
F:ステージの空気を自分に引き寄せるのが抜群にうまいが、音声表現としては乱れていたように思う。音楽の基本を学ぶことが必要。
I:他の人には出せない色気を持っているのがよい。リズムを見失ってしまう箇所があったので、自分が今どこの拍にいるかを常に把握すること。
Y:単なるうまい人という印象で面白みがない。音程とか形以外の部分で自分らしさを出して欲しい。ハモリやユニゾンはきれいだった。
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S:実力はあるのだから、本番までのセルフコントロールを。まわりに流されないこと。
N:すべてが強引。基本の上にパワーをのせること。バランスをとること。
U:もう一歩一線を超えられていない部分があるような。
T:人とのコミュニケーションをあきらめないこと。気力の持続。
K:意外とマイペースで、よい意味で自分のスタンスをとっていた。あとは実力を。
0:いろいろと大変だったとは思うが、自分の土俵を守る技術を身につけ、人にふりまわされない部分を死守すること。
S:シンプルに出せば、よいものを出せる人のはず。今後も複雑にせず、やっていく。
N:一所懸命やっているのはわかる。何かパッと華が出れば。
I:なぜか「つくりもの」にみえてしまった。個人練習で感情を出すトレーニングを。
K:普段、思ってたより映える人だった。あとは、基本の技術(声)を身につける。
K:楽しい部分と地に足をつけてしっかり歩く♭分とのバランスをとる。
T:一本、芯を通すこと。精神的にも体力的にも、軸が感じられない。
T:普段、頭で考えすぎてしまう傾向にあるので、合宿のときくらい、はじけるとよい。
O:考え方を柔軟にできると、もっと吸収できるはず。よい意味での柔軟さ。
M:気分によって声の出方が違うのかなと。日によって差が大きい。
K:子供。今のうちは、いろんなよいものを聞いて吸収しよう。
S:歌っているときの方が声が素直に届く。変に考えすぎないこと。
K:だいぶ声ものってきた。あとは、精神的自立(心の軸)を。
K:本番は練習時より悪かったが、集中してがんばっていたと思う。
T:もっているものは悪くないが、印象が薄い。何かアピールできるところを。
K:日がたつにつれ、声がひびいてよくなってきた。のどをしめないこと。
Y:気持ちを前へ前へ。下がらないこと。人のよさを出すな。
H:自己満足にならないよう、消化して表へ出すこと。
M:やはり、自己と薄い型。冷静さとのバランスをとること。
N:気力の前向きさはよい。まだ、的を射ていない部分(発音)が多いのでいろんなものを吸収して勉強すること。
K:歌い方(フレーズ)が幼児型。もう少し、頭を使おう。
S:少しアホなところがあるが、よい方向にその「アホさ」を出そう。
T:もっとよく考えれば、いろいろ自分におとせるはず。勉強の仕方を学べ。
A:少しクセのある歌い方。ニュートラル
N:張るところの声がよい。集中力もある。あとは、楽に出せる技術を学ぶ。
I:一つひとつの動作がシャープでよい。声もよい。あとは、のどにかからないこと。
調子が悪そうだった。自分のやりたいことも、他人に納得してもらうこと。
Y:彼女なりにはがんばっていたのだろうが、どうにかしたいのなら、もっと前へ。
Y:できはともかく、彼女なりにがんばっていたのかなと。
H:クセのある歌い方がとても聞き苦しい。
Y:「音楽」の常識を、もっとたくさんの曲を聞いて体・耳に入れよう。そうすれば、変なところでブレスできないはず。
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〇福島の合宿発言メモ
(1)統括
1.どう評価し、どう学ぶか
2.ステージ魅力的で楽しくある場
自らをおとしめ、情けなさをみせるところでない。だから大変。
3.フォアザチームと責任リーダー=判断
4.合わせるのでなく、正しいことをする
5.脚本成功、プロセス成功、本番
失敗、結果
6.舞台>表現>音声と、逆になった
(2)班とリーダー
B1.班長の権限全体=自分
2.班に問題あればスタッフへ話す
1.全体をしきる「人をよびにいく」やらせるべき
2.適任者をたてる、自分の力を知る「人に説明する」
3.自分の責任「言い訳する」人のせいにする
4.やったことに満足するのでなく、何がなされたかを問う
5.自浄作用なし、カット(編集)と創造
6.いえばよいと思っている
7.状況把握力のなさ一時間のコスト感覚、優先順、プロセスない
