一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

ピッチとリズムのレッスン トレーナー 295   

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「練習したのにできない」という声がよく聞こえる月でした(私自身も「ちょいと難しすぎたかしら。」と思ったのですが)。でもみんなが、すらすらできてしまったら、きっと練習しなくなってしまうだろうという先の見通しもあってのこと。

 

検定は、回を重ねる毎に難易度が増し、検定に来てそのテスト問題を家で繰り返すことによっても身につく、というふうにしたかったので、練習をしてきてもできなかった人はあまり気にせず、また練習に向かってがんばってください。

 

音感については、

1三度以上はなれた下降ができない。

2短三度上がれない。

3少しずつ外していって、転調してしまう。

4間違えて読んだあとからくるってしまう。

などが多く、これらは、変わっていません。

 

ゴスペル特別講座でも気づいたのですが、全体的に音感が悪いです。もっと感覚を磨いて欲しいと思います。また、外していることが分からない人もいます。

自分はだいたいできていると思っている人も、ー度、他の人にチェックしてもらうべきです。

自分の耳が間違っていては音感はよくなりません。

 

みなさんはヴォ-カリストなのですから、聞き手の人が明らかに分かるような「音痴状態」は許されないということを自覚してください。

 

 

さて、リズムなのですが、リズムのテーマであるタイができない人が多いのには閉口してしまいました。タイの意味は分かっているはずなのに、タイの所で止まってしまう人、タイがあると打たずに飛ばしてしまう人が多い。どうしてでしょう。

 

およそ数カ月、基本の譜面上のパタ—ンを、リズムマシーンに合わせて打つというレッスンをしてきました。それはリズム自体への意識と読譜、打つことによってリズ厶を打ち出す練習でした。

 

しかし、これだけでは実は本当の「リズミカルに歌う」というヴォーカリストの課題には不十分なのです。今度はそれを歌に活かし、体にリズムを入れる、リズムを聞いて知る、耳をトレーニングする、体にリズムを覚えさせるということに発展させていかなければなりません。

 

リズムのトレーニングの課題は、糸口にすぎないのです。それでももちろん、それがあるとないとでは大きく違うことは確かなのですが。

そこでつまづいたり、「リズムに出ます」といっていつまでも来ない人、できるようにならないとふさいでしまっている人、先は長いです。がんばってください。

 

 

この場についてみなさんはどういうふうに考えているのでしょう。

みなさんはご自分の歌がどれくらかな、と考えたことはあるのでしょうか。弱点やいろいろな問題点をきちんと見つめているのでしょうか。そして何よりも自分の歌の評価を、誰、または何を基準に捉えているのでしょう。

 

私は、正直言って、入口のテーブルが嫌でした。自分のクラスがスタジオの中で進行される間も、一部の生徒が入口のテーブルで待ち合わせをしてどこかに行ったり、騒いで片付けもしないでゴミを散らかすのがどうにも嫌でした。

そして、その生徒の中に、前まで自分のクラスに出席してやる気をもっていたのに、急に来なくなり、その代わりに他の生徒とどこかへ行って、ここでのいろいろな話や作り話をするのがどうもひっかかるのでした。

 

それから、がんばると言いながら姿を消してしまう子も、どうしても苦手でした。人間なんだから性格とかいろいろウマが合わない生徒がいる、という意味では決してないのです。

どんな生徒でも、やる気があり、目的をもってクラスに通って来る、または相談に来る生徒はどんどん応援してきました。しかし、すぐさま来なくなり、忘れた頃にまた同じことを言いに来る生徒は苦手でした。助けてあげたくても手段がないからです。

 

しかし、何から何までがこんな情けない話ばかりではありません。生徒が何かが一つ進歩したり、できるようになったときの喜びは大きかったのです。

 

また、「先生が帰って来るまでに〜をできるようにします」というあたたかいことばもいただき、とても励みになっています。生徒が成長していくと同時に、私もヴォーカリス卜として成長しています。だから、みなさんにはとても感謝しています。

日本に帰ってくるまで、本当にがんばってください。