一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

参考DB 本のPR 通信課題   309

 

参考DB       「ジャズ詩大全 序文((中央アート出版)」より

「ヴォーカルステップアップ講座」

ライブ懇談会について

通信生課題

 

 

参考DB       「ジャズ詩大全 序文((中央アート出版)」より

 

<外国語で歌おうとすることは、そのジャンルがジャズであれオペラであれ、音楽家なら誰でもしり込みしてしまいかねないほど大変なことだと思う。日本の歌手が英語で歌うのを耳にすると、自分が義太夫長唄を歌う時の困難さをいつも思い浮かべてしまう。義太夫長唄は、趣味や日本語の理解を深めるためにいつかは習ってみるかもしれないが、生まれつき日本語を話している人たちとは張り合うことはおろか、人前で日本語で歌うことなど今の自分にとっては想像もつかないことだ。

だから、英語で歌う日本人のジャズ歌手には深く同惰してしまう。歌手なら何人(なにじん)でも、まず取り組まなくてはならない技術的問題をたくさん抱えているが、それに加えて日本人のジャズ歌手は、日本語にはない母国の発音やら「l」と「r」、「v」と「b」などを区別するための口の運動術までマスターしなければならないのだ。それにもう一つ最も重要なのは、ジャズ歌手は、自身の最も内奥にある自己を表現するための、自分だけの声を見つけなけれぼならないと私は思う。

残念なことにあまりにも多くの日本のジャズ歌手が、この一番重要な問題を安易にすませてしまっている。つまり、英語で歌うということを杓子定規に考え、できるだけ正しく発音しようとしているのが、まるで発音の試験を受けているように聞こえるのだ。

英語の発音がほぼ完璧に近いと思われる日本のジャズ歌手もいなくもないが、その中で、例えばビリー・ホリデイの歌のような感動を与えてくれる人はほとんどいない。もしビリー・ホリデイを発音や文法の正しさという観点で評価したら、ほとんどの日本の歌手の方が上かもしれない。しかし、ビリーホリデイがある単語を不正確に発音したとしても、それは間違いではないのだ。それは一芸術家がその魂を作品に注ぎ込んでいるからにすぎない。純粋に歌に対して誠実さを求めているだけであり、他のすべての要因、例えば呼吸や抑揚、発音などは二の次なのである。言うまでもないが、歌に対して誠実であるためには、歌手はその歌詞の意味をきちんと理解していなければならない。(ラリーリチャーズ)

 

 

歌の歌詞をその音楽から切りはなして勉強してみることは有益なことだと思う。たいていはその歌のすじがよりはっきり見えてくるものである。メロディの正確な理解というものは、その歌詞のなかの行をおって明らかになってくるドラマを理解することから始まるからだ。歌手の感情表現は、その物語りのなかで起きてくる新しい出来事を説明し照らしだしてくれるものでなくてはいけないだろう。

ジャズの楽器奏者は、演奏するときは常に新しいソロをインプロヴァイスしようとする。同じようにジャズ歌手は、メロディに表現豊かな変化をつけるために、それをリフのように扱うものだ。うまい歌手は、歌詞のなかの特定の言葉やイメージに焦点をあてるために、それをリフのように変化させる。これは聴いている人の注意を物語りのなかの重要な点に向けさせ、それらの意味を明らかにする手助けとなってくれる。

日本の歌手の多くは、英語を母国語としている人たちの発音を懸命になって真似しようとする。だがもっと大切なのは、歌のなかの感情表現が全体としてまとまることだ。ドラマとしてきちんと捉えている歌の解釈は、物語りの理解などそっちのけで本物の発音を真似するだけの歌よりずっといいものだ。

たぶん歌手にとっては、とくに訳のいいものがあるのなら、ときには自分の国の言葉で歌ってみるのも自然でいいことかもしれない。ジャズは自分自身の在り方について語っているものだからだ。

日本人の歌手が、自分が日本人であることを隠すのは馬鹿げている。アメリカ人の歌手の多くも、表現の多様さ豊かさのために、彼らの日常の言葉や方言を使ったりする。日本人の歌手も同じ様に日本語の音を使ってみるといいと思う。(中略)

