一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

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イベント  1039

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<福島英レクチャーアンケート>

<イベント報告>「福島特別」「日本デザイン会議」 

プレBV座Vol.16.17.18[エントリー曲コメント]

 

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<福島英レクチャーアンケート>

 

福島さんの声を聞いているうちに、自分の息も束の間だけだが深くなったように感じた。そういう声が身のまわりにあること、それが研究所の大きな意義なんだろうと思った。

著書を読んで、それを書く福島さんの実際の声を聞きたくて参加した。

スタジオに入ってきて声を出されたのを聞いてビックリした。うわっ、この声だと思った。そして、とてもシンプルだと思った。本物ということはとてもシンプルなことなんだと思った。

 

充分、話を聞いて楽しかった。ショックだったけどヤル気が出た。私は、いろんなジャンルが好きなので、今日聞いた曲はすべてよかったです。福島先生は、日本意識じゃないので、それがうれしかった。日本の音楽がだめにならないように、誰かがやらなきゃ、ここに通っても答えはmyselfだと解っていたけど、心底そう思った。

 

自分へのインプットが足りないので、それを積極的にやりたいと思います。理論を知りたかったのですが、理詰めではいけないということがよくわかりました。

 

他人に甘えるな、欲しいものは自分で手に入れろ、自分で創り上げろと、ひたすらいわれたような気がする。何ももっていない人は、自分でいい素材の材料(一流のもの)を探して、自分で何かを創ってみろと強く語りかけられたような気がする。オペラを学習するうえで一番、問題に感じているのが、いかにその曲を自分のものにするかということだ。うまい人は、たくさんいる。じゃあ自分は何を表現する。 今年に入ってから常に悩んでいることだ。このリズムに、音に何の意味があるのか、読めないなりに楽譜とにらめっこして考えている。いつも、ハッキリとした理解がつかめないまま、歌のテストがやってきて、またすぐ次の曲に入る。なんで理解できないのかというと、結局、自分の音楽性が低いことと、人生経験が足りないのだということに気づいた。今回、書いた「本人のプロフィール」で好きな曲や音楽観、まだ自分は何も知らないんだなということを、ひどく痛感させられた。自分のなかにポリシーが確立していないなと実感した。音楽を鑑賞したり楽しむ(自分のなかで)分にはいいけど、勉強する分には決して受動的にはなってはいけないと思った。能動的に学ばなければ、何もつかめないと思った。自分から動き出さなければ、どうしようもないと感じた。何か一つでも多く学ぼうとする精神が、何よりも大切だと思った。今の私は、ただオペラをやりたいだけではなく、広く全体的に音楽自体(根本的な核)を真剣に学びたいと思っている。今すぐ音大受験に全力を出して(価値もわからないまま)、そのあとに何が自分のなかに残っていくかと考えると、すごく不安だ。もっといろんな曲を聞きたい、突き詰めたいという思いが強い。必要なものだから勉強もするけれど、ただやるだけではなくて、同時に深く考えながら学んでいきたいと思う。今回、参加してみて、ここで学びたいと思ったことは“基準”と“表現とは何か”ということである。ここでいろいろな曲を聞いて考えていくことは、自分にとってすごくプラスになると思う。

 

声のことについて、研究所のポリシーについて、得るモノ<自分でつくっていくモノ>があると思った。

 

「なるほど」の連続だった。一応8割ぐらいは理解できた。J-POPのB'zやglobeで私は泣ける。それはそれ、ここはここって感じがした。きっと、ここだけに日本とかけ離れた感覚と環境があると思った。綾戸智絵で前は泣けたのに、その前にジョルジア、サイモン&ガーファンクルを聞いたら泣けなくなった。

 

先生の著書に感動して本日、レクチャーにきたのですが、直接お話を聞いて、再認識したところがあり、発見したことありでとても貴重な時間を過ごした気持ちでいます。ただまだわからないところがたくさんあるので、先生の著書をもっと読むことを、自分が思春期から抑えていた感情の表現-声での表現を私生活のときから意識して見直して過ごして、もう少し自分を見直したいと思います。 

 

