一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

今月の6題    511

「感性」  

 

バンドの技能は、コンピュータに奪われつつある。

ヴォーカルの声は、コンピュータで出せないから安心だと思うな。

技能は技術の発達で、技能そのものの価値はなくなっていく。

 

今のヴォーカルも、声がなくとも音響でカバーされている。

カラオケでうまいのも一興だ。

そうして誰もが歌えるようになると、その人の演奏を聞きたいかどうかの勝負となる。

 

だからタレントヴォーカルが受けるのもあたりまえ、

声がなくても人を魅きつけるものがある。

 

声を身につけても、それだけでヴォーカルになれるはずがない。

人を魅せる力にプラスしてこそ、価値のあるのが声なのだ。

高級な楽器だって同じだろう。

 

声をやるのは、声から音楽、表現。

その本質の感性を磨くためだ。

 

一流のヴォーカリストは、感性に加えて声をもっている。そこを間違うな。

 

 

 

「自分の名で生きること歌うこと」

 

今、代々木のハイツ(旧スタジオ)が改築している。わずか12畳の、一つだけのスタジオだった。

だから、だめだったわけではない。

何一つも。

 

忘れないで欲しい。

すでに、その家の白いペンキを塗ったトレーニング生もほとんど巣立っていった。

 

ここは学校でない。道場である。

先生だとか事務だとが先瞿だとか新人生だから、

とか、レッテルを貼るな。

 

ー人の人間である。自分の名で動け。

ごみがおちていたら拾え。

スリッパがちらかっていたら片づけろ

そこで文句言っている人は去れ。

何も言わず動く人だけが残っていく。

 

お金を払っているから、通っていたら、

何が身につくわけではない。

ましてや、何かやってもらえるわけでない。

 

1時間たくさんの話を聞いたから、勉強になるのではもない。

二年間でたった一言から自ら気づいたことが、

人生を、歌を価値あるものに変えるのだ。

 

何もないところから、学べる力が自分でやっていける力なのだ。

ここには、今は福島英とスタッフとトレーナー、

なによりも実力ある先輩がいる。それでよいはずだ。

 

あとは、あなたが"自分”でいれば。

たとえ、一人であっても。

 

 

 

「勉強しなさい」

 

たった一つ、何事も成しうるための秘訣は学ぶこと。

できるだけそのきっかけとなった感動、感激をそれずにいること、

学んだら、思うようになれるのだから。

 

 

 

「本質を観て知り、わかり身につけることの難しさ」

 

本物を知る

人間を知る

世の中を知る

自分を知る

一流を知る

芸を知る

ことばにとらわれない

 

 

1.弱さをみとめる

2.自信をもつ

3.極端を知る

4.悪を知る

5.しぜんを知る

6.間違いを知る

 

 

目にとらわれない まして耳(間いたこと)にわずらわされない

感情を抱き、感情を切る

すべて変わることを受け入れる

変わりつつ変わらぬものを知る

深く大海、広く宇宙のごとき心をもつ

 

 

2年くらいで進歩しない、できない

結局、2年でできるくらいの世界しかイメージしていないということ

 

 

 

「ライブ感覚」

 

今、この瞬間、ここで生まれてくるものに心をゆだねる

過去のこと、ことばにとらわれるな

そこで自分の心を動かしたものの動きにそって表現していくこと

決まりことば、教科書通りのレッッスンは、後退でしかない

 

 

 

「自ら選びとること」

 

失うことを恐れて得ようとしないなら、

得たものは得られない、失うだけ。

飛び込むこと。

 

これができない。

それが自分の人生に必要なら、全力でそのときに得なくてはいけない。

それがなくてもよいと思ったら、それはそれだけのもの、

水とパンさえあれば、人生は生きていける、そして死んでいく。

 

その人に、そのことに、こだわれるのが人生であることを選びとらない限り。

人生に必要なものならば、決して冒険を、傷つくことを、不安定を恐れてはいけない。

飛び込んで切り拓けないものはない。

 

いつでも遅いということはない。

自分を愛して信じているつもりで、自分を愛せず信じられないのは誰。

愛されることを待っているより、愛することだ。

待つほどにおくびょうになるものだから、

今、逃げない方がよい。