美しい声、正確な音程、しっかりと落ちついたリズム、新しいフレーズィング、そして注意深い発音といったものが揃っても、まだ歌には充分ではないだろう。これらの技の役目は、むしろ歌のなかのドラマのような内容を補足するもののはずだからだ。(トムピアソン)>

 

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「ヴォーカルステップアップ講座」シンコーミュージック 定価1,000円

ズバリ解決!!Q&Aによる

ヴォーカリスト志願者の100のQに

ヴォイストレーナー福島英氏が解決に導くトレーニング法をもってお答えします。

 

拙書「ロックヴォーカル基本講座」と「ロックヴォーカル実践講座」(共にシンコー・ミュージック刊)は、わずかの間に版を重ね、筆不精のはずの若い人たちから年間およそ1000通にのぼるお便りをいただきました。それだけの読まれ方、使われ方をされているということを実感できて、私としてはありがたいやらうれしいやら筆者冥利と感じると同時に、どのくらい内容が正しく伝わったのかが気になるところでした。

そこでそういったお便りや、実際の私のところでトレーニングをしている人からあがったヴォーカルに関する悩み、疑問、質問とそれに対する答えをQ&A方式で1冊にまとめてみることにしました。

特に初心者の方から寄せられたお便りは、7割方同じような内容なので、この本で十分問題解決の役割が果たせると思います。

もちろん、中級者からプロのレベルの方にも対応てきるように幅をもたせて答えるよう配慮しました。また実際に行なわれているトレーニングのやり方をできるかぎり多く取り上げました。トレーニングとは「必ず効果の上がるべき方法」ではありますが、本当に一つひとつのトレーニングが分かるのにそれなりの年月を必要とするのも事実です。その段階に到達するまで、本書を活用いただければ幸いです。

 

 

ー多くのヴォーカリストが使用しているー

「ロックヴォーカル基本講座」

「ロックヴォーカル実践講座」

(シンコーミュージック1,000円)

 

-ヴォーカルになるための方法がわかるー

「カラオケ上達法 ここがポイント」

「ヴォイストレーニング ここがポイント」

(音楽之友社850円)

 

書店か楽器店でご注文ください。

 

 

 

ライブ懇談会について (by  トレーナー)

 

何もないところから、何かインパクトのあるものを創りあげられるパワーを出させることを期待したい。

 

1代々木スタジオで、月に一回、行なう。

2レッスンの場であるが、少人数の前という緊張の中で、それを打ち破る。

3しっかりした土台と応用力をもっていなければ、通用しない表現の世界の厳しさをわかる場に

→歌えば、すべてが変わり、わからなくてはいけない。

4演出なし。あるのは、ただ一人のヴォーカリストだけ。

5毎回、同じ設定にどれだけ対応し、やってのけるかの評価。

これがレッスンでありステージの基本になっていく。

 

日程…每月一日

場所…代々木スタジオ

対象…トレーニングを受けている人(2年未満の人)を中心に

“もっと自由に感じるままに歌うことを目的とする”

 

 

もちこみ楽器:

アコースティックなもののみとする

打ち込み使用可。エフェクト関係はセッティングに時間のかからないように。

 

Aグレード

毎月一回。

ヴォーカルとして歌うことの自由さを覚える。(どんな曲をどう歌おうとよい)

歌うことでしか、わからない部分で反省する材料を得る。

明日からの練習課題になることがねらい。

半年に一度くらいは状況に応じて、埸を設ける。

 

Bグレード

当面は、ライブステージ化しない。

自分のスタイルですでにライブ活動している人が多く、

ここでは、ライブでできない創造と冒険、そしてオリジナリティの発見を期待したい。

 

年1〜2回、ライブをやりたい。ライブとしては、スクールの発表会としてはやらず、

一般の客も呼べるもの。福島先生の知人、音楽業界関係者も呼べるようなものにしたい。

1最上クラスのライブはよいものにしたい。

 それには、まだまだを定例化させて盛り上がりを待つ。

2一般ライブ、外にうって出せるだけにいいもの、聞くに値するものにする。

 