今日はレクチャーに来て本当によかったです。表現する幅を広げるためのヴォイストレーニングという意識はあったつもりでしたが、やはり今の私は何かを表現することよりも声の出し方やそういったことにこだわりすぎているようです。それが、よくわかりました。あと、今日はさまざまなジャンルの曲を聞かせていただいたのですが、普段あまり聞かない曲、シンガーでしたが、ただ漠然と聞くだけでなく、勉強する上でのポイントで、こういうところをこういうふうに意識して聞けばいいのかなということが勉強になりました。

 

シャンソンカンツォーネが教材に使われていて、わかりやすかった。私が15年前にレッスンに通った頃、聞かされたものも多かった。もう一度、このへんをていねいに聞いてみよう。インパクトがあり、かつ聞き続けたい声、そして後日、また聞きに出かけたい声は、日々、気づき、感じ、めざしていくしかないのでしょうね。もっと聞く時間を増やしたいと思っています。好きなことを続けて来てよかったと思う。これからも、飽きずに生きていけるでしょうから。とてもよいレクチャーでした。コマーシャルでなくて。目先のおいしさばかりチャラチャラ見せて中身がカラッポな団体(たとえばVOJA)が多いなか、HOW TOものでなかったのもよかったです。

 

先生のはすごくひびいていて、小さな声でもみんなに聞こえて感動しました。お話のあいだ中、ずっと先生の息の音が聞こえていました。話の内容は難しかったけれども、相当な覚悟をしてヴォイストレーニングをしなければいけないことがわかりました。はじめは、すごく先生はこわい人というイメージがあったのですが、一人ひとりの質問にていねいに答えてくださって安心しました。ありがとうございました。

 

理論的なものと実例の提示があり、とても納得しやすかった。本をずっと読んでいるよりも、今回のレクチャーを聞いたことで、より目標がはっきりしたような気がします。「音声で表現する」ということばに、とても感銘を受けました。

 

真のロックミュージシャンになるために、さまざまな要素が必要だと思う。ここでは、その一要素である“声”というものに対して、深く追求している。音楽や“ロック”に対する考え方は、今までも、これからも、自分自身で見つけ出していくつもりですが、“声”というものに関しては、ここは共感できる考え方をもっているように思えたので、ここでいう“基準”というものにそって、私の“声”が評価されるようになれば、それは自分にとってプラスになると感じました。

音楽、特に“声”というものを考えるうえで、いかに多様な切り口があるかに気づかせてもらえて、単純に楽しかったし、歌というもののやりがいを改めて感じた。音楽というものは、その“音声”という部分だけをとっても、生涯かけて取り組むのにも、充分にあまりあるほどの深さをもっていると思う。

 

声をつくっていくというのは、本当に根気の必要なものだと思いました。それには、どのようになりたいか、強い目標や意志がないと、本物の声はつくれないと感じました。今日は、いろいろなヴォーカルを聞かせていただきましたが、どれも自分には新しくみえました。自分は、そのなかで2~3人しか知っているアーティストがいなかったので、これからは、もっといろいろなヴォーカル曲を聞いてみようと思います。 

 

ヴォーカリストというもののすごさが、痛いほど伝わってきました。自分が今までしてきたものを考えると、ちょっとショックですが、今までにないほどのやる気がでてきました。先生が話してくださることには、本当にどれも納得することが多かったです。自分自身をもっと強くもつことがすごく大切なことだということがわかりました。もっと自分自身によいところが出るようなトレーニングをしていきたいなあと思いました。アーティストという自覚をしっかりもちたいと思いました。

 

基本的な理念や方向性に、改めて共感しました。最終的に声をつくるのは自分であるし、自分にしかできないということを改めて感じました。そして、ここは、個々のオリジナリティをベースアップする、とても厳しくも有益なところだと思いました。あと、グループレッスンによる勉強も、とても大切なことであると感じました。

 

「声よりも息」という考え方にとても感銘を受けました。先生の声はもちろん、聞かせてくださった曲(声)に感動しました。これからもっと声について、音楽について考えたいと思います。ぜひ、ここで学びたいと思います。日頃からいろいろな声や音に耳を傾けたいです。強い覚悟をもってやっていこうと思います。

 

天国から地獄に落ちた気分だ。自分の認識の甘さを実感した。 

 

 

 

 

 

 

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<イベント報告>

 