8.全体把握能力のなさは、自分自身について把握するのと同じ
9.作品より打ち合わせ本位ではいけない
10.練られていない
11.動きが鈍い
12.バカに合わせるな
13.根本、本質<疑いの修正
14.打ち上げで喜んでいる
C班に何人か入れたのは、力がないのに、そう思っているから一
15.作品として通用するかっこよい/うらやましい/やってみたいと思わせること
16.自分のレベルを知ること1.発音レベル2.作品レベル
(3)学び方について
1.高まるための合宿か、ただの自己主張の場なのか
2.能力のない人のでしゃばりと許容、甘えあい、もたれあい
3.少しは、作品やそれを出せる相手を敬意せよ
野放し自由個性放任主体性通用しない
4.人とその力を適格に判断できない。
Cへのアドバイス 間違うのはよい。正さないことで致命傷となる。
Bは、聞いていないし考えていない。いわれたままやる。)
5.しつけと基礎学力
6.プロとは何か、意識、行動でできないのに一
7.あやまるのは簡単、理を通す力必要、ぶつかり、許容し、正しいもの、すぐれたものを通す。
(4)印象について
1.ごっこに情熱、達成した気になっているガキ
2.ムダバカ情熱、汗かくことに意味
3.秩序と義務を忘れる
5.使えるものはとり入れ、あとは捨てること
6.いわれたままにやり、混乱するのは、
7.一つの意見、情報で動く、比較できない(入ったばかりで学んでいるのはよい。学んだのにできないのが問題。)
(5)研究生について
1.研究所―正されるところ
自ら正し、正された人のみ、やっていける
2.よき観客でいることの必要
じっくりみて、自分で考え行動する。
3.アメリカのカサのなかで
自立心―乏しいミュージシャンも
豊かなところでのドレイと自らなる
1.A、B、負けてはしゃぐ日本の選手と応援団、精神程度
誠実さ、真剣さ、殺気、精神ない、
覚悟、命
ボルテージ
2.自分のために、が、フォーザチームになるとき
アドバイザーも同じ
それがないから間違う
3.真のヒーローになること
4.私的でなく、公的に思いをはらす(作品)、自分のうさ晴らし―モティベート、屈辱、怨念
個の確立―公共性をもつ(公に問うこと)
ムリに表現者になろうとする(自分のため、個人の自由として)
プライベートを公にさらす見苦しさ
身内意識で支えられているのは、プロの集団でない。
わかりやすくやさしくでなく、本気で語ること。
できるまでわからない。確かな方向にそって仕上げていく実感。
○内部の敵と戦う
考えず、人のいわれるままにしかできない。幼稚な意見をいうことに存在意味をみつけ、自信にしている。まわりを不愉快にし、傷つけている人、権威は、ただの年齢、キャリアより、何ができるか。そんなものが働いている情けなさ。相手の意思のレベルを適確に捉え、生かす。
1.最高のものに接したあと、VTRみてごらん、それで泣けない。つまり失敗だ。
2.守るべきもののために戦う、準備する。
(戦うよりも、戦わないための戦いが大変なこともある)
火災で死ぬ消防官。
3.孤独をさける日本人、克服、格闘すること。
4.普通のことを抑えず、何が表現できる
あたりまえのこと=基礎の足らなさを痛感する
私のいい加減、本能と、公の場での責任 考えと覚悟は、物語(=芸術=芸)を必要とする。
そして、それはすべて限定(型)のなかで行なわれる。
公に発信、表現することで、前へ出てしまうから責任が生じる。
プライベートは、予防線の逃げ、言い訳、何もできない。
考えたことを実行しないから、「シミュレーション」体験ができない。一度目(はじめて)の体験であるというのは、本当はおかしい。このときのために磨いている。
〇応用できないのは、基本がない。
1.自分から何かしよう。すべてにおいて頭に入っているから動ける。
2.宅急便、単純作業への対処、考えるまえに正しく動けているか。
0.3秒のこと、5秒かかる人が多すぎる。
○必死だよ、簡単に超えられたらいけない。(プレBVメンバーも、おごりが出たときおちる。)
社会でなく、個人で努力する。
ストイック、やせガマン―心の豊かさにも必要
感性論
スピリチュアル
個人性と人間的魅力
創出力 表現力
本質把握力
情報先取力
感覚力
予知力
共感力
しぜん生命力=パワー(勢い)
(6)再び課題について
1.Take this wayリズム、体の切れで刻む
2.At the house音を体で息で心であわす
3.セレーナ、アディオ、ニンナ・ナンナ
音声とことば→メロディ