 

 

通信生課題

▼自分の毎日のトレーニングメニュー(30分程度)をなるべく詳しく書いてみよう。

 

「やさしいヴォーカル入門」のP.57の譜1、3、5を基本に、まずその譜通りに、次にそれを半オクターブあげて、同じように繰り返す。そして、また全体的に1音あげたものを、同じように行う。

まずドレミの階名で、次にアイウエオの母音で、譜1の仕方で3〜4回、譜3の仕方で3〜4回、譜5の仕方で6回繰り返す。

その際次の点に注意する。

一、無駄な力が入っていないか。腹筋はうまく使われているか。

腹式呼吸はきちんとできているか。歌う姿勢はどうなっているか。

二、声がうまく響いているか。声が荒れていないか。

三、同じようにどの音も発音できているか。 

これを40〜50分かけて行う。

 

 

1 懸垂 6セット

2 なわとび 一〇〇回~二〇〇回

なわとびのかわりに片足膝曲げを6セットすることもある。

  1. 腕立て伏せ 一〇〇回
  2. 足上げ 一〇〇回
  3. 上体起こし 一〇〇回
  4. 背筋 一〇〇回

(3〜6は、最近まで各150回ずつ行ったが、一〇〇回にして、無理せずにやることにした)

  1. 柔軟ストレッチ 約10分8
  2. 息止め 約九〇〜一二〇秒。トレーニングの間に数回行う。
  3. 腹式呼吸のトレーニング『基本請座』のP.22かP.24を行う。

で、基本的な準備メニュー。この後、日によって音程やリズム、高音域などの発声練習をする。

それから、サックスを1時間吹く。それが終わったら、今月の課題曲を歌って終わり。

しかし、日によって内容が違ってくる。準備メニューはほとんど変わらないが、発声になると調子がかなり違ってくるので、一定のメニューをこなせない。

また、仕事中や気がついたときに、腹式呼吸をしているほか、息止めやハミングをするように心がけている。

 

毎日はトレーニングが、出来ないのが実情です。自分の練習場所に行き、声が出せるときには、やさしいヴォーカル入門テープを使って、第5章のヴォーカルトレーニング実践(P.98〜)を時間が許す限りやる。(長くても一時間半しかとれない)自宅は狭いアパートなので、発声は出来ません。呼吸のトレーニングと、ヴォーカル入門テープとやさしいヴォーカル入門のテープを聞く程度です。腹筋(足あげ)と背筋(ヨガの応用で、座禅を組んで両手をあげ、頭の後ろに伸ばし組む)を使うことと、柔軟を毎日やるはずだったのですが、かなりなまけがちで反省しています。

 

まずストレッチをやり、股関節を柔らかくしたり、首や背中を伸ばしたりして、ウォーミングアップをします。それから息や腹筋のトレーニングをします。息は「深い息をつくるトレーニング」で、「ハッ、ハッ、ハッ」と5秒やり、5秒休みを」12回繰り返すとか、なるべく息を長く吐いて、一瞬止めて吸うなど、6項目ほど。

腹筋は、「本格的な腹式呼吸を身につけるトレーニング」で、横筋を腹筋を突き出すのを10秒で10回、息を吐き出しながら横腹を突き出すのも10秒で10回というふうにやります。息も腹筋も、体を屈してやったりもします。

その後、メトロノー厶にあわせて、思いっきり息を吐きます。だいたいこれで、30〜50分かかり、汗が滲んできます。時間があるときは、声を出して、メトロノー厶にあわせて、スタッカーとやレガー卜の練習をします。

息が少し深くなったかな、と思っても、カラオケなどで歌ってみると声につながっていなくて、ショックです。ですから、声を出すトレーニングを、何とか取り入れたいと思っています。場所がないのが悩みの種ですが、野外でトレーニングが出来るように(精神的に)がんばらなければと思います。