「福島特別」

音楽と出会う 音楽性に関するポピュラーの真髄に迫る。どうしてこのように音楽は美しいのであろうか。

ことばと音のメロディの最高の形をカンツォーネを使い、体得(経験)します。

 

「日本デザイン会議」 福島英 発表参考曲

No.1(12分間)

1.マヘリア・ジャクスン「サイレント・ナイト」

2.クラウディオ・ビルラ「愛の別れ」

3.尾崎紀世彦「さよならをもう一度」

4.村上進「カルーソー」

5.サリフ・ケイタ

6.ルイ・アームストロング「聖者の行進」

7. ナット・キング・コールモナ・リザ

8.アンディ・ウィリアムスムーン・リバー

9.ビング・クロスビーホワイト・クリスマス

10.マレーネ・ディートリッヒリリー・マルレーン

11.美空ひばり「スターダスト」

12.森進一「おふくろさん」

13.サラ・ヴォーン「枯葉」

14.ケチャ

15.ヨーデル

16.ブルガリアンヴォイス(純正律

17.グレゴリオ聖歌アレルヤ~主をほめたたえ」

18.声明

 

No.2

1.仲代達也

2.田中角栄

3.並木路子「リンゴの歌」

4.ルチアーノ・パバロッティ「星は光りぬ」

5.ミレッラ・フレーニ「歌に生き、恋に生き」

6.J・F・ケネディ 大統領就任演説

 

マリア・カラス

○アマリア・ロドリゲス

エディット・ピアフ

雪村いづみ「約束」

 

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プレBV座Vol.16.17.18[エントリー曲コメント]

 

 

プレBV座Vol.16 

普段、ライブではゴスペル中心に歌っています。今回、歌う曲は、いずれも大好きな曲ばかりですが、CDを聞いて声にひきこめられてしまったシンガーばかりです。ですから、彼らについてあまり知らないものも事実なのです。でも、売れていようと売れていまいと、一枚しかCDが出ていなくても、よいものはよい。今日、聞いてくれる人たちが、次回私が歌う機会に、ぜひ行きたい、また聞きたいと思えるよう、気合いを入れて歌います。よろしくね。

①「Magic Man」(Walter Jackson)60年代~70年代に活躍したW・Jacksonのヴァージョン。松葉杖をついて歌っていたというシンガー。こんなに私をとりこにしたのは、やっぱり声のすばらしさだった。②「Somewhere」(Wintley Phipps)95年に発表されたW・Phippsのアルバムのなかの1曲。ただ中古CDを適当に買ったらGOODな1枚だったということで、彼の情報は何もない。ただ、彼のAmazing Graceもハンパじゃなかった。③「To be loved」(Jackie Wilson)昨年のBV座でもアカペラで歌った曲。J・Wilsonヴァージョンとは違い、アカペラグループ、パーズエイジョンズの方で。④「Amazing Grace」いつもいつも歌う曲。とにかく自分なりの歌にしないと、誰もが歌っているので、インパクトがなくなってしまう。やっぱり、いい曲はいい。⑤「Stand」(Donnie Mcclurkin)ゴスペル歌手だが、曲によってはTake6のMark KibbleのプロデュースでR&Bっぽくも歌っている。原曲を聞いてブッ飛んだCDのうちの一つ。⑥「Hero」(Gladys Knight)Gladys Knightって最初、聞いたとき、男の人の声かと思った。ダイアナ・ロスほど人気が出なかった若い頃、それは顔のせいだと皆にいわれたそうな。でも私は、グラディスの方がずっといい。⑦「Pledging my love」(フランク・デル)太くて渋い声の黒人のおじさん。ホイットニーのオールウェイズ・ラブ・ユーや、今回私が歌うHeroもカバーしている。

 

暑い中、出かけるにはエネルギーがいるのに、今日も来てくださってありがとうございます。一人ひとりの方がいろんな理由で来ていて、理由の他にも抱えている問題や悩み、この夏いいことがあった人も、傷ついたりつらい毎日を過ごしている人もいるのでしょう。どんなライブでも、その場限りの空気があります。「楽しんでください―。」ありふれた、簡単なことばです。でも歌い手には、それがすべてです。どんなときでも。ありがとう、楽しんでください。

