一流になるための真のヴォイストレーニング

福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー

鑑賞レポート   356

 

鑑賞レポート   356

 

【マイケルボルトン

 

 2曲程度は知っていたけど、こんなに素敵な人だとは思っていなかった。ライブの様子とインタビューをとりまぜていたので、彼の音楽だけでなく、彼の考え方、歌うことについてなどにも少し触れることができ、一流ミュージシャンの人間性について、ほんの少しだけど知ってしまった…。歌うことによって、自分の弱さを見せるのではなく、そこから立ち上がっていく勇気を見せるんだという一言が深く心に残っています。歌っていうのは自分の本当の姿がモロに出てしまうので、彼はそうやって生きてきたから、人にはげますことができるんだ。私もしっかり生きなきゃ、と今、自分を励ましている…。

 

彼の歌、おもしろかった。結局、黒人コンプレックスなんて感じちゃいけない。ソウルを歌いたいなら、自分の感覚でソウルを歌えばいい。まねしたってしょうがないんだ。努力することは必要だし、まねをして、自分の中に吸収するのも大切だけど、最後は自分の感覚で歌わないと、曲を愛せないと思う。彼はそのことをきちんとわかっていて、自分らしさをしっかりもち、自分の曲を愛せるんだと思う。

 

私は洋楽に無知なので、もちろんマイケルボルトンのライブなんて見たのは初めて。“いかにも歌っている”という感じじゃなくて、ホントにあまりにもしぜんに歌っているのにあんなパワーのある歌い方ができるなんてすごい。

 

 

シャルル・トレネ】 

 

低音域を大事に歌っている流れるようなフレーズ。そして歌いあげるときのヴォリューム感、すばらしいですね。フレーズごとの流れがとぎれたりしていた。そしてアクセント(音の強弱)をもう少し考えようと思いました。

 

この人はコメディアンとしてもいけるんじゃないかと思った。詩人でもあり、アームストロングの「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」の世界を、すべての曲で表現してる人だなと思った。後半、彼が「天国でサッチモに会いたい」と言ったことばにハッとした。人前で演じきること。

 

 

ジュリエット・グレコ

 

人間性からくる歌の説得力。関係者のインタビューでも、みんなよい声をしている。頭の上を弾丸が飛び交うような状況になっても、発声練習したり、歌を忘れずにいられるのか。全く心もとないと思う。

 

演じながら歌う魅力。スタンドを使って、身ぶり、手ぶりでの表現がおもしろい。強弱のつけ方、独特の個性。自分のキャラクター。表現方法について、もっと深く考えてみる。

 

 

アート・ブレイキー

 

ジャズの演奏を聞く。とても人間技とは思えない、リズム感。アートブレーキーの手首のやわらかさと感性。体の中からわきおこってくるリズム。次に何のしかけがあるのかわからないスリリングな演奏。それぞれの個性を保ちながらメロディとして破綻をきたさないところ。とにかくすごいの一語につきると思った。

 

 

ナット・キング・コールトリオ、サラ・ヴォーン、ハーブ・ジェフリーズ】(6/22)

 

ともかく、どの人たちも体がなっているかんじで、顔もいきいきしていてとてもよかった。ナットキング・コールのピアノの指の速さは圧巻。自分もかならず、この人たちのようなヴォーカリストになるゾ。

 

高い声も低い声もふつうにすーっと声が出てて、やはりすごいなあと思いました。あと、背景とか、50年代はやっぱりいいなあと、しみじみ思いました。スウィングタイムというので、私自身はもっとトランペットとかたくさんで、アップテンポのものを期待していたので、聞かせる曲が多くてアップテンポのものが少なかったのが、ちょっと残念だなあと思いました。

 

 

TAKE6アカペラ】

 

6人各々の声のすばらしさ。会話、笑顔でさえ深く厚い声をしてた。クリスクャンの家庭に育ち、ファミリーを大事に思い、子供たちを大切にし、神の証言者となることを意識し、またライフスタイルとミュージック活動を一致させている。

 

ベース音を出している人の声が、本物のベースのようにすごい響きで気持ちよかった。やっぱり、ノリが違うなあ~という感じ。大らかに楽しく毎日を生きるのが、よい声、よい歌の基本だなあと感じた。

 

声の無限の可能性を今日、私に教えてくれたと思う。あれほどのことができることは、とてもすばらしく、感動した。それと楽器が入っていないので、ヴォーカリストが、息を吸うときに、その量の多さがよくわかった。息を吸ったときに、体が開いて、息が入っていき、それが歌を歌っても体の底に残っているのがわかった。