4.2フレーズ回し(他にできないもの)
(約束)での涙、胸を打つ
5.すごい男の歌一即興 詞(センス)
他にできない何か
自分の武器は何か
○問題点
1.とり込めない
2.とり出せない
3.握り続けない(3日間)
4.切り返せない
5.執拗なこだわり
6.完璧主義楽しさの質
7.観客への提示より、自分たちの祭りとする
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○(参考)福島合宿前の特別レッスン
今日は、合宿のための特別レッスンということです。今回の合宿はトレーナーが行きますが、去年は声楽のトレーナーと行ったので合唱をしました。
昔、ミュージカルの「ONE」とかをやったことがあります。それは踊りもつけ、ちょっとした衣装なども考えて、衣装といっても白いTシャツをみんなで揃えるというくらいですが、それで発表の場までやりましたが、とてもおもしろいバラエティになりました。テレビで放映しても笑いが取れるくらいのものにはなったのですが、そのときに感じたのは、英語の曲を課題に使うとこれほど時間がかかるのかということです。また、踊りと振り付けをつけると、ダンスとかをプロでやっている人はあまりにもつまらなかったようですけれど、班によっては、全体の4/5くらい省いてみてもあわないうまくいかないということがありました。歌い手はいろんなもので勝負しますから、いろんなものができたほうがいいと思いますが、やるのは本当に大変です。
今回の合宿に関して、当初考えていたのは、ここに通信講座というのがありまして、ここ3年くらいストップしていたのですが、その24回分のテキストをポプコンのときみたいにセレクトして使ってみようということです。1曲について、ていねいに読み込み方の解説をしています。また今年から新しく始めたのですが、そのときのがもったいないので、それを1本通そうと思います。
もう一つは、音の世界のなかのことで、合宿というのはここにいてもできないことをやりに行くのですから、もっと深いもの、もっとルーツに入っているようなもの、探究してみたらなかなかつかめないものを、向こうに行くことでつかもうということです。昔から合宿の前に前夜祭みたいなことをやっていまして、そのときに、山城組とか、普通レッスンのなかでは絶対に使わないようなものを練習してみるのです。
今ここにいるのは参加者の半分もいませんから、先に課題をやってしまってもつまらないわけです。ですから周辺のことを少しやっていこうと思っています。通信からは、ことば、解釈、構成みたいなことをやっていく、それから声明、さらに1960年代の日本のいろんな歌を掘り起こしてみたい。
もう一つは、ここに長くいる人はかなりそういう曲をやったと思いますが、音のなかにことばを読みこんでいく、いわゆるメロディ処理を、若干フレーズに近づけたところの部分でやってみます。
いつも合宿で歌になることというのは4フレーズから8フレーズくらいです。自分の一番出せる曲のそこだけをやるとか、あるいはことばで表現するということだけには、かなり高いレベルでの表現度があるのですが、歌1曲にしてしまうと、全部そういうものが飛んでしまうのです。その間のものくらいに設定しておこうと思っています。
今回はロックを使います。そのねらいも若干そういうところがあります。この速さに班によってはついていけないでしょう。ほとんどはテンポを落として仕上げることになると思います。ますこういうものを聞いたときに速いなと思う我々の感覚、そこから間違っているわけです。今は随分速い曲がありますが、そこに声がきちんと伴っていくように、そういう練習を入れようと思っています。
ですから、その何本かの柱のなかでどうやろうかというところです。
とりあえず、特別レッスンが終わったのでその結果を聞いてみました。みんなの出来具合の報告を受けると、思ったよりも時間がかかるだろうということです。特に英語の場合は、歌詞を覚えていない人がいるとかなり問題になります。たぶん班ごとのレベルに合わせてやっていくと思います。ある班はかなり高度なところまでできるでしょうし、ある班は1/3くらいにカットするでしょう。とにかく、3日間で1つの作品に仕上げなくてはいけません。
初めて合宿に行く人は、3日もあると思っているかも知れませんが、正味1日です。3日目はお昼前に発表をやって終わりですから、3日間というよりかは2日です。初日の昼に着いて、9時過ぎると音を出せませんし、食事とか入浴とかもあります。そういうものも除くと、本当に1日なのです。