①「It's too late」(キャロル・キング)どういうところで曲を感じるかというと、いつも自分の知っている空気、湿度、匂いと、それに伴う些細な風景だと思いました。音が必ずそこに流れているだけです。②「花紀行」(荒井由実)桜の花が好きで、今年は京都と鎌倉でじっくり見ました。市ヶ谷のお堀のは電車から毎日、見ました。そういうとき、感じることがたくさんわいてきて、話したいことと重なってくる。景色を伝えることは、それを伝えることです。③「Hony Suckle Rose」(アニタ・オデイ)タイトルは、砂糖のお菓子のこと。ミツバチがやきもち焼くほど、あなたは甘くて素敵、といっています。コロコロ変わるリズムが、うれしくてゾクゾクする、といっているみたいです。④「9月には帰らない」(松任谷由実)静かな決意の美しい曲。元の曲には本当に入っている潮騒の音を伝えたい、ただ海を見せてあげたいと思います。そんなことができるかはわからないけど、他にできることは何ひとつない。⑤「Like A Tattoo」(シャーデー)元兵士の記憶と現在を彼の恋人が語っている曲。射殺した人が息絶えていく描写、恥をさらして生きている今も、入れ墨のようにそのことを背負っている、という内容です。⑥「なぜか上海」(井上陽水)遊びみたいなことばで、私がどうにでも入っていけるようにできている曲だと思います。何も考えずに投げつけることができるような。⑦「雨に消えたジョガー」(松任谷由実)ジョガーとはジョギングする人のことです。大切な人が死にゆくのを、ただ見ているしかないという話になっています。そのような胸に迫るものが、音として届けられるのかという挑戦になります。⑧「Blame It On My Youth」(ホリー・コール)食べるものも寝るのも忘れ、昼も夜もあなたを想ってしまっても、どうか私を責めないで。もし私が真実を知って、ちょっと泣いたりしても、どうか私を責めないで、ただ私の若さのせいにして。

 

今回は自分なりの世界、音楽を表現できたらと思っています。私はどちらかというと、にぎやかなもの、ビート感の強いもの、破壊的なものは好きではなくて、落ち着いた中にも、精神的な何かが残るものが好きです。前回は、ちょっとしゃべり過ぎてしまって、肝心の歌の方がだいぶ不満足なできでした。今回は、私の歌の世界をもっと伝えられるようになりたいです。今、興味をもって聞き始めているのがヒーリングミュージック、ニューエイジミュージックなど。音楽も奥が深いけれど、それらのジャケットにも大変ひかれます。やはり、男性には男性の、女性には女性の表現方法があるはずで、女性は内面に向かって深く入り込んでいく方があっているのかな、とも思います。男性と女性のエネルギーの違いは、合宿で実感しました。それでは、また。

①「私は1人片隅で」4年ほど前にライブ実習で歌った曲。当時と比べ、どのくらい自分を活かして歌えるか、挑戦してみます。シャンソンですが、日本語詞がうまくていねいについています。②「たそがれマイ・ラブ」(大橋純子)大橋さんのヒット曲のボサノバ風アレンジバージョンです。だいぶ雰囲気が違いますが、メロディの美しさがオリジナルより生きています。恋の終わりの悲壮感が軽く漂えばと思います。③「希望は悪戯(いたずら)」(グラシェラ・スサーナ)宇崎竜童作曲、阿木耀子作詞のコンビによる曲。元々、アーコスティックギターの伴奏なので、ピアノはちょっと難しいかと思いましたが、お願いしてみました。まるで私と歌との関係のような詞です。④「心のままに」(グラシェラ・スサーナ)一聴して、ちょっとかたい歌詞のような気もしますが、好きな人と二人で心穏やかな満ち足りた時を過ごしている、そのようなイメージで聞くと、素直なしぜんな気持ちになりました。風や小川のせせらぎが聞こえてきます。⑤「Lovin' you」(ミニー・リパートン)とても有名な曲ですが、初めて聞いたのは8年程前。一度歌ってみたいと思っていました。難しいけれど、今回は作詞に挑戦し、自分なりの世界を表現できればと思います。高音部分もがんばってみます。

 

 

プレBV座Vol.17  

こんばんは。今日は来てくれてどうもありがとう。音楽の力で、何らかの世界を生み出すことができ、もし皆さんにそれを感じてもらえたら、出演者の一人として幸せです。さて、今年の私はなぜかやたらと郷愁が強く、自分の音楽史を振り返るようなものや、題材的に自分に近いものをとりあげて歌ってきました。自分がどこからやってきて今どの座標にいるのかを確認したかったのです。それはガイドライン関連法や国旗国歌法、盗聴法成立などの、いかにも全体主義的な社会状況に対しての危機感が一つにはあります。私的な事情も含めて、私は個人であることへのとても強い欲求があるので、それを音楽で確認したい。それを伝えたい。音楽は個人になることができないと楽しめません。よくいわれるライブの一体感は、そのような一人ひとりの気が集まったもののように思います。あなたも、私も、今日はそのうちの一人になれるでしょうか。

①「ANOTHER STAR」(STEVIE WONDER)ラテンが歌いたくてこの曲。スティーヴィーだから完全にラテンというわけではないけれど、最近はラテン流行りなので、それに乗ってみました。曲に埋没しないよう、歌を前に出すことを忘れずに歌いたい。②「THE MISEDUCATION」(LAURYN HILL)たった一人の出現が世界を一変させるということを体験できたCDから選んだ。すごく個人的なことを歌っているのだろう。しかもそれが、とてもナチュラルで、この2点が新時代的。同時代を生きられることに感謝したい。③「二人のバースデー」(佐野元春)軽いノリ、こういうトーンの曲がライブの構成的に欲しかったのと、日本語を歌いやすくするという自分自身の課題のために、私にとって歌いやすそうな構造をもつものを選曲した。もちろん元春も大好きだから。④「PUPPLE RAIN」(PRINCE)世界を一変させたといえばこの人。伝統的音楽をシンプルに再構築しているところがたまらない。シンプルさは、歌を歌う上では常にいいきかせておくべきこと。ああ一つ歌が聞こえてきた、そんな感覚をめざしたい。⑤「青葉城恋歌」(さとう宗幸)日本人だから日本語で歌おうと思わないでもないが、日本語といったって標準語じゃないか。だからといって方言で歌えばよいという問題でもなくて、日本人や日本語を一つのものと短絡的に考えたくないだけ。⑥「SENTIMENTAL JOURNY」(DRIS DAY)温故知新。何かこの、やけに型にはまっているのが愛しい曲。やたらとインプロヴァイズしないで、曲のよさを生かした歌い方をしたいと思う。音色や、よく聞かないとわからないようなゆらぎを表現したい。

 

アメリカの50's、60'sのポップスには独特の雰囲気がある。その時代生まれていない私にとっても、どこか“懐かしい”のだ。おそらく、映画やテレビといったものに頻繁に使用されて耳馴染みになったと同時に、アメリカの広大な大地とそこに住む陽気でおおらかな人々といったイメージと結びついて、一つのアメリカ幻想みたいなものを勝手に創り上げているんだと思う。今回は取り上げなかったが、同名映画もある「スタンド・バイ・ミー」といった曲は、そういった幻想を象徴する曲である。ご来場の皆さんと、その幻想を共有できたら、幸いである。

①「Be My Baby」(THE RONETTES)自分にとって、これぞオールディーズと呼べる代表的な曲。理屈抜きに胸が躍る曲。ダサさの裏側にある純粋な情感を表現できたらよいと思う。②「Moon River」(LOUIS ARMSTRONG)ムードを感じてもらえれば、それでよい。それぞれの心のなかの、甘く切なく懐かしい川を感じて欲しい。③「Footsteps」(STEVE LAWRENCE)基本的には「Be My Baby」と同じコンセプトだが、輪をかけてダサイ曲。今回あえてやさしい曲を多く選び、その分きっちりやってやろうという試み。ダサさといい、サイズといい、しっかり自分のものにできるハズ。④「Unchained Melody」(RIGHTEOUS BROTHERS)前々からどうしてもやりたかった曲。でも照れくさくて……。自分の熱い想いを乗せるにはうってつけの曲。あとは聞いている人にどこまで伝えられるかだ。⑤「The Impossible Dream」(ANDY WILLIAMS)スケールの大きさといい、歌詞の内容といい、これぞ男のロマンといった感じの曲。オレがやらねば誰がやる。⑥「Overjoyed」(STEVIE WONDER)9月のライブ実習でもやるので、という理由だけのチョイス。一連のオールディーズと比べてみると、明らかに新しい。スピード感が違う。自分の弱点を突きつけられたような気がする。

 

目下、興味の集中している身体訓練を可能な限り日課とし、以前よりやや控えめに声を出す。こんな毎日を日常と思っていたが、そんなものは簡単に壊れるものだということを、この夏いまさら知った。いや、こうした不測の事態が起きることこそが日常なのかもしれない。ならば、日常と非日常の区別など、たいした意味はない。細かな変化と、大きなうねりを伴った循環はどうやら同時におきているらしい。さて、何回目かのPre BV座。くり返したこと、積み重ねたことには大切な意味があり、また一方でまったく意味がない。詳細な反省と、大いなる開き直り。正直にいいます。初心に戻るなどというのは不可能です。私はもう、あのときの私ではないから。ならばどうするのか。とにもかくにも一所懸命生きようじゃありませんか。その一所懸命生きてみた私が、当日どう現われてくるか。それが音楽の魔法のお楽しみ。

①「Darwin Star」(Des'ree)この人はいわゆる“ソウルフル”な歌をすばらしく力強く歌う実力のある人が、黒人音楽という枠を離れて自由に音楽を創造するとこうなるという、一つのサンプルであると思う。このとらわれのなさが私には希望だ。②「中央線」(矢野顕子)一度どうしても歌いたかった。矢野さんのピアノがまたすばらしいので何度でも泣ける。歌っていると自分の心が掃除されていくような気さえする。こういう美しい曲を見つけ出してくるこの人の耳を、心から尊敬する。③「千曲川」(五木ひろし)この歌が流行った頃は、もちろん演歌なんてまったく興味がなかった。レッスンで出会って初めて、この歌の美しさに気がついた。ときどきとんでもないところに、こういうまるで神様に捧げられたような曲があったりするんだな。④「I Won't Last A Day Without You」(カーペンターズ)カレンの声が大好きで、歌いたい曲も山ほどあって、でも、だからこそ影響を受けすぎてしまいそうで怖い。それでも慎重に距離をはかりながら、少しずつカーペンターズの曲を歌っていこうと思っている。⑤「サンキュ」(Dream Come True)吉田美和という人の歌にとてもインパクトがあるから、歌い手とは独立した楽曲として聞くことができなくて、このグループの歌には一度も手を触れてこなかった。でもこの曲いい曲なんだなぁ。というわけで初挑戦。⑥「上を向いて歩こう」(坂本九、他)困ったときのスキヤキ頼み。歌っていると、どんなときでも音楽の力を思い出させてくれる大切な曲。歌をコントロールするのではなく、歌に身を任せる快感。この歌がでてくるということは、もしかしてピンチなのか、私は。

 

世の中が終わる終わるといわれていましたが、ちっとも終わりません。あいかわらずあんまり明るくない世の中が続いていて、しょんぼりすることが多いです。だからうれしいことがあったらなるべくたくさん喜ぶといいとおもいます。人前で唄を唄う機会が与えられたのはありがたいことなのでとてもうれしがっています。ハッスルして唄いたいです。

①「おやすみ」(原マスミ)友人の奥さんがお産で亡くなりました。お母さんはいないけど赤ちゃんは元気に育っています。この唄はいびつな子守唄です。唄なんか歌ってもなんにもなりませんけど。②「くだもの」(知久寿焼)子供の頃、巨人になって巨人仲間と土のなかを移動していく夢をよく見ました。親兄弟も友だちもなく、ただ地面の下を掘り進む夢でした。さびしい記憶を刺激する唄です。③「ふたりは遊牧民」(柳原陽一郎)ほんとの遊牧民がどんな暮らしをしているのかわからないけれど、遊牧民ということばには不思議な憧れと諦めが内包されています。それを取り出してお聞かせしたい。④「ほたるのひかり」(原マスミ)死ぬときは一番好きな人と一緒にいたい。でも、本当に一番好きな人は誰なのか、いつもわからなくなります。そして世の中は、なかなか滅びないのです。

 

 

プレBV座Vol.18 

(全体的にテーマは、世紀末ということです)①「イリュージョン」(GAO)この世のすべてのあやまちに、星は傷つき叫びはじめている。人々は、幸せを求めすぎてしまったのか。②&③「六月の詩」「空へ」(カルメン・マキ)No.2、No.3は、自分の心の葛藤である。どうにかして、鳥カゴから抜け出ようとワラをつかもうともがいている状態。あきらめきれず、しかしワラをつかむ方法もわからず、あせりだけが心のなかで空回りする。(カルメン・マキ)「空へ」で少し、ポジティブな気持ち、消化された気持ちになる。④⑤&⑥「DeathWish」「Gas」「追放」(フラット・バッカー)ここから最後までは、一連の流れをつくっているつもりだ。世紀末の核騒動、毒事件、1999年の運命……。はたして終幕はおとずれるのか。自分の混沌とした心の葛藤、世の終幕、歌詞の直接的すぎる表現、すべてがないまぜに混ざりあっておどろおどろしいものが現われるような。完全に観客を突き放したところでどこまで、また誰が私を、私の歌を受け入れるのか。観客は、何をそれぞれ感じるのか。はたして本当に感じるのか。

 

①「Love The One You're With」(Luther Vandross)典型的なボーイ・ミーツ・ガールの歌。私の一曲目なので、元気にいきたい。聞いている人が楽しく、リズムをとってくれたらうれしい。とにかく、私は、聞く人の血液のなかで対流してみたい。②「シャンプー」(山下達郎)完全な洋楽に少なめに日本語の歌詞がついている曲。日本語のことばフレーズを、外国語の感覚で“音”にしたいと思う。がまんしてもしきれない失恋の気持ちを表現する。でも、失恋で髪を切るなんて、もう古い。③「リンゴ追分」(美空ひばり)自分の音楽を考えたとき、どうしても自分の根を探したいと思う。歌詞や音の世界を自分に置き換えるだけ以上のものが欲しかったので、歌の舞台が自分の故郷に近いこの曲を選んだ。意識しないで出てくるものは何か。④「バードランドの子守歌」(スタンダード)比喩と韻がたくさん出てきて、ことばの連なり、音の動きが美しい。ロマンティックな時代の曲。音程の高低が激しいので、フレーズが小さくならないように気をつけたい。⑤「Let's Stay Together」(アル・グリーン)こういうシンプルなメッセージを一曲に仕立てあげられるのが、向こうの曲だなぁと思う。ソウルミュージックの名曲を伝えたいという意志が自分にはあるので、選曲に入れた。⑥「情けない週末」(佐野元春)中・高校生の頃、佐野元春に凝っていたことを思い出し、正統派のバラードが一曲欲しかったので、選んだ。断片的な風景が、聞く人の目に見えるように歌えたらいい。希望で終わる歌で、今回の私の出番はおしまい。

 

①「Just A Little Bit」(サザンオールスターズ)10年以上前から友だちのように心のなかにいる曲の一つ。Tが淋しくて泣きたくなるなど、そういう上段みたいなことでも、友だちは知っているんだなぁと思った。もっと歌えといわんばかり。②「If I Were A Bell」(スタンダード)自分を取り出すための曲もあれば、もっと知りたいとか出会いたいために選ぶ曲もあって、これは後者。やってみもしないで日本語にこだわるも何もないでしょ。気がふれたみたいな歌詞に、このうえない親近感を覚えます。③「電話線」(矢野顕子)不自由で半端でいいたいこともいえない自分を、体中で認識した。これだけの天才的センスと技術から解放されて音楽のなかでいい切れる矢野さん。誰にもあることなのに、人にいったら笑われるようなこと。それをいわなきゃ。④「死んだ男の残したものは」(石川セリ)人によって、どうとでもとれる歌詞なので、私はそれを色として伝えられればいいと思う。私は死にそうな目に合ったことがない。死にたいと思うのは至福のとき、生きていると感じるのは痛みのなか。⑤「Harvest Moon」(ニール・ヤング)いきなり「子供も眠っていることだし、ちょっとこっちに来ない」という中年夫婦の歌なので、困った……。あまり自分に関係ない世界のことも、音楽は結びつけてくれるわけだ。静かな優しさを出したい。⑥「Salaam, Monsoon Salaam, Afurique」(松任谷由実)Harvest Moonと対照的で、私の幸せはこんな感じ。嵐のなかで見失っても、その上に必ず星は輝いているということ。届かなくとも交信できるということ。