最近はせっかく軽井沢に着たのに、駅から直行直帰だと、なにも価値が得られなかった人のために、なにか皆さんの思い出になるようにと山を散歩したり、花火をやったりもしています。ですから課題的には、あまり心配はしていないです。ただいつもと同じで、そこまでに自分なりに準備してもらうことが大切で、それから向こうで楽しんで、その結果をきちんと持ち帰ってください。
我々トレーナーも、皆で3日間、顔を合わせて過ごすということは、このときしかありません。いろんなことを情報交換しながら進めていきたいと思っています。
スケジュールをきちんと出したいのですが、向こうに行ってから時間やスタジオを指定されるので、今の段階では細かく決めることはできないのです。他の団体とは一緒でないときは、とても広く使えます。
プリントを配りますが、たぶん向こうでは使わないと思います。今日の実習として配ります。
・セレーナ ・雪村いづみ「約束」 ・声明
2曲は、それをそのままやるというよりは、そういう感覚のなかの音の動かし方をやってみます。
「セレーナ イオエロ セレーナ」
特別というのは、いろんな人の声が聞けます。クラスによってはこのくらいかと思う人もいれば、高いレベルだなと感じる人もいると思います。いろいろと参考にしてみてください。体とかのどとかが邪魔するのはよくありません。ただ、急に変えろというのはそうはうまくいきませんね。
「さよなら アディオ・アディオ」
彼にとってはことばでしょうけれど、我々が聞くと歌い上げているように聞こえるから、そうなります。
「ほほえみは消えてしまった」
これを聞いてこういうふうにやってしまうと、だらだらとなってしまうのでもっと詰めてください。好きなように放り込んでよいのです。しかし、だらだらとならないようにしてください。
合宿では、一つの刺激、感覚、今までに聞いたことがないことばを使ったり、速い音楽を使ったり、変わったメロディのものを使っています。同じことをやってトレーニングしているとあたりまえですが、刺激されずに気づかないでしょう。あなた方のなかでもみていけば、相当わかるはずです。
今回はリズムとかことばとかことばの解釈とかで鈍さの追放を目的にしたいのです。鈍いということは、まわりはみんなわかっているわけです。でも当人がわからないままやると、もっと鈍い方向に変化させようと必死にしてしまうのです。それは自分を突き放してみるしかないわけで、それをこういうふうにしなさいとはなかなかいえないのです。
なぜかというと、スポーツと違ってその人のなかの感性みたいなものがものをいい出すので、結果としていきついたところでしか判断できないというところがあるのです。
すぐにわかってしまうものほどつまらないものはないです。でも、明らかに違っている場合はあって、それも注意しにくいわけです。その人が自分の世界を作っていくのに、こちら側が方向指示を出すようなことはできません。でも、伝わる、伝わらないというのは、その人のなかに宿って、それがでてくるのを待つしかない。それは抽象的なことではなくて、たとえばこの瞬間に具体的に何が出るかなのです。
今までどれだけ勉強したとか、どれだけの体づくりをしたとかいうのは関係なく、この「ほほえみは消「えてしまった」というのを音でいうと「ミレドレミですが、自分で「ほ」と入ったときに「ター」と自分のなかのことばがかなでられなければ取り出すことはできないわけです。その人の世界というのはその人の体と感覚に基づくものですから、癖があっても、しっかりと伝わってくるとか、ことばとしてそれが生きているなというものは、その人間がきちんと取り出しているものでしょう。このなかでいうと1/4くらいですが、なにかその人らしいなというものはあって、さきにいったらもうだめだろうけど、ここのフレーズくらいはなんとかもったという感じでも大切なのです。
歌い上げているのがだめなのは、自分でそれをみていないからわからないからです。自分をきちんと入れないところで歌うのだったら、誰でもできるし、どんなパターンもできます。だから曲を変えてみてもいいし、何を変えてもよいのですが、その前に、きちんと同じ型のなかで深い感覚を感知しなくてはなりません。そうではなくて音を変えるくらいなら何とでもなるわけです。変えようと変えまい、どちらでもよいのですが、それは変えたことよって、同じ曲、同じフレーズのなかでどれだけ感じられて、その感じられたことを出せるかどうかということです。
だから舞台でも何でも、このことを歌おうと思って歌う人はいないわけで、「ほほえみは消えてしまった」と自分が語りだすのを待ってから、入っていくわけです。それに音があります。それを「ミレドレミ」、「ファミレミファ」と音でとらないことです。それでは何にもなりません。最初の「タタタタタ」に対して、次に「タタタタタタタ」と、ここでもう少しテンションが高くなって何かいいたいんだと、音の流れはそういう気持ちの動きなわけです。
「歩き続けるどこまでも」
「どこまでも」と歌うのでなく、そこに何を感じ、それを音楽とことばとリズムを全部生かしながら、ひとつにまとめて気持ちを出すというのではないですが、気持ちでそれをきちんと歌えるかということです。
いろんなグレードの人とか、いろんな上達段階の人が来ていて、得意、不得意というのがあるでしょう。私が一番気にしているのは、リズムとしてもハードな曲を扱いますから、そのときに同じようにリズムに当てるだけとか、スピードについていくだけになってしまうと、練習になりません。それならリズム体操をやったり、踊っていた方がよほどよいわけです。
実際に大切なことというのは、そこでどう時間と空間を感じるかということでしょう。1年以内の人はわかりにくいかもしないのですが、たとえば、ことばを相手に伝えるときに、私はこのことばを「ぼくはこのことばを」という認識をしないわけです。イヴァザニッキの「つめたい」というところでの例を、何度も出していますが、同じことです。
「あるきつづける」というそのことをいってそれをひとつにつかまえる。そのひとつにつかんだことをそこで固めなければ、そのことばは飛んでいくわけです。だから歌でも歌えているというのは、「あるき」と出したときに、次に何をつけてももつのです。それを「あ・る・き」とやってしまってはもたないわけです。
私にとってみたら紙一重なのですが、それを集中させてやる場合と、いいかげんにやっている場合は、集中力の差です。いつも悪い見本を見せるときは調子や状態は同じですが、そのことを自分できちんと握って伝えるという意識がある場合と、そうでない場合とでは、結果としてまったく違うということです。
10年経ってどんなに練習をやって、よい声になっても、こんな歌では絶対通用しないです。もしこういうふうにだしたとしたらもうやっていけません。でもそれを最大目標においている人には申し訳ないですが、それでは声が出ているだけです。
単純なことでいうと、小さいころに歌ったり、自分の得意な曲をここにきたりせずにふりをつけてかっこよく歌ってみたりして、それで伝えたというときは、自分では気づかないのですが、アマチュアのホームランみたいなもので、できていることが意識することで動かなくなるのです。だからそういうことに気づきながら勉強していかなければいけません。
「歩き続ける」に対しての「どこまでも」の置き方一つひとつが、大きな展開になってくるわけです。そういうものは楽譜でみても、わかりません。確かにヒントは、どこをのばすとか、どこがスラーでどこにタイがついているとか、そういうものはわかりますが、それは自分のなかで聞いて、感じていくのです。「歩き続ける」の次に「さよなら」にいくということはどういうことなのかということです。そういうことは説明しなくても、感じてやっていくわけです。
それは鋭いというよりも、音楽が若干わかっていて、そのことに対応できるということです。ほとんどの人というのは、そこまでのことができるまでに、とても多くの時間と勉強を必要とします。だから速くなったら速さだけに合わせたり、音が飛んだらその音の飛びかただけに合わせるのでなく、その前にひとつにきちんと提えなくてはいけません。
ことばで「あるきつづける」というにしても、「歩き続ける」ということを飛ばさなくてはいけないのです。「あ・る・き・つづける」というのを飛ばすわけではありません。音楽でも同じで、「歩き続ける、どこまでも、さよなら」というのを飛ばすわけで、その一つひとつの音を飛ばすわけでもなければ、そこで発声をみせるわけでもないのです。だからその辺は見極められないということではなく、客観的に聞く努力をすれば、わかるのです。
だるいときにパッと聞きたくなるものと、何かだるいことをやっているようにと感じてしまうものがあると思います。最初の声を聞いただけでこういくと読めてしまったら、全部のフレーズが読めてしまうわけです。そこに何も入れこめられなかったらしかたありません。発声練習したがために声のところに逃げていってしまっては本末転